つい最近、QRコード決済の世界に激震が走りました。
2022年12月から「au PAY」で、系列クレジットカード「au PAYカード」との組み合わせによるWポイントが廃止となります。
その価値が大きく損なわれましたこのカード、役割が残っていないかどうかを検証してみます。
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au PAYカードの価値は大きく減った
QRコード決済の「au PAY」と、系列のクレジットカード「au PAYカード」は最適の組み合わせでした。
2022年12月から、最適ではなくなります。
クレジットカードとQRコード決済、双方にダメージがあるものの、クレジットカードのほうがより大きな損失となります。
詳しく見てみます。
au PAYチャージ時のポイント消滅
2022年11月までは、au PAYカードからau PAYへのチャージ(1.0%)と利用(0.5%)とで、共通ポイントPontaのWポイントになっています。
このうちチャージ分のポイントが、12月から消滅します。
とはいえ、au PAYへは他のクレジットカードからでもチャージでき、さらにポイントがたまるものもあります。
引き続きWポイントの手段は残る中で、系列のau PAYカードのみがここから脱落するわけです。
au PAYゴールドカードもチャージ還元率半分に
系列のカードが、他の引き続きチャージ時ポイントのあるカード(エポス、セゾン、オリコ、セディナ、ライフ等。オリコ以降はMastercardのみチャージ可)に劣る価値になってしまうわけですが、すべての系列カードがこうなるわけではありません。
au PAYゴールドカードは、11月までの2.0%が半分の1.0%に落ちてしまうものの、チャージ時ポイントは続きます。
povoを除くauユーザーなら、携帯電話利用代金に応じて最大11.0%のポイント還元があるため、ゴールドにする方法もあります。
とはいえ年会費1万1,000円するので、非auユーザーには向かないカードです。
au PAYの価値がなくなったとまではいえない
Wポイントがなくなる以上、クレジットカードもQRコード決済も、ともに価値が落ちそうです。
ですが、QRコード決済のau PAYの価値は、大きく低下するとまでは言えません。
次の理由によります。
・ au PAYは引き続き大型還元(10~30%)のキャンペーンで威力を発揮する
・ クーポンを多く発行する戦略がある
・ 他のカードからのチャージ時ポイント付与ルートが存続する
QRコード決済のクーポンは、あらかじめ使うお店に合わせて取得しておく必要があるため、自由度は決して高くありません。
それでも多くの利用者がクーポンの恩恵を受けています。これが強化されます。
そしていつまで続くかは不明ですが、他のカードからのチャージルートが残ります。
こうなると、価値が明白に下がるのは、au PAYカードというクレジットカードだといえます。
次項では、このカードの残った価値を検証します。
au PAYカードに価値はあるか
最重要な価値が、「au PAYにチャージしてPontaポイントがつく」だったau PAYカード、これ以外の価値が乏しければ、もう不要ということになります。
メリットを検証していきます。
年会費実質無料
au PAYカードは、非auユーザーでも年一度カード決済すれば年会費を請求されないカードです。
ただ現在、世間的には当然のサービスレベルであり、完全年会費無料のカードも多い中ではさほど強調できるものではありません。
どこでも還元率1.0%
au PAYカード直接決済の還元率は高い設定です。
au、UQ Mobileの料金や、公共料金等の引落しでも同率です。
ですが1.0%という数字、特に珍しいものではありません。
au PAYに1.0%の還元率でチャージでき、通常時の数字も同じOrico Card THE POINT(Mastercard)のほうが優れているといえます。
au PAYマーケットで1.5%還元
ネット通販のau PAYマーケットで、au PAYカードで決済すると1.5%還元です。
といっても、通常の1.0%に、0.5%加わるだけですし、そもそもau PAYマーケット自体、決してメジャーな通販サイトでもありません。
Pontaをau PAYマーケットで増やせる(1.1倍以上)機会があるのはメリットですが、au PAYカードとは直接関係ありません。
ポイントアップ店がある
au PAYカードには、特定店舗での優待があります。
その代表です。カッコ内は加算ポイントです。
・ トモズ(1.0%)
・ ノジマ(1.0%)
・ ココス(1.0%)
・ ドミノ・ピザ(1.0%)
・ BIG ECHO(1.0%)
・ 紀伊國屋書店(1.0%)
・ ユザワヤ(1.0%)
・ アート引越センター(1.0%)
・ オリックスレンタカー(1.0%)
・ 出光(0.5%)
これらの店舗は、QRコード決済のau PAYではサービスが受けられません。
頻繁に使う人ならば、まだまだau PAYカードに価値があるでしょう。
とはいえ上記店舗において、優待があるのがau PAYカードのみという関係性にはありません。
セブン-イレブンやイトーヨーカドーも優待店だったのですが、現在は違います(コード決済での0.5%加算は継続)。
入会キャンペーンは(今までは)大きい
au PAYカードの大きなメリットが、入会キャンペーンが大きなことです。
最大1万ポイントがもらえるキャンペーンが継続して実施されています。
ただ、2022年12月からはキャンペーンも変わる予定です。
結論:au PAYカードはあまりメリットない
au PAYカードのメリットを見てきましたが、チャージに変わるほど大きなものはないといえるでしょう。
そして、今後新たなメリットが加わりそうな気配も感じられません。
au PAYにチャージして当面ポイントのたまる、別のカードを用意したほうがいいでしょう。
QRコード決済ではPayPayのように、チャージ時にポイントのたまらない決済方法であっても、さまざまな手段で人気を維持しています。
au PAYもクーポン戦略によりこうなるかもしれません。
ですがもはや、au PAYカードが必要な組み合わせとして輝くことは、なさそうに思われます。
ちなみに筆者はもう解約します。
エポスゴールドカードがあるので、これでau PAYにチャージします。(執筆者:金融系ライター 沼島 まさし)
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