ポイ活でお得を味わおうと思うなら、ひとりだけではなく家族揃って挑めば効率が上がります。
家族も全員キャッシュレス派になって欲しいのに、配偶者や親に話が通じないと悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
この悩みを解決する最適のキャッシュレスアイテムを、ゼロベースで考えてみました。
結論は、PayPayです。
世に無数にある決済アイテムを考えたときにPayPayが万能でベストだとは言いませんが、キャッシュレス弱者に使ってもらうなら最適と考えます。
お付き合いください。
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キャッシュレス強者と弱者の違い
マネーの達人を日頃からチェックしている方は、キャッシュレス強者に違いありません。
具体的には、次に該当する人を強者として想定しています。
・ 利用するキャッシュレスアイテムの種類が3以上
・ 買い物の際はクーポンを常に探している
・ 0.5%の還元率の差にこだわるが、その価値の程度も認識している
・ 手間の掛かる決済でも、お得なら使う(例:かながわPay)
・ 内容を吟味せず「改悪だ」と声を上げない(PayPay騒動を念頭に)
・ キャッシュレスの知識を必要ない買い物のために活用しない
このようなキャッシュレス強者の家族もそうだとは限りません。
それならば、家族に求めるレベルは「ほどほどにお得」にしましょう。
ほどほど、ならPayPayの出番です。
なお最適なキャッシュレスを求め続ける筆者は、実のところPayPayはさほど使いません。
それでも、どれか1種類選ぶならこれだと認識しています。
キャッシュレス弱者のためのPayPay
PayPayはつい先日の「他社カード排除」騒動で非難を浴びました。
ですがPayPayはいまや、日本における決済のデファクトスタンダードといえるでしょう。
詳しく見ていきます。
家族がキャッシュレス弱者でも大丈夫
筆者には家内と、高校生の子供がいます。
ふたりに最近、なにで決済しているか訊いたところ、そろってPayPayと答えました。
子供は自分のクレジットカードも持てないので、親から送金してもらったPayPay残高で買い物するのは自然な流れです。
これ以外に持っているのはSuica(カードタイプ)だけです。
子供は必然的にキャッシュレス強者となります。
いっぽう家内は大人ですが、キャッシュレスには決して強くありません。
それでも、PayPayをクレジット(旧あと払い)で使っているので、万全ではなくても損はしていないと思われます。
PayPayは「比較的」いい決済
PayPayの特長は次の通りです。
・ PayPayクレジット(旧あと払い)により、還元率1.0%
・ 家族カードをセットしてクレジットが使えるようになった(専業配偶者や年金生活者に最適)
・ 残高をチャージし、それを決済原資に使ってもらうことができる(未成年の利用に最適)
・ 銀行チャージ、現金チャージによってプリペイドカードのような使い方もできる
・ ごく小規模の店舗でも使える
・ クーポンが多い
・ 10%~30%の地域還元、ドラッグストアの大型還元などお得な機会が多い
・ 送金機能と家族カードクレジットにより、キャッシュレス強者が家族全員の面倒を見やすい
・ 利用額、PayPayカードの支払額等、すべてがアプリ対応(現代ではかえってわかりやすい)
ともかく、「使えるお店が多い」「還元率が高い」「クーポンも多い」「キャンペーンが多い」のは大きなメリットです。
事前に取得するクーポンはやや上級者向けになりますが、クーポンを使わないと損というほどではありません。
銀行チャージ、現金チャージは若干キャッシュレスとしては中途半端です(還元率0.5%)が、選択肢が多いのはいいでしょう。
PayPayを主として使う生活はすぐ慣れる
PayPay嫌いの人からすると、PayPayが蔓延している世の中は不自然と感じるようです。
嫌う理由を拾い出してみました。
1. 決済の手順が面倒
2. ユーザースキャンとストアスキャンで手順が異なるのが面倒
3. 改悪が激しく、還元率も低い
4. タッチ決済やApple Payのほうがいい
5. クレジットカード直接決済のほうがいい
6. 楽天ペイのほうがいい
PayPayだけではなく、QRコード決済共通で複雑な操作(1、2)を嫌う人は多く存在します。
ですが、使いこなしている人にとってはなんら響かないはずです。
「ずっと使っているのだが、いまだに使い方が覚えられなくて困る」という人など、まずいません。
ユーザースキャン(利用者がお店のQRコードを読み取る)と、ストアスキャン(お店がスマホのQRコードを読んでくれる)の二通りあるのは、確かに複雑です。
難しいのはユーザースキャンのほうですが、それでも「読み取って、金額を入力して、決済」だけです。
店舗の側もいまやすっかり慣れているので、初心者が多少もたついても混乱することまではないでしょう。
3(改悪)は正確な情報ではなく、イメージに過ぎません。
現に、クレジット(旧あと払い)の還元率が0.5%から1.0%に上がったのは今年2023年の1月です。
話題になった他社カード排除も、その使い方をしているユーザーが1%程度しかいなかったようなので、過剰反応です。
そして4~6については、もはや現実を見ていない暴論です。
小規模な店舗では、タッチ決済どころかクレジットカード、そして楽天ペイも使えないことがまだまだ多いのです。
この点早くから営業熱心だったPayPayとは圧倒的な差があります。
PayPayステップは参加しなくていい
PayPayの還元率をさらに上げる方法がPayPayステップです。
条件達成で翌月の還元率が0.5%上がります。
ただ、条件達成のハードルが高く、得られるメリットと釣り合わないと感じます。
条件は次の通りです。
これを達成したとして、月の決済額が6万円で済むとは考えられません。
かなり少なく見積もって10万円です。0.5%の効果は、500円です。
500円を小さいと言い切る気はありませんが、それよりまずPayPayクレジットで確実に支払い、1.0%の還元率を維持することに注力したほうがいいのではないでしょうか。
「PayPayの次」を始めるのは意外と難しいかも
見てきましたとおり、PayPayには「無難な決済」という性質があります。
キャッシュレス強者からすると、家族のキャッシュレスへの取り組みが甘いと感じるシーンも多々あるでしょう。
ただ現実問題、次のステップは意外と難しいかもしれません。
筆者もですが、できればこんな決済を併用して使って欲しいのです。
・ Visa LINE Payクレジットカード(p+)をLINE Payで使う(月500ポイントまで還元率5.0%)
・ セゾンパール・アメックスでQUICPayを使う(年間30万円の決済まで還元率2.0%)
・ 楽天キャッシュで使う楽天ペイ(チャージと利用で還元率合計1.5%)
・ Orico Card THE POINTからチャージして使うau PAY(チャージと利用で還元率合計1.5%)
・ モバイルSuica(ビューカードからチャージして還元率1.5%)
しかし筆者の実体験からも、次を始めるのはなかなか困難に思います。
これら還元率の高い決済を使う必要性がまず、伝わりません。
驚異の還元率5.0%を叩き出すVisa LINE Payクレジットカード(p+)など、LINE Payをマスターしないと使えません。
ちなみにこの価値も、毎月500円が上限です。
セゾンパールのQUICPayぐらいなら、設定を全部キャッシュレス強者がやって引き渡せば使えるでしょう。
ただ、当人が使い分けを考えないとなりません。
結局強いのは、還元率ではやや劣るものの、PayPayということになるのです。
家族にキャッシュレスを使ってもらおうと思うなら、PayPayから始めましょう。
その先はハードルが意外なぐらい高いですが、PayPayだけ使っていてもある程度の数字は出るので、あまり不満に思わないようにしておきましょう。(執筆者:金融系ライター 沼島 まさし)
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