波佐見焼をご存じでしょうか。
日本のやきものと言えば有田焼や九谷焼が有名ですが、ここ数年「波佐見焼」の人気が急上昇しています。
今回は手ごろな値段にもかかわらず、丈夫でおしゃれな波佐見焼の魅力と、880円以下で波佐見焼が買える店を紹介します。
波佐見焼の魅力と歴史
波佐見町は、長崎県にあります。
棚田が残る自然豊かなところです。
波佐見焼は、約400年前から作られていた焼き物です。
しかし「波佐見焼」として有名になったのは2000年以降であり、それ以前は有田焼として市場に出ていました。
波佐見焼の魅力は、手ごろな値段と使いやすさを重視したデザインです。
デパートに並んでいる豪華な絵が描かれた有田焼は高価ですが、波佐見焼は1,000円以下で買えるものもたくさんあります。
安さの理由は作られる方法にあります。
波佐見焼は大量生産されているのです。
とはいっても、機械でバンバン作られるわけではなく、分業体制によって人の手による大量生産が行われています。
型を作る人、生地を作る人、焼く人、売る人と分業にすることで効率よく作り、コストを抑えています。
これは西陣織も同じです。
着物で有名な西陣織も、西陣の町で分業することで職人を育成し、伝統を守っています。
波佐見焼は、古くからの伝統を守りつつ、時代に求められる磁器を生み出してきたことで人気沸騰中です。
波佐見焼が税込み880円以下で買える店3選
波佐見焼は、さまざまな方法で手に入れることができます。
長崎県波佐見町のふるさと納税の返礼品には、波佐見焼があります。
インターネットで検索すると、オンラインショップで購入できる店もあります。
しかし、オンラインショップは送料がかかります。
ここからは、長崎県まで行かなくても、送料をかけなくても波佐見焼が税込み880円以下で手に入る店を紹介します。
(1) 波佐見焼を代表する「くわらんか茶碗」は無印良品で買える
≪画像元:良品計画≫
無印良品では、波佐見焼を代表する茶碗「くわらんか茶碗」があります。
サイズは大小があり、
- 大きいサイズは税込みで790円
- 小さいサイズは650円
です。
くわらんか茶碗は、船乗りが揺れる船の中でも安定してご飯が食べられるように作られた茶碗です。
テーブルに接する高台がしっかりとしたデザインで、適度な重さもあります。
一般的なご飯茶碗よりも大きく、ひとつあればお茶漬けや小どんぶりにも使えるコスパのいい茶碗です。
ただ、無印良品の波佐見焼は季節商品です。
店舗によっては品薄になっています。
くわらんか茶碗以外にも直径約15cmの丸皿があります。
(2) 3COINS(スリーコインズ)の波佐見焼は「底」がかわいい
3COINSでも波佐見焼が登場しました。
今年の1月から始まったシリーズ「日本逸品」の中のひとつです。
魚に便利な長角皿880円や形がユニークな取皿550円、思わず手に取りたくなる小付330円も魅力的ですが、3COINSの波佐見焼でとくに筆者がおすすめしたいものが飯碗550円です(値段はすべて税込み)。
無印良品のくわらんか茶碗とは形が違い、丸みのある愛らしい茶碗です。
深さがあるため、くわらんか茶碗のようにお茶漬けにも使えます。
とくに「底」は注目です。
茶碗の底にはアルファベットで「Hasami」「Made in Japan」と書いてあります。
和食器でありながらも、洋の要素がこっそりと隠れているかわいらしさがあります。
筆者は、青地の面積が多い飯椀を購入しました。
絵柄は花びらのようにも見えますが、縁起がいいといわれている十草(とくさ)にも似ています。
筆者は波佐見町の美しい棚田の曲線を連想しました。
ちなみに波佐見焼によくみられる十草柄は、
「十草で金を磨くと光る」
ということから金運がよくなると言われています。
(3) 中川政七商店の波佐見焼「豆皿」は呉須の濃淡がいい
≪画像元:中川政七商店≫
中川政七商店は、日本全国の工芸品の中から選りすぐりのものを集めている店です。
民芸や工芸が大好きな筆者にとっては、宝箱のような店です。
波佐見焼は中川政七商店にもあります。
税込み880円の豆皿は、小さいけれど存在感のある波佐見焼です。
中川政七商店の波佐見焼の特徴は、呉須の濃淡の美しさです。
小さな豆皿にも、模様によって濃淡を変えた呉須が趣ある絵柄をうつしだしています。
呉須とは、磁器に使われる青色の塗料で鉱物から作られています。
無印良品や3COINSの波佐見焼も青色で模様が描かれていますが、中川政治七商店の青色はいちばん深みを感じます。
豆皿は、薬味をのせたり醤油皿として使われたりすることが多いのですが、筆者のおすすめはお菓子入れです。
豆皿は、饅頭をひとつだけのせるときにちょうど良い大きさです。
手ごろな値段で手に入る波佐見焼は身近な工芸品
波佐見焼の魅力は、長い歴史を受け継ぎつつも時代の流れに合っているところです。
民藝運動で有名な柳宗悦は、「過去のものといえども真に価値あるものは常に新しさを含んでいる」と言っています。
まさに波佐見焼は、新しさを含んだ焼き物ではないでしょうか。
手ごろな値段で手に入る波佐見焼は、身近な工芸品と言えるのかもしれません。(執筆者:美大卒 式部 順子)
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