先週は、米NYダウが5日連続陽線となり、前々週の年初来安値更新してきた弱い展開から底堅い展開へと相場が変化したように見えましたが、日経平均株価は2万7,000円を上抜けできずにもみ合いとなり、どっちつかずの方向性のまま1週間を終えています。
注目されていたFOMC議事要旨では、0.5%の利上げが適切とし、想定内の内容として大きな動きもなく通過しました。
米国はリセッション入りか?という見方がなされ、私も気になっているところですが、シカゴ連銀のFCIをもとにしたリセッションの確率として、1年後のリセッション入り確率が23%で2年後が39%というデータが出てきています。
25日のエヌビディアの決算発表では、一株利益は予想を上回りましたが、第二四半期の売り上げ予想を下げてきたことによって、この時期にガイダンスが弱いというのは、不況予測をしていて、織り込んできている可能性もあり、既にリセッションの入り口に入っているのではないか?とも考えられ、世界経済全体を考えるととても悩ましいところです。
いずれにしても、今はリセッションへの警戒が強くある相場環境なんだと常に心にとどめておきたいところです。
5月第3週の海外投資家動向は現物337億円の買い越しで、先物は2,399億円の売り越しで、合計2,062億円の売り越しとなっており、6週連続で買い越しが続いていましたが、5月2週と3週が売り越しに転じました。
ここから日本では選挙モードに突入する為、政府からあらゆる発信があると思います。
それを海外投資家がどのように判断し、買いに転じるのか、それとも売り越すのか、今後も海外投資家動向は注目です。
【今週の日経平均を考える】SQ値を下値として5月は推移していけるのか見極めの週
チャート分析
チャートを細かく見ていきましょう。
日足の移動平均線
5日線は、上向きから下向きへ、そして上向きへと方向感が定まらない動きとなっています。
下向きだった25日線は、横向きに変化したものの、また若干下向きへとなっていて、こちらも方向感が定まらずとなっています。
75日線も、下向きに推移してきましたが、横向きへと変化し、収縮した3本の移動平均線に株価が絡みながら、推移しています。
並び順は75日5日25日線の並び順へと変化し、下降トレンドの終わりとなっています。
機関投資家や海外の投資家が意識している200日線は下向きで推移し2万8,000円を割ってきました。株価とは乖離したままです。
トレンドライン
3月25日と4月21日の高値を結んだラインと、3月9日と5月12日を結んだラインが三角持ち合いとなっており、この三角持ち合いの放れが意識されていて、月曜日に上に放れたかと思われましたが、1週間を通して勢いなく上値ライン線上を推移して終えています。
金曜日も上抜けかと思われましたが、陰線でライン線上に戻ってしまい、これは明確に上放れとは判断できず悩ましいところです。
そして、この三角持ち合いの上の抵抗ラインで3月25日、4月21日、5月18日を結んだラインに平行して、4月12日と5月12日を結んだラインが上昇フラッグ型を形成しています。このフラッグも明確に抜けてくるのか意識されるところです。
直近では5月12日と5月19日安値、そして昨日の5月26日安値を結んだ下値支持ラインと5月23日24日高値と昨日の26日高値を結んだラインが小さな三角持ち合いになっています。
一目均衡表
月曜日に株価が雲の上を出たかと思ったら、その後、雲の中を推移し、弱さが見えました。
基準線と転換線がクロス目前となっています。
遅行線は4日後に上へ抜ける箇所があるので、ここで上向きになれるか、3日後に天底一致とするのか、確認していきましょう。
ボリンジャーバンド
+1σとTPライン上での小さな値動きです。バンドもきれいな横ばいで波打ち、バンドが大きく変形するまでは更なるもみ合いの可能性もあります。
スローストキャスト
中折れを繰り返し、ずっと弱気シグナルが続いていましたが、やっと買われすぎゾーンまで到達しました。
ここから、更なる上昇となるのか、売られすぎゾーンまで下げてくるのか、こちらもどちらに推移するのか追っていきましょう。
MACD
0ラインまで戻してきましたが、0ラインのあたりで、うろうろとしている状況です。
ここから0ラインを超えて上昇トレンドとするのか、0ラインに押されて下降トレンド継続とするのか見ていきたいところです。
月の満ち欠けですが、
次回の新月は5月30日、満月は6月14日(ストロベリームーン)です。
総合判断
今週も引き続き持ち合い相場が続くのか、どちらかに方向性が出るのか見ていきたいところですが、アノマリーとしては5月後半から6月初めまでは上昇傾向にあります。
あくまでもアノマリーの話ですが、さて今年はどうなるでしょうか。
VIX恐怖指数は25.72まで下げてきています。
ちょうど節目のラインですので、こちらも確認していきましょう。
今週も引き続きボラティリティに振り回されないように、しっかりメドを立てた建玉で乗り越えていきたいです。(執筆者:城 晶子)
【今週の日経平均を考える】日経平均株価は三角持ち合いを形成中