来年から新しいNISAが始まります。
現行制度と比較して年間投資可能額が増額されることもあり、今よりも大きな金額を投資できるように準備をされている方も多いのではないでしょうか。
よく耳にするのが、
「新NISAへ投資するために節約をする」
というものです。
新NISAではつみたて投資枠で年間120万円、成長投資枠で年間240万円、合計で年間360万円の非課税投資が可能となっています。
現行制度と比較して倍以上の金額が投資できるため、その種銭作りが課題となっています。
現預金が十分にある方は徐々に新NISAへ移していく段取りで問題ないでしょうが、余力がない中でも少しでも多くの投資をしたいと考えている方は節約がカギになります。
急に収入を上げることは難しいですが、節約であればやり方次第で即効性があります。
ちまたにもさまざまな節約術が出回っています。
有益な情報もたくさんありますが、考え方として注意しておくべき点もあります。
今回は、日々の節約を無駄にしかねないNG習慣について解説したいと思います。
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1. 成功体験のない人の意見を聞く
何事も適切な人の意見を聞き、実践することが目標達成における最善の道でしょう。
野球がうまくなりたいならプロ野球選手に教えてもらいたいと考えるように、その道のプロの意見を聞くことが上達への近道となることは間違いありません。
ですが不思議なことに、お金の管理や運用となると、実績のない人の意見を聞いてしまう人が多いようです。
- 親が言うから保険に入る
- 妻が投資は危険というからやらない
身近な人に相談し、その意見を聞いてきた人も多いはずです。
ですが、その身近な人はその道のプロでしょうか…
おそらく何の実績もない人であるパターンがほとんどだと思います。
その道のプロに話を聞くのがセオリーなら、お金の話もその道のプロ、成功体験を持っている人の意見を参考にするのが正解です。
もちろんアドバイスをくれる身近な人も、皆さんのことを思って善意で言ってくれているのでしょう。
ですが、その人たちがお金持ちではない以上、そのアドバイスを聞いても皆さんがお金持ちに近づくことはありません。
2. 地位財への浪費
適度にお金を使い、満足感を得ることは悪いことではありません。
ずっと欲しかったものを買ったり、旅行に行って心をいやすなど、お金を使うことで人生の幸福度を上げることはとても大切なことです。
ですが、地位財への浪費は、日々の節約を一瞬で無駄にする可能性があるため注意が必要です。
地位財とは、周りとの比較で満足を得られる財のことをいいます。
車や高級時計、家などが代表例としてあげられます。
もちろん自分や家族の目的、用途に合った買い物であれば地位財にあたらず問題ありません。
むしろ、人生を豊かにするための買い物といえるでしょう。
ですが、他者を意識しての買い物である場合は注意が必要です。
地位財の基準が他者との比較である以上、際限がありません。
周りの人よりも「高級な物」を手にし続けないと、満足することができません。
それまでの節約が水の泡となってしまいますので、地位財へ浪費することはご法度です。
お金を使うとき、
- その買い物は他者との比較ではないか、
- 見栄のために買おうとしていないか
を確認するようにしましょう。
3. ハウスマネー効果
ハウスマネー効果とは予想外に得たお金は、普段よりリスクを取る傾向(無駄遣いする傾向)が強くなる現象のことをいいます。
これはギャンブルを元にした言い方で、「ハウス」はカジノのことを指しています。
お金の手に入れ方によって、価値が変わってしまう現象はよくあることです。
苦労して得たお金は大切に使いますが、泡銭や臨時収入は思いのほか散財してしまうものです。
例えば毎月の給与は計画立てて節約をするのに、ボーナスが入ると心が広くなってしまい、無駄なものにも使ってしまった経験がある方も多いのではないでしょうか。
私たちは無意識にお金に差をつけてしまいがちですが、どんなお金でもその価値は変わりません。
給与で得た30万円でも、ボーナスで得た30万円でも、パチンコで得た30万円でも、宝くじで得た30万円でも、全部同じ30万円です。
全て同じ価値なので同じ基準で考えるべきです。
予想外に得たお金は、ハウスマネー効果に注意が必要です。
どんなお金でも無駄遣いは避けて、投資に回すことができたら、資産形成も楽になるでしょう。
何のための節約なのか思い出すことが大切
日々節約をがんばっても、ちょっとしたことでその努力が無駄になってしまうのが今の社会です。
誘惑の多い今の時代、しっかりと目標、目的を持って行動することが大切です。
- 何のために節約を行っているのか。
- 資産を作ってどんな人生を歩みたいのか。
- より豊かになって成し遂げたいことは何なのか。
毎日の節約を無駄にしないためにも、相反する習慣に手を出すべきではありません。
本記事で紹介したNG習慣が、皆さんの節約の参考になれば幸いです。(執筆者:FP技能士2級、証券外務員1種 冨岡 光)
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