住宅ローンを借りる際に、さまざまな費用が必要です。
お金を借りるためにお金を払うのはやるせないものです。
同じ借りるなら、少しでも費用は押さえたいですね。
今回は住宅ローンを借りる際に必要な費用と、その抑え方を伝えます。
特に契約時の節約と、契約期間を通しての節約法を考えます。
住宅ローン控除を確実に受けたい人が「注意すべきポイント」4つ
諸費用について
住宅ローンの諸費用には、契約時に必要なものと、契約中必要なものがあります。
【契約時】(1) 事務(融資)手数料
金融機関が徴収する手数料です。
金融機関によりさまざまですが、契約時に一括して支払う「一括前払い」(3.3万、5.5万や借入金額の2.2%等)や、金利を上乗せる「後払い方式」(0.2%程度が多い)があります。
フラット35やネット系銀行で、事務手数料が高額になる傾向です。
【契約時】(2) ローン代行手数料
販売代理や仲介業者が徴収する手数料です。
上記業者の提携金融機関を利用する際や、売主から住宅ローンを借りる際の必要書類の提供にかかる手数料です。
買主自身が金融機関と交渉や契約する場合には、基本的に必要ありません。
【契約時】(3) 抵当権設定費用
法務局に支払う印紙代と司法書士へ支払う報酬です。
司法書士報酬は統一されていないので、比較検討の余地があります。
印紙代は税金です。
金融機関が司法書士を指定するときがあります。
このパターンは司法書士が金融機関のOB等で安価な報酬な場合と、司法書士が金融機関への紹介料支払いのため、報酬が高額な場合があります。
費用は必ず確認してください。
【契約時】(4) 適合証明取得費
買主が住宅支援機構のフラット35利用する際、購入物件が適合証明を取得しなければなりません。
新築時に適合証明を得ている建物でも、中古物件として売買される際は、再度適合証明が必要です。
適合証明取得の費用は統一されていません。
適合に改築が必要になる場合があります。
比較検討の余地があります。
【契約時】(5) 物件調査手数料
金融機関が融資の際に徴収する費用です。
あくまで金融機関が内部資料として作るものです。
【契約時】(6) 印紙税
住宅ローンの契約書(金銭消費貸借契約書)に貼る印紙です。
電子取引の場合は印紙が必要なく、税金はかかりません。
ただし金融機関から電子契約手数料を徴収する事例がありました。
「契約中」に必要となるもの
次は契約中に必要なものを解説します。
(1) ローン保証料
ローン保証料は、住宅ローン契約者が金融機関に返済ができない場合、代位弁済する機関です。
最近の住宅ローンのほとんどは、連帯保証人などのでなく、保証会社を利用します。
契約中、保証会社に保証が必要です。
ただし費用は、契約時の一括前払いか、後払い方式を選べる金融機関が多いです。
一括前払いの事例
ある銀行の例で、1,000万当たり
10年 8万5,450円、
20年 14万8,350円、
35年 20万6,640円を支払います。
後払い(金利上乗せ)の事例は、0.2%が多いですが、契約者の与信能力によって0.1~0.4%程度です。
銀行等の住宅ローンの場合、要負担です。
フラット35の場合は、基本的に必要ありません。
(2) 火災保険
基本的に新価での加入が義務付けられます。
金融機関や仲介会社等では提携の保険会社を紹介してくれます。
安価に加入する方法は、不必要な特約などを除くことや、共済と比較検討することです。
(3) 団体信用生命保険料
銀行系の住宅ローンは、金融機関が負担する(あらかじめ上乗せされている)場合がほとんどです。
3となります。
銀行系でも3大疾病特約等の特約を付加するのであれば、0.1~0.3%程度の金利上乗せが必要です。
団体信用生命保険は安価だが、契約者が若年層でれば、通常の生命保険の方が安い可能性があります。
一括前払と後払い方式
事務手数料や保証料は契約時に一括して費用を支払う(一括前払)か、貸出金利を0.2%程度上乗せするか(後払い方式)、二者選択できる場合があります。
一括前払い方式は一般的に、後払い方式より合計額で安価になる場合が多いです。
後払い方式は、初期費用がない方にお勧めです。
総費用についての事例
事務手数料(保証料)について、契約時に借入金額の2.2%程度を支払うか、貸出金利を0.2%程度上乗せするか、検討します。
3,000万円を場合、35年で返済する契約をする。
2.2%であれば66万円。
3,000万円を35年で借りる場合で、利息の追加負担は、約107万(毎月同額返済)
上記は、14年目で利息が66万円をこえます。
概算ですが、14年以前に繰り上げ返済をするのであれば、後払い方式が有利です。
14年以後に繰り上げ返済をするのであれば、一括前払の方が有利です。
保証料は前払い時の設定より早く完済した場合(契約時に35年分の保証料を一括前払いしたが、20年目で繰り上げ返済して完済した場合等)、再計算して戻り分がある場合があります。
見積もりで比較することが大切
今回は住宅ローンを借りる諸費用を取り上げました。
諸費用について、費用を抑える方法を見てきました。
住宅ローン関係の諸費用は、金融機関や仲介業者の提案と同時に、他にも見積もりを得て比較することがコツです。
金融機関や仲介業者の紹介ならば安心感はあります。
ただし自分自身で調査やリスクヘッチができるのであれば、より安価な業者へ頼むことができます。
マイホームを購入際には、住宅ローンの費用だけでなく家を買う手数料も必要です。
仲介手数料、取得税、固定資産税、引越代等これらを加味した資金計画を立てましょう。
最後に諸費用は元来住宅ローンでは借りられません(担保にならない)。
しかし住宅ローンに上乗せしてくれる金融機関や、諸費用ローンという別ローン(別商品)があります。
ただし、諸費用も借りなければならない資金計画は、十二分に検討してください。(執筆者:金 弘碩)
【実録】10年目の悲劇!戸建てマイホームの巨額メンテナンス費用 総額100万円の内訳