人気投資信託SBI・Vシリーズの運用会社「SBIアセットマネジメント株式会社」が5つの新しいVシリーズの運用を開始するとの発表を行いました。
先月の楽天証券が行った「楽天カード決済によるポイント付与率の改善」に続くうれしいニュースです。
2024年から始まる新NISAに向けて、各社の顧客獲得戦略がいよいよ激しさを増してきたということでしょうか。
SBI・Vシリーズは低コストで人気の投資信託で、eMAXIS Slimシリーズと並んで人気投資信託シリーズの2大巨頭と言っても過言ではありません。
そんなSBI・Vシリーズから新たに5つも新商品が発売されるとのことなので、大注目間違いなしです。
今回は新商品の概要と、既存商品と併せた活用例について解説したいと思います。
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新商品の概要
SBI・Vシリーズから新たに発売予定の商品は以下の通りです。
いずれの商品も運用開始は2023年6月8日です。
これまでのSBI・Vシリーズでは米国大型株が中心だったところ、「除く米国」や「新興国株式」が追加されたのは注目に値するのではないでしょうか。
今後の成長が期待されているインドなどの新興国へ投資したい方にとっても選択肢が増え、どのようなポートフォリオを組むべきなのかうれしい悩みが増えそうです。
また、VIGに連動する商品がラインナップされたことにより、守りを固めた米国株投資も実現しそうです。
VIGはS&P500と比べて底堅く、安定したパフォーマンスが人気です。
連続増配を記録する企業にだけ投資するので、相場の下落時にも堅調な動きを見せます。
切り取る期間によってはS&P500よりもリターンの高い実績もあるETFです。
少しややこしい話にはなりますが、「除く米国」や「新興国株式」を既存商品とうまく組み合わせることによって、米国株式への偏り(SBI・V・全世界株式では約60%が米国株式)をより細かく調整できそうですね。
これからの試行錯誤が楽しみです。
新商品の活用例
新商品発表当日にSBI・Vシリーズのセミナーが行われました。
YouTubeのSBI証券公式チャンネルにもアップされており、そこで新商品の活用例が提示されておりましたので一部紹介したいと思います。
≪画像元:YouTube≫
1. 既存VTよりも高パフォーマンスのVT
全世界株式への投資だと既存商品のV・全世界株式(VT)へ投資するのが基本となりますが、下記のように3つのファンドを組み合わせることにより、VT1本より経費率が低く、リターンの高いファンドを作れるようになるとのことです。
- V・全米株式(VTI):58%
- V・先進国株式(VEA):28%
- V・新興国株式(VWO):14%
もちろんリターンの高低は切り取る期間によっても変わりますので、今後も高くなるとは言い切れません。
さらに興味深いのがVT1本だと構成銘柄が約9,500社ですが、この3本の組み合わせだと約1万3,600社への分散投資が可能となるとのことです。
パフォーマンスを追求したい方にとってはおもしろい選択肢かもしれません。
2. 全世界小型株式ファンド
V・米国小型株式(VB)とV・世界小型株式(VSS)を組み合わせることによって、グローバルの小型株式ファンドを作ることができます。
小型株式というとどうしてもリスクの高い印象を受けますが、全世界の小型株式へ分散することによってどのようなパフォーマンスが出せるのか期待したいところです。
3. 全世界株式(除く日本・欧州)ファンド
既存商品のV・全米株式(VTI)とV・新興国株式(VWO)を組み合わせることによって、全世界株式(除く日本・欧州)という珍しいファンドを作ることができます。
日本で生活している我々は日本の会社に勤めている方がほとんどだと思います。
そして日本円で収入を得ており、日本円を貯金しています。
つまり日本には既に十分に投資していると言えるでしょう。
さらにそこから最近低調な欧州を除くと出来上がるのが上記ファンドです。
どのような成長を見せるのか非常に楽しみです。
4. SBI・V・VXUS
こちらは画像での紹介はありませんでしたが、米国を除く全世界株式ファンドです。
V・先進国株式(VEA)とV・新興国株式(VWO)の組み合わせで作ることができます。
楽天証券が「楽天・全世界株式(除く米国)インデックスファンド(愛称:楽天・VXUS)」として出してきたファンドのSBI・Vシリーズ版です。
米国以外の国に投資したいという方にはこの2本の組み合わせでOKです。
あせることなく自身に合った投資手法の確立を!
今回発表があった新商品、いずれのファンドも手数料率が0.1%台と非常に低コストになっています。
まさしく日本全体で経費引き下げ競争が起きている中での新商品、今後の動向が非常に楽しみです。
ただ、注意したいのは表面に出ている以外に実際にかかったコスト(隠れコスト)を加味した経費率は実際に運用してみないとわからないという点です。
1年後に隠れコストが判明した時点で投資しても、遅くないかもしれません。
また、商品数が多くなり混乱してしまう場合はシンプルに考えて投資されることをおすすめします。
活用例で既存のV・全世界株式1本へ投資するよりも経費率及びパフォーマンスが高くなる組み合わせの紹介をさせていただきましたが、手間がかかってしまうのは事実です。
都度リバランスをしないといけませんので、継続的に投資割合を見なす必要が出てきます。
これが億劫になり投資をやめてしまっては元も子もありません。
そこまで時間が割けない方はシンプルにV・全世界株式1本へ投資する方が良いでしょう。
投資で100点を目指す必要はなく、80点で十分です。
たった数%の差のために全てを台無しにする必要はありません。
新NISA開始まであと半年程度となり、これからもさまざまなうれしいニュースが飛び込んでくることと思います。
都度最新の情報を抑えつつ、自身にあった投資手法を見つけていただければと思います。(執筆者:FP技能士2級、証券外務員1種 冨岡 光)