先週は、世界景気減速かとの投資家心理から、上値追いが限られた1週間となりました。
NYダウやナスダックも横ばいの動きを見せ、大きな動きは見られず、日経平均株価に至っては、日足ローソク足が十字や星のような形が続き、こちらも投資家心理の迷いを表した1週間でした。
先々週同様、VIX恐怖指数が気になるところで、13営業日も30以下になっていません。
過去、大きくVIXが動いた2022年3月は連続30以上の日は16日間、更に遡ると2020年6月に15日間でした。
そろそろ30以下になってもいい日柄になっています。この記事を書いていた翌日22日にVIXが29となりました。
そして、10月5日6日、10月18日19日と、計4回2万7200円をチャレンジしています。
この2万7200円が上値抵抗帯となり、とても意識されていて、今後、この2万7200円を再チャレンジした時に、どのように攻防になるのか注目するところです。
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チャート分析
チャートを細かく見ていきましょう。
日足の移動平均線
5日線は、月火水曜日は上向きで推移し、株価は5日線の上でしたが、木曜日金曜日と下向きへと向きを変え、株価は5日線の下を推移しています。
25日線は、下向き継続中で、株価は25日線を挟んで、行ったり来たり。
木曜日には、5日線が下からクロスしましたが、下向きの25日線に対してのクロスなので、ダマシのGCとなります。
75日線は上向きに推移しています。
並び順は75日5日25日で下降トレンドの終わりとなっています。
機関投資家や海外の投資家が意識している200日線は、下向きで2万7229円処を推移しています。
水曜日に株価が200日線に触れましたが、その後下を推移しています。
5日線25日線75日線100日線200日線が接近して絡み合っていて、エッジがない状況で、引き続きBOX相場が意識されるところです。
トレンドライン
10月3日を底値として、13日の安値を結んだラインが下値切り上げとなっていて、2万7300円処の節目のラインと三角持ち合いになっています。
更に範囲を広げると、8月17日の高値と9月13日の高値を結んだラインとも三角持ち合いとなっていて、現状株価は持ち合いの中にいます。この三角持ち合いをどちらに放れるのか注目です。
意識されるのは、最近たくさん開けている窓がそれぞれ重要な節目となるところで、まず下から、10月3日4日の窓、10月13日14日の窓、10月17日18日の窓、そして上には10月19日20日の窓があり、9月20日21日の窓があります。
現在、今年になってから意識されていた大きなBOXの中間に位置しています。
一目均衡表
約1か月間も厚い雲の下を株価が推移し、上値が重い状況が続いています。また遅行線に関しても日々線を抜けられない状況が続いています。
10月31日から11月1日に発生する雲のねじれで、雲を上抜けることができるのか注目です。
来週は基準線と転換線がクロスする可能性があり、遅行線も来週には日々線にぶつかる位置なので、どちらかに方向感が出るかもしれません。
ボリンジャーバンド
TPラインを中心に、バンドはそれぞれ+σは下へ-σは上へ、いよいよ収縮してきました。
この収縮が
- どのくらい続くのか
- 収縮からどちらかに放れるのか
確認していきたいです。
スローストキャスト
買われすぎゾーンまで達しました。
ここからは、買われすぎゾーンを脱して、下へ向かうのか、それともさらに上を目指すのか見ていきましょう。
MACD
ヒストグラムは好転し、MACDが0ラインに到達しました。
MACDとシグナルともに上向きですが、0ラインに到達したことで、横ばいの動きが考えられます。
次回の新月は10月25日(部分日食)で、満月は11月8日(皆既月食)です。
次回の水星逆行期間は、12月29日から1月18日です。
総合判断
金曜日に米国主要3指数が大きく上昇したにも関わらず、日経平均先物は、それほどまで大きな上昇とはなりませんでした。
為替の影響という見方もありますが、そもそも日本が海外投資家から投資の対象になるような魅力的な国ではなくなった?という側面もあると思うのですが考えすぎでしょうか。
為替では円が150円を付け、私たちの資産、円の価値が目減りしている中、将来日本に投資したいと思うような好材料はあるのでしょうか。
まずは直近での日経平均株価の注目ポイントとして、10月3日が底なのか?というところかと思います。
この10月3日が底なのかどうかで今後のシナリオが大きく変わっていくからです。
株価は数か月先の景気を先取りしながら動いていると言われています。
投資家としては10月3日の安値を割ることなく、上昇トレンド形成となってほしいところかと思いますが、どうなるでしょうか。
上下、たくさんの窓が開いていますので、それぞれの節目を確認しながらトレードしていきましょう。(執筆者:AFP、FP2級 城 晶子)
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