ご存じの方は少ないと思いますが、11月11日は介護の日です。
介護についての理解と認識を深め、介護とかかわりのある人々への支援や交流を行い、地域社会の介護への啓発を行う日として設定されています。
この日を中心として、前後に各地でいろいろなイベントを無料で行っています。
今回は、無料で介護について知ることができる、お得な介護の日のイベントについてご紹介します。
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過去の介護の日イベントでは最新介護グッズを見ることができた!
厚生労働省のHPには、令和4年度の介護の日関連のイベント一覧表が掲載されています。
北海道では、令和4年10月2日に「介護のしごとフェスティバル2022inHTBまつり」が開催されました。
無料で、介護の仕事についてのトークイベントや介護ロボットの展示・体験コーナーがあり、最新介護グッズも見ることができました。
最新の介護グッズを体験できる機会はなかなかありません。
最新グッズを体験することで、介護で困っていたことの解決法が見つかることもあります。
また、介護施設の相談コーナーなどもあり、別の介護施設の専門家に相談できるので、お互いに嫌な思いをすることなく解決できる方法を見つけやすいといえます。
参照:北海道 介護の仕事【イベント情報】「介護のしごとフェスティバル2022inHTBまつり」
では、今回の介護の日のイベントはどのようなものがあるのか見てみましょう。
特徴のあるイベントを2つ紹介します。
1. 最新福祉用具を実際に無料体験!島根県のイベント
島根県では、10月22日に介護の日イベントが行われました。
無料で介護ベッドや車いす、歩行器などの最新福祉用具を実際に体験できる内容です。
車いすや介護ベッド、歩行器等はカタログで見て、気になった物をお試しできますが、ケアマネや福祉用具貸与事業者の方に頼まなければならず、ついつい億劫になりがちです。
イベント会場で気軽に試すことができれば、
「こういう機能が便利だから今度はこれを借りてみよう」
「カタログで見た時は便利かと思ったけど、思ったほどではないな」
などと、手軽に実感できるでしょう。
また、特に興味深い内容としては、「男性のための介護のミニ講座」が行われた点です。
家族内で介護の担い手は、女性のみという家庭がまだまだ多いです。
しかし、介護の担い手に何かあった場合に、家庭での介護が回らなくなる可能性があります。
それを防ぐためにも、男性も介護を行うことが望ましいです。そのとっかかりとして、この講座を受けることも良いでしょう。
また、同日開催で、同じ敷地内の益田市人権センターで、健康ますだ市21フェスティバル「元気に暮らし続けよう一人ひとりの健康づくり」も行われました。
健康チェックや歯や食事などについて、専門家に無料で相談することもできるイベントです。
2. 奈良県では介護大賞の表彰や親守歌の入選作を発表
奈良県では、11月11日に「なら介護の日2023」が開催され、講演会や福祉用具の相談や展示コーナーがあります。
今回は、なら介護の日の特徴的な2つのイベントとしては、
- 支えあいの地域づくりにつながる介護の実践を表彰するほか、
- 自分を生み育ててくれた親への愛を贈る「親守唄」の入賞作の発表があります。
地域の介護の実践など、お住まいの地域での取り組みについて知る機会です。
今後その取り組みを利用したり、地域に取り入れることもできるでしょう。
また、親守唄を聞くことで、親御さんへの新たな気持ちに気づくこともあるでしょう。
なら介護の日は、支え合いの地域づくりについて考えるイベントになっています。
介護は、家族のみで行い続けることは難しいものです。
例えば、認知症の家族を見守る人がいない時間帯をサポートできるなど、介護事業所だけでなく地域の人の力を借りることで、介護の問題を解決できる場合もあります。
地域の力を知るためにも、お住いの地域の介護の日イベントを調べ、参加することをおすすめします。
参照:奈良県 介護の日
無料の介護イベントで有用な情報を得よう
介護の日のイベントについては、開催告知が行われている自治体はまだ少ないです。
しかし、介護の日イベントは無料で講演会や見学や体験などが行われ、介護される側・介護する側どちらにとっても、有用な情報がお得に得られます。
もちろん、利用している介護事業所やケアマネ―ジャーなどに日頃から相談はできますが、関係が近いことで言いにくいこともあります。
別視点で、相談することで問題解決に向けて見えてくることもあります。
普段は言いにくいことでもイベントで会っただけの人であれば、本音を言いやすくストレス解消にもつながります。
各自治体は、介護の日のイベントだけではなく、無料で介護イベントを行っていることもありますので、お得に利用できるように、お近くのイベントを調べてみましょう。
(執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子)
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