株式投資を始めるなら少額からがいい、と一度は耳にしたことがありませんか?
長期投資であれば少額から始めてもよいのですが、短期投資では10万円程度の少額から勝ち続けることはかなり難しいのです。
筆者は約15年前に株式投資をスタートさせたのですが、10万円を元手にスイングトレードという短期投資から始めました。そして全く勝てませんでした。
本記事は当時の筆者がなぜ勝てなかったか、10年以上株式ディーラー経験がある今なら理由が分かるのでこれから株式投資を始める初心者や、株式投資で勝てない方は参考にしてください。
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心理面で余裕がなくなる
短期投資を少額で始めた場合に勝てない最も大きな理由が心理面で余裕がなくなる事です。
10万円で始めた場合ほぼほぼ1銘柄に全額投資することになるため「この銘柄で負けるわけにはいかない」と考え、損切がやりづらくなります。
短期投資では銘柄選定より資金管理が大事になるので損切ができないことは致命傷なのです。
筆者が株式ディーラーとして10年以上生き残れたのは、資金管理を上手にできたから。
例えば銘柄研究でよい銘柄を見つけたときにまず少額で買ってみます。
数日間様子を見て強い値動きをすると感じるなら買増しして勝負する、という取引をしていました。
その際に損切ラインを決めておき損する可能性のある金額を頭に入れておきます。
そうすることで「この取引は最大でも損失は○万円まで。やられてもやり直せるから大丈夫。」と心に余裕が生まれます。
株式ディーラーは投資枠として数千万円場合によっては数億円があるため、複数単元株を買うことができ10万円で始めるより資金管理面で優位です。
10万円で始める場合は1単元しか買えないことがほとんどで、上手くいったとしても利益をもっと伸ばしたくなり結局株価が下落し評価利益がなくなってしまった、なんてこともあります。
複数単元株なら、株価が上昇したら保有株の一部を利食うことで利益を確保できます。
仮に株価が元に戻っても、残りの保有株を元の株価近辺で決済できれば最初に利食った分利益は残るのです。そのまま上昇し続けた場合はさらに利益を伸ばすことができます。
こうしてリスクを減らしながらリターンを追求することが資金に余裕があれば可能となるのです。
とはいえ株式ディーラーには毎月収益目標というノルマがあります。
数か月達成できないとクビになるという別のリスクがあるため、心理面で別の負担があります。
投資できる銘柄が限られる
投資したい銘柄を見つけたとき、株価が高いという理由で投資をやめたことはありませんか。
筆者は株式ディーラーになる前、オリエンタルランド(4661)という日本でディズニーリゾートを運営する会社へ投資を考えたことがありました。
しかし、当時1単元でも60万円程度必要で資金が足りず他の銘柄に投資することにしたのです。
その後のオリエンタルランドの株価は株式分割したにも関わらず当時の数倍もあります。
このように投資資金が少ないことでチャンスを逃すことがあるのです。
サラリーマンの本業に集中できない
短期投資では日中株価を随時チェックしがちです。
現在は逆指値注文などがありそこまで株価をチェックする必要性はありませんが、投資可能な金額をフルベットしているとどうしても気になってスマホをチラチラ見ることになりかねません。
筆者は株式ディーラーになる前サラリーマントレーダーをしていて、しょっちゅう休憩と称してガラケーを握りしめては株価チェックをしたものです。
今になって思えばほとんど意味のないことでした。でも気になってしまうのです。全てを投資した銘柄にかけているから。
サラリーマンであれば本業に支障がでて会社からの評価を下げることになれば、例え10万円の投資で儲けが出ても、給与やボーナスが減ってしまえばトータルで損になるかもしれません。
同じ10万円の投資でも、投資可能な金額が100万円であれば、投資資金に対して10%になるのでそこまで株価が気にならなくなります。
また長期投資であれば短期で売る必要がないので、同様に株価を気にする回数は減るでしょう。
スマホ証券で少額投資から始めてみる
現在スマホ証券では1株から少ない手数料で投資可能です。単元株では買いづらい値がさ株も投資対象にできます。
値がさ株とは東京エレクトロン(8035)のような株価の高い銘柄のことです。
まずは練習としてほとんどの銘柄を投資対象にできるスマホ証券で投資を始めてみてはいかがでしょうか。
ただし、スマホ証券での取引は
- 好きな値段で注文ができない
- 現在の株価より不利な価格でしか取引できない
- 取引タイミングが限られている
などデメリットがあります。
そのため売買を回転させる短期取引では不利なため、完全に練習として取引する方がよいでしょう。
デメリットは各スマホ証券で異なるので必ず確認しましょう。
ネット上で検索すれば確認できます。(執筆者:株式ディーラー歴10年 勝越 晴)
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