引き続き進行するインフレに対して、上がらない実質所得。
誰しもが現在の生活だけでなく将来の生活を心配しているのではないでしょうか。
将来のために少しでもお金を貯めたい、そのために投資もしたい、多くの方がそんな考えから証券口座を開設していることと思います。
ここ数年での証券口座新規開設数も伸びているとのこと。多くの方が将来への不安を抱えていることが見て取れます。
ですが、いざ証券口座を開設したのはいいものの
「どのようにしたらお金を貯めることができるのだろうか」
「やろうとしている投資は正解なのか」
初心者ほどこういったところに悩んでしまうことでしょう。
将来のお金を貯めるために特別な知識、方法は必要ありません。
むしろ特別な投資手法を取ってしまうと逆に資産が目減りしてしまう危険性もあります。
コツコツと資産を形成していくためには王道投資が一番なのです。
短期で大きな利益を得られると謳っているような投資には絶対に手を出すべきではありません。
理由は再現性がないからです。
資産形成は誰にでもできます。誰にでもできる方法が一番の近道なのです。
今回は誰でもできる資産形成の4ステップについて解説します。
銀行で口座の開設を断られる5つのケースとその理由 元銀行員が解説
ステップ1:支出の最適化
まずは何といっても節約、支出の最適化です。
当然のことですが、支出が少なければ少ないほど投資に回せる金額も大きくなります。
何も考えずに浪費を繰り返していてはどれだけ収入が高かろうがお金は貯まりません。
貯蓄をする上で一番大切なのが「貯蓄率」だということは有名な話です。
得た収入を使い切るのではなく、「本当に必要なもの」にだけ支出するように心がけるだけで貯蓄できる金額は大きく変わるはずです。
支出の最適化と一口にいうと
- 我慢
- 苦行
- 楽しくなくなる
などといったネガティブな印象を持たれる方も多いようですが、そんなことはありません。
自分達が幸せになるお金の使い方をしようという話です。
これができれば
- 貯蓄をしながら幸福度も上がる
- ストレスなく継続できる
- 生涯使える節約スキルが身につく
といった大きなメリットを得ることができます。
何にお金を使うことで幸せになれるかは人それぞれです。
食事や旅行には惜しみなくお金を使うが、住宅や車、服にはお金を使っても幸せを感じないといった人もいるでしょう。
何に使うべきで何に使うべきではないのか、皆さん独自の答えを見つけてみてください。
あまり幸せを感じない支出は思い切って削ってみることをおすすめします。
支出に優先順位をつけることによって簡単に支出を最適化することが可能です。
ステップ2:収入を増やす
節約、支出の最適化よりも難易度は高くなりますが、これができれば貯蓄効率がアップすることは間違いありません。
当然ですが、支出を最適化した状態で収入を増やすことができればその分を全て貯蓄へ回すことが可能となります。
貯蓄率20%や30%といった数字も見えてくることでしょう。
収入を増やす上で最初に思いつくのは本業収入のアップでしょう。
本業を頑張ることによって昇給が見込まれる会社にお勤めの場合は話が早いかもしれません。
そうでない場合は転職や副業といったことも視野に入れる必要があります。
会社によって給与体系が大きく変わるため、同じ業界、職種でも転職することによって大きく年収が上がるなんてこともザラにあります。
転職活動をすること自体にリスクはありません。
他に良い企業がない場合は転職しなければ良いだけの話です。
今の会社に不満がある場合は他の企業を見てみることをおすすめします。
本業での収入アップ、転職での収入アップ以外に選択肢として上がってくるのが副業収入です。
今の時代はパソコンさえあればお金が稼げる時代です。
本業以外での時間を費やすことになるので抵抗感はあるかもしれませんが、気になる副業があるならまずはやってみることを強くおすすめします。
大きな収入を得ることはできませんがポイ活などを始めてみるのもいいでしょう。
小さな成功体験としてポイ活はお手軽です。
最初から大きな収入アップを目指す必要はありません。小さな一歩を踏み出すことが大切です。
ゆくゆくは月3万円、5万円、10万円といった大きな収入アップにつながるかもしれません。
それだけ収入がアップすれば人生変わります。
ステップ3:投資をする
ここでいう投資は「長期投資」のことを指します。
具体的には全世界株式や米国株式といったインデックスファンドへコツコツと積立投資を行う手法が最も再現性高く資産形成に成功する秘訣だと考えます。
いわゆる王道積立投資です。
短期で大きな利益を得られる可能性のあるリスクの高い投資もありますが、手を出すべきではありません。
短期投資をするとしても失っても良い程度の金額までにしておくべきです。
「失っても良いお金なんて無い」という方はやはり手を出すべきではありません。
短期投資の成否は基本的にタイミングや運といった要素が大きくなります。
つまり「その時」だから成功したということになるわけです。
これでは再現性が無いので同様の手法を真似したところで利益を得られる可能性は低いでしょう。
着実に資産形成するためにも王道の積立投資を実践することが遠回りに思えて実は近道だったりします。
急がば回れです。
さらにNISAやiDeCoといった非課税口座を使うことによって無駄な税金を取られることがなくなります。
資産形成のスピードが上がること間違いなしでしょう。
長期投資になればなるほど複利の効果も大きくなり、非課税メリットも大きくなります。
まずはNISA、iDeCoの限度額を埋めることから始めてみましょう。
ステップ4:これまでの3ステップを見直しながら継続する
結局継続が全てです。
どんなに素晴らしい手法を実践できたとしても継続できなければ大きな成果は得られません。
決して短期でお金持ちになろうとしてはいけません。
それは再現性がない方法です。タイミングや運の要素が大きくなります。
特別な才能がない私たちは時間をかけるしか方法がありません。継続することが最短ルートです。
- 何のために資産形成するのか
- どんな人生を歩みたいのか
- 自分はどうありたいのか
こういったことを明確にしておくことによってモチベーションになります。
また、継続しつつその都度これまでの3ステップを見直すことも大切です。
支出の最適化であれば家族構成や年齢によって幸せを感じる点も変わってくるでしょう。
収入を増やす点においてもやりたい仕事や取り組んでみたい副業も変わるでしょう。
収入や支出が見直されることによって投資への入金力も変わるはずです。
定期的にブラッシュアップすることによってモチベーションを維持しつつ継続する。
これが再現性高く誰でもできる資産形成のステップだと考えます。(執筆者:FP技能士2級、証券外務員1種 冨岡 光)