毎年、2月中旬から3月中旬まで確定申告があります。
医療費控除は、医療費控除に関する必要事項を記載した確定申告書を提出することで、所得控除を受けることができる制度です。
診察代などの1年間の合計が10万円以上ではないもしくは、総所得金額等が200万円未満で、医療費が総所得の5パーセントに達していない為に、おこなっていない方が多いのではないかと思います。
しかし、介護保険のサービスを利用している場合に、自己負担分の支払い金額が医療費控除に含まれる場合があります。
介護サービスの自己負担分の支払い金額を含めると、医療費控除の金額に達する方もいるのではないでしょうか。
今回は、医療費控除に含まれる介護保険のサービスを紹介します。
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介護保険のサービスで自己負担分が医療費控除に含まれる場合とは
自己負担額が医療費控除に含まれる介護保険のサービスは以下になります。
・ 訪問看護
・ 通所リハビリテーション
・ 短期入所療養介護
・ 訪問リハビリテーション
・ 居宅療養管理指導
また、利用方法によっては、医療費控除に含まれる介護サービスもあります。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、訪問看護と訪問介護が同じ事業所で、訪問看護を利用している場合に限ります。
看護・小規模多機能型居宅介護は、上記で紹介した、サービスを含む組み合わせにより提供されるものに限られます。
掃除などの生活支援が中心の訪問介護の部分は医療費控除に認められませんので、少し注意が必要です。
参照:国税庁 No.1127医療費控除の対象となる介護保険制度下での居宅サービス等の対価
訪問看護については医療費控除に含まれることがイメージできると思いますが、通所リハビリや訪問リハビリ、短期入所療養介護も含まれることに、ピンと来られる方は少ないのではないでしょうか。
医療費控除は、本人だけでなく生計を共にする配偶者や親族のために払った金額があてはまります。
生計を共にされている方が、介護保険の医療系サービスを利用されていて、実は医療費控除を申請できていたという方がいるのではないでしょうか。
医療系サービス等と併用すると医療費控除に含まれる介護サービスもある
上記のサービスと併せて利用していた場合に、介護予防を含む以下のサービスの自己負担額も医療費控除に含まれます。
(1) 身体介護中心の訪問介護
(2) 夜間対応型訪問介護
(3) 訪問入浴介護
(4) 通所介護(地域密着型・認知症対応型を含む)
(5) 小規模多機能型居宅介護
(6) 短期入所生活介護
(7) 生活援助中心ではない地域支援事業の訪問型・通所型サービス
(8) 連携型事業所の定期巡回・随時対応型訪問介護看護や一体型で訪問看護を利用しない場合
(9) 前項の介護サービスを含まない組み合わせで、看護・小規模多機能型居宅介護を利用する場合(掃除などの生活支援が中心の訪問介護の部分は除く)
参照:国税庁 No.1127医療費控除の対象となる介護保険制度下での居宅サービス等の対価
介護度が高くなってくると利用するサービスの回数や種類が増えていきます。
それに伴い、自己負担分の金額も上がります。
訪問看護や通所リハビリなどだけではなく、通所介護や短期入所生活介護の自己負担分も合わせて、医療費控除の対象にできるのであれば金銭的負担が少なくなります。
施設系サービスの自己負担分も医療費控除に含まれます
特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの施設サービスの自己負担分や食費、居住費も医療費控除の対象になります。
施設名 | 医療費控除の対象 |
特別養護老人ホーム 地域密着型特別養護老人ホーム | 利用料や食費、居住費の自己負担分の2分の1相当の金額 |
介護老人保健施設 | 利用料や食費、居住費の自己負担分 |
療養型病床群等 | 利用料や食費、居住費の自己負担分 |
介護医療院 | 利用料や食費、居住費の自己負担分 |
参照:国税庁 No.1125 医療費控除の対象となる介護保険制度下での施設サービスの対価
ここで注意が必要な点は、理美容代などの日常生活費や特別なサービス費用は、医療費控除の対象になりません。
施設入所は、1日の食費や居住費もかかる為、居宅サービスに比べ金銭的負担が大きく本人の年金などだけでは賄えないこともあります。
生計を共にする親族や配偶者の方が施設入所されている場合、医療費控除を受けられる可能性が高いといえます。
参照:国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
少しでも金銭的負担が軽くなるように申請してみよう
現在、物価も上がり、いつもと同じ生活を送っているだけでも経済的負担が増しています。
日常の生活は、ちょっとした節約がしやすいですが、介護が必要な家族がいる場合、介護サービスを利用しないわけにはいきません。
しかし、医療費控除は、高額介護サービス費とも併用して利用できます。
書類作成など手間がかかりますが、少しでも金銭的負担が軽くなるように、医療費控除を申請してみることをおすすめします。(執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子)
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