昨年後半から食用油の価格が高騰しています。
2022年12月の消費者物価指数によれば、油の平均的な価格は162.5。
基準時(2020年)より62.5も上昇しています。
※消費者物価指数では2020年の価格を100としています。
参照:e-Stat 消費者物価指数・2020年基準消費者物価指数月報(全国)・2022年12月次(2023年2月7日発表)
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食用油の価格が高騰
店頭やネット通販でも消費者物価指数を裏付ける形で食用油の価格が高騰しています。
たとえば、日清オイリオキャノーラ油(1,000ml)の価格は以下の通りです。
近所のスーパー(最安価格) | 462円 |
ヨドバシドットコム | 571円 |
Yahooショッピング(LOHACO) | 2本1,160円(1本580円) |
Amazon(日清オイリオストア) | 2本1,687円(1本843.5円) |
※2022年2月10日時点の税込価格
以前は200~300円台で買えたキャノーラ油が、今は倍額以上になっています
さらに、2023年春には大手食用油メーカーがまた食用油の価格を上げると発表しており、ますます食費が家計を圧迫しそうです。
その対策として有効なのが「食用油の使用量を減らす」ことです。
そこでこの記事では、料理歴30年超のベテラン主婦が、食用油の使用量を簡単に減らせる調理方法を伝授します。
最も有効な対策は「揚げ物の回数を減らす」こと
食用油の使用量を減らす上で最も有効な方法は「油で揚げる頻度を減らす」ことです。
揚げ物は食用油を大量に使います。
2人暮らしでも揚げ物の量が多ければ1度に400ml、5人以上の揚げ物となれば1度に1,000ml使うこともザラです。
もちろん、一度使用した食用油を再利用するのもよいのですが、1度の揚げ物でも食用油は大きく劣化します。
その結果次回に揚げたものがまずくなったり、食べると気持ち悪くなったりする恐れもあります。
使用後の食用油を浄化するフィルターも市販されていますが、実際に使ってみた私の実感では1~2回が再利用の限度です。
それを考えると、やはり揚げ物の頻度を減らすことが一番の対策だと言えます。
その一つの方法として「揚げ物を外で買ってくる」がありますが、外で買う揚げ物は自分で作るより割高です。
世帯人数や買う頻度によっては食費が大きく跳ねがる恐れもあります。
それよりも、油の使用量が少ない調理法で揚げ物を作る方が、食用油が高騰が家計に悪影響を及ぼす可能性が低いでしょう。
そこで、ここからは少量の食用油で揚げ物を作る方法をご紹介します。
少量の食用油で揚げ物を作る方法
少量の油で揚げ物を作る方法は2つあります。
(1) 揚げ焼き
フライパンなどに少量の食用油をひき、食材を揚げるように焼く調理法です。
揚げるだけの衣つき冷凍食品も揚げ物と同じように仕上がります。
わが家でトンカツを作る場合、肉に十分に火を通してきれいに揚げるには最低でも300mlの食用油が必要です。
しかし、フライパンにふたをして揚げ焼きする場合は食用油の使用量が6分の1~3分の1(50~100ml)で済み、ふたをすることで熱が食材にまんべんなくいきわたります。
わが家では、この調理法を始めてから油を買う頻度が「2~3ヶ月に1度」から「6か月~9か月に1度」になりました。
なお、食材の形がいびつな場合や柔らかすぎる場合、油で揚げてもサクッと仕上がりにくい食材の場合は揚げ焼きが難しくなります。
その場合は、揚げ焼き用の粉を使うと揚げ焼きがうまくできます。
この記事では市販の揚げ焼き用の粉を2つご紹介します。
もう揚げない!!焼き天ぷらの素(昭和産業)
≪画像元:昭和産業≫
少ない油で天ぷらが作れる揚げ焼用の粉です。
袋の裏には天ぷらなどの作り方がわかりやすく記されています。
「もう揚げない!!焼き天ぷらの素」は天ぷら以外の揚げ物にも使えます。
たとえば、冷凍フライドポテトにこの粉で作った衣を使うとカリっと仕上がります。
また、衣に調味料や香辛料を混ぜると味が変化しておいしくなります。
若い人やお子さんがいるご家庭には特におすすめです。
揚げずにから揚げ(ヒガシマル)
≪画像元:ヒガシマル≫
こちらは焙煎米の特製粉に甘辛いうまみ味料が入っており、鶏肉や豚肉、魚などに使えます。
粉をまぶして少量の油をひいたフライパンで焼くと、5~10分でサクっとした食感の揚げ物ができます。
どちらの粉を使っても食用油の使用量を減らせます。また、調理時間の短縮にもなるのでぜひ試してみてください。
(2) 「ノンオイル揚げ物」を作る
肉や魚に含まれる脂を利用する「ノンオイル揚物」もおすすめです。
コンロのグリルで簡単に作れます。
たとえば「ノンオイルから揚げ」をグリルで作る場合、下味をつけた鶏肉に小麦粉や片栗粉をまぶしてグリルで十数分焼くだけで完成します。
この調理法は食用油を一切使わずに済む上、鶏肉の脂は調理に使われて大きく減ります。
それによって生活習慣病の予防もできるのも大きなメリットです。
残念ながらこの方法だとサクッとは仕上がりません。
ただ、揚げた時より鶏肉が柔らかくなり、歯が悪い高齢者に出しても「食べやすい」と言っていただけます。
これらの調理方法で食用油の使用量が大幅に減らせるので、価格が高騰しても食費が大きく増えずに済むでしょう。
ちなみに、フライパンやグリルで揚げ物を作る場合、フライパンやグリル皿に市販のアルミシートやクッキングシートを敷くとよいかもしれません。
それらを使うとこびりつきを洗う手間が減って洗剤代や水道代の節約にもなります。
アルミシートやクッキングシートは100均商品で十分事足ります。
調理方法の工夫で我が家の食用油の費用を抑えよう
今回ご紹介した食用油高騰対策は、調理方法を工夫するだけのごくシンプルなやりかたです。
毎日料理をしている人ならだれでも簡単にできますので、ぜひお試しください。
それによって我が家の食用油の費用を抑えられ、価格高騰で家計が悪化する事態を回避できるでしょう。(執筆者:元銀行員 FP2級 大岩 楓)
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