子どもを育てるには、お金がかかります。
高校、大学と成長するにつれ教育費はますます高額になり、負担に感じている方も多いのではないでしょうか。
筆者自身、1人の収入だけで家計を賄っていたせいもあって、「貯金なんてとんでもない、日々食べ、学校へ通わせるだけで精一杯…」でした。
当時は貯められないことに罪悪感を感じ、常にお金のことばかりを考えてしまい、そんな自分に嫌悪感を抱くといったことの繰り返しだったように思います。
それでも子どもが巣立った今振り返ると、考えることをやめず、「継続しておいてよかった、その後の貯金につながった」と思うことがあります。
今回は、そんな体験談をご紹介します。
収支を把握することは欠かさない
教育費の中でも大学の授業料は高額で、年間の授業料は100万円以上がザラにあり、分割払いにしていても数十万円単位で支払いが発生します。
あまりに多額の支払いがあると、「この負担があるから、貯金できない」と貯められない理由にあてがちです。
もちろん、それは正当な原因の一つではあるのでしょうが、だからといって家計の収支を把握しておかないと、状況はかわりません。
いくら収入があり、いくら支出しているのか、本当に貯金ができないのか、赤字になるならそれはいくらか、あらためて考えてみましょう。
基本中の基本ですが、金額としてしっかり家計費を理解しておくことが大切です。
家計を理解するためには
一番有効な方法は、家計簿です。
形はどうであれ、続くものを選択してください。
家計簿の利用目的は日々の反省に使われることが多いかもしれませんが、それ以外にも毎月、毎年のデータを蓄積することで、最低限暮らしていくための必要経費が明確になります。
子どもが独立した後いくら黒字が見込めそうか予測しやすくなります。
つまり、現状の把握と未来の予想がつきやすくなります。
この先の支出予定を把握しておく
家計が安定しないと、不安はつのるばかりです。
特に予定外の支払いや忘れていた支出があれば一気にお財布は苦しくなってしまいます。
そこで、今後10年くらいの家族のスケジュールとともに、次のような収支予定表を作っておくことがおすすめです。
2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | 2026年 | 2027年 | 2027年 | |
貯金予定額 | |||||||
予定 | 車検 高校受験 | 車検 | 大学受験 | 車検 | 大学卒業車検 | ||
支出内容 | 車検費用 受験料+入学金 塾費用? | 塾費用? | 車検費用 塾費用? | 受験料+入試費用+入学金+授業料 | 授業料 車検費用 | 授業料 | 授業料 就活、独立費用? 車検費用 |
支出予定額 |
はっきり金額が把握できない予定も必ず、記入するようにしましょう。
上の表でいえば、「?」で表示している塾代、就活、独立(引越しなど)費用などは、個人差があります。
とはいえ、経験したことがないと予想外の支出がでてくることは少なくありません。
筆者の場合で言えば、大学の入学金や授業料が高額なのは当然理解していましたが、入試は想像以上に費用がかかりました。
俗にいう滑り止めの受験に、1人30万円くらいは必要でした。
それでも周囲には「少ない方」と評価する人もいます。
たとえば、入学しないかもしれない滑り止めの学校に入学金をとりあえず支払わなければならなかったり、自宅から遠く離れた場所で受験する場合は宿泊代や交通費も見込む必要があります。
あらかじめ想定しておくだけでも、気持ちの持ちようは変わってきますし、対処方法にも選択肢がでてきます。
節約に聖域を作らない
教育費にはお金がかかりますが、節約できないとあきらめてはいないでしょうか。
筆者が直面したのが、塾の費用でした。塾代はバカになりません。
学年があがると、講習会や模試なども増えていきますが、一方で学力が上がる可能性も捨てきれず、何より息子が「行きたい」と希望します。
「通わせてあげたいけれど、お金が…」と悩みつつ調べてみると、ひとり親割引や兄弟割引、紹介割引、成績優秀なら特待生制度というものを発見し、無事通うことができました。
現在ではYouTubeやアプリなど、無料で利用できるものも数多く存在します。
聖域を作らず節約できないか、あきらめずにリサーチしてみてください。
早くからお金と向き合うことこそ、将来の不安解消への第一歩
子どもが巣立つ40代後半から50代にかけては、親にとって大きな転換期に入ります。
近い将来、仕事からリタイアし、年金だけで暮らす生活への不安は誰しも感じていると思います。
ですが、貯めにくい子育て中からお金と向き合っておくと、家計簿をつけたり節約を続けることは習慣となって無理なく体になじみます。
心配に感じていることは、数字として可視化することが不安解消への近道です。
あきらめずに、向き合っていきましょう。(執筆者:吉田 りょう)