介護施設で働いていると「薬の量が多くて、大変だよ!」と、利用者の方は笑いながら毎日食後に5~6種類の薬を服薬されている光景が見られます。
薬の量が増えると、金銭的負担・薬の保管・服薬介助が気になります。
今回は、そんな薬のお役立ち情報を紹介します。
薬代の領収書は、医療費控除を受けるために保管
医療費控除は思ったよりお金が戻って来ないので申請しない人もいますが、確定申告をすれはお金が戻ってくるので節約になります。
≪画像元:みんなの税理士≫
医療費控除は、遠方に住んでいる親の場合でも、仕送りをしているならば、生計を同一にしているということなので、親の医療費も一緒に確定申告ができます。
病院の領収書だけではなく、薬代とその病院にバスか電車で行った場合は、交通費も医療費控除の対象になります。必ず、薬代と公共交通機関の領収書も保管しておきましょう。
自家用車とタクシーは対象外になります。
調剤薬局で知っておくと、得する小さな節約法
病院で処方箋を貰って、薬を購入する薬局の事を調剤薬局と言います。この調剤薬局で、できる小さな節約法を紹介します。
お薬手帳があると安くなる
お薬手帳をもっていると「薬剤服用歴管理指導料」という費用がかかりません。
医療費の自己負担が1割の方は、10円割引になります。
医療費の自己負担が3割の方は、40円割引になります。
お薬手帳持参で安くなる場合は「6か月以内に、同じ薬局で処方してもらったときだけ」です。
お薬手帳を忘れずに、毎月同じ調剤薬局で処方してもらうと、年間120円安くなります。
院内処方はお得
院内処方が1番安く、診察した病院から1番近い調剤薬局へ行くとお得です。
診察する病院が、院内処方であれば薬代が安くなります。
現在、院内処方している病院は、全国で4割程度しか残っていないのが現状です。
≪画像元:神奈川ひまわりクリニック≫
院内処方の次に、安くなるのは、病院の近くにある薬局か、大手チェーンの薬局です。
≪画像元:日本調剤≫
調剤薬局は、病院から近い所か、大手チェーン店の調剤薬局を選ぶと、調剤基本料(調剤薬局の立地条件などで決まります)が低く設定されています。
そのため、病院から、近いところを選ぶと、薬代が安くなります。
また、ジェネリック薬品を選択すると、薬の単価が下がるので、ジェネリック薬品を選択すると節約になります。
毎月、調剤薬局でできる節約を意識すると、毎月病院に通ったとして、年間500円以上の節約になります。
薬の飲み忘れの防止・保管ができる便利な商品
高齢者になると、薬を飲み忘れることがあります。そんな、薬の飲み忘れを防ぐのに、便利な商品があります。
お薬の時間を機械がお知らせ「おくすりですよ」
≪画像元:株式会社東心≫
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薬を飲む時間を、設定すると音声と振動で薬を飲む時間を知らせてくれます。
耳が遠い方でも、薬の時間が分かるように振動機能がついているので、身に着けていれば飲み忘れを防ぎます。
「保管・飲み忘れ・いつ飲んだか」が一目で分かる薬の便利商品
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商品名は、「お薬カレンダー」です。楽天市場から1,120円で販売されています。
壁にかけておくことで、薬の飲み忘れを防ぎます。薬の保管も出来て、飲んだかどうかも、すぐわかるので、一石三鳥の商品になっています。
服薬ゼリーでラクチン
薬の量が多くなると、薬が飲みにくくなります。
中には粉薬を処方される場合があります。
そんな時には、服薬ゼリーを使うと、飲みやすくなります。
実際、服薬介助でムセがあったり、服薬を拒否される場合は、少しでも薬を飲みやすくするために、服薬ゼリーをヘルパーからお願いすることがあります。
一般的に販売されている服薬ゼリーです。
≪画像元:龍角散≫
服薬ゼリーの使い方
服薬ゼリーを容器にいれて、薬をのせます。
粉薬の場合は、一か所に固めて出すようにしましょう。
薬の上に服薬ゼリーをかけます。
スプーンですくって、介護者の口に入れます。
≪画像元:龍角散≫
薬を嫌がる場合は「ゼリーですよ」と声をかけて、口に入れるとすんなり飲んでくれます。
≪画像元:龍角散≫
こちらは、子供用ですが、介護施設でも使われています。ブドウ・イチゴ・チョコと味がついていて、色も濃いので、ゼリーをかぶせると、薬を隠す事もできます。
薬を見ただけで拒否される高齢者にはおすすめです。
服薬ゼリーは、全国のドラッグストアーで販売されています。
薬を飲みこむと、ムセが激しかったり、詰まりやすい場合は、服薬ゼリーを試してみてください。
薬の負担は軽減できる
親を介護していると薬の問題もついてきます。薬代の負担も大きいです。
しかし、薬代は医療費控除、お薬手帳を持つ、薬局を近いところ、ジェネリック薬品を選ぶと、節約になります。
薬の管理方法や飲ませ方など、頭を抱えることは多いですが、今の時代は、便利な商品が販売されています。
薬の節約法・便利商品を使って、薬の手間と負担を減らしていきましょう。(執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子)