在宅において家族の介護に手間がかかってくると、介護者がリラックスできる時間が少なくなります。
また、介護が必要な方は、長時間、家で1人過ごすことが難しくなる為、長い時間、傍を離れて何かをすること自体が難しくなってきます。
さらに夜間の排泄の介助が必要になってくると、睡眠不足になる可能性もあります。
毎日、昼夜を通して介護を行っていると、気を張っている時間が長くなり介護負担を感じることが多くなります。
そんな時には、介護サービスのショートステイを利用して介護負担を軽減する方法をおすすめします。
今回は、ショートステイのあまり知られていないポイントについてスポットをあててご紹介します。
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ショートステイは泊まれる介護サービス
ショートステイは、介護が必要な方が、施設で介助を受けながら泊まることができる介護サービスのことです。
提供している施設により2種類に分けられています。
食事や入浴、排せつなど身の回りの介助、レクリエーション等が提供される「短期入所者生活介護」と、さらに専門職からリハビリを受けられる「短期入所療養介護」の2種類です。
短期入所者生活介護を提供している施設は、ショートステイのみを提供している専門の施設、特別養護老人ホーム等があります。
短期入所者生活介護は、介護のプロによって24時間介助を受けられる安心感があります。
また、夜間の状態をプロに見てもらって、楽な排泄の介助などのアドバイスを受ける等、日中の介護サービスでかかわっていない部分の介護方法の見直しをすることもできます。
短期入所者療養介護を提供している施設は、介護老人保健施設、介護医療院等です。
短期入所者生活介護と違い、専門職によるリハビリが提供されています。
集中的なリハビリのために利用する方もいます。
泊まる部屋は、施設によって異なり、ユニット型個室・ユニット型個室的多床室・従来型個室・多床室などがあります。
間違いやすいショートステイの利用料金
ショートステイの利用料金は、泊まる部屋の種類や施設の種類で異なります。
ショートステイの場合、入浴は基本料金に含まれていますが、食費と居住費(部屋代)が全額自費でかかります。
食費
食費は、朝食、昼食、夕食とそれぞれに料金が決まっていて、1食ずつ計算されます。
居住費
ここで注意したいのが、ショートステイの基本料金と居住費の考え方です。
実際に利用を考えたときに疑問が浮上するのがこのポイントです。
ショートステイは泊りのサービスですから、最低でも1泊2日からの利用になります。
その為、1泊2日の利用の場合には、ショートステイの基本料金と居住費は2日分かかることになります。
送迎
デイサービスでは、送迎料金は基本料金に含まれていますが、ショートステイは別途加算として、片道ずつ料金が発生します。
参照:特別養護老人ホーム白朋苑 ショートステイ料金表
長期で利用できるの?
在宅介護で介護負担の軽減や介助を担っている人がいない時に利用したいショートステイですが、利用する際に注意することが何点かあります。
注意1:連続利用の制限
ショートステイを連続で利用できるのは、30日までです。
30日を超えた場合、31日目は利用料金が全額自費負担(10割自己負担)になります。
31日が自費利用となった後、32日目からまた30日間は、1割~3割の自己負担で利用できます。
注意2:累積利用日数の制限
ショートステイの累積利用日数は、要介護認定の有効期間のおおむね半数を超えないように利用する必要があります。
2年の介護認定期間であれば、1年間の日数を利用できます。
しかし、どうしても半数を超えて利用しなければならない場合もあるかと思います。
その際は、市区町村によりますが、理由書と呼ばれる書類を提出し、やむを得ない理由があると認められれば、半数を超えての利用が可能になります。
参照:福生市 短期入所サービスの利用が長期化する場合について
また、一定の条件を満たせば、食費や居住費が安くなる介護保険負担限度額認定の申請ができるので、確認をしてみてください。
参照:出雲市 介護保険負担限度額の認定について~介護保険施設を利用するときの居住費と食費~【高齢者福祉課】
ケアマネジャーに相談しましょう
ショートステイは、1泊利用すると2日分の基本の利用料金のほか食費や居住費もあることから、金銭的負担が大きくなります。
しかし、ショートステイは、在宅介護をしていく上で介護負担軽減等の理由から利用を検討することが出てくることが多いサービスです。
利用することになった際には、少しでも金銭的負担が軽くなる方法がないか、ケアマネジャーに相談しましょう。
長期の利用も可能なのですが、利用法を間違えて高額な自費が発生しないように必ず注意点を確認しながら計画をするようにしましょう。
最大限に利用する場合にはケアマネージャーも細心の注意をもって計算してくれますので心配ご無用です。(執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子)
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