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ハピネット Research Memo(5):玩具事業が滞留在庫の評価損失を計上したことで全体は前期比5.5%の営業減益


■業績動向

● 2019年3月期の業績概要
(1) 損益状況
ハピネット<7552>の2019年3月期の連結業績は、売上高240,398百万円(前期比21.7%増)、営業利益4,540百万円(同5.5%減)、経常利益4,383百万円(同6.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,735百万円(同32.2%減)となった。

玩具事業は大型ヒット商品に恵まれなかったが増収を確保、しかし滞留在庫の評価損失を計上したことによりセグメント利益は減益となった。映像音楽事業は星光堂の卸売事業を承継したこともあり大幅増収となり、ヒット商品もあったことから増益となった。ビデオゲーム事業は「Nintendo Switch」は好調を維持したが、携帯型ゲーム機が不振で減収減益となった。アミューズメント事業は減収ながらオペレーションの効率化により微増益を確保した。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に特別利益(受取賠償金1,198百万円)を計上したことから、前期比で大幅減益となった。在庫処分損は2,483百万円(前期は1,872百万円)であり、これが前期並みであれば増益を確保したことになる。

(2) セグメント別状況

a) 玩具事業
売上高は77,004百万円(前期比7.8%増)、セグメント利益は2,021百万円(同18.1%減)となった。バンダイの「HUGっと!プリキュア」や、ハイターゲット向け商材を扱うBANDAI SPIRITS「一番くじ」関連商品が好調に推移したことや、ホビー商材の取扱いが拡大したことなどから売上高は前期比で増加した。しかし利益面では、同社のオリジナル玩具を中心に滞留在庫の評価損を約18億円計上した(前期は約13億円)したことからセグメント利益は前期を下回った。

メーカー別売上高では、主力のバンダイ製品が47,700百万円(前期比30.7%増)となり、メーカー別の売上比率は62.0%(前期は51.1%)となった。一方で、「シンカリオン」関連商品などのヒットもありタカラトミー製品が8,800百万円(前期比20.2%増)と増加したことから、メーカー別売上比率も11.5%(前期は10.3%)へ上昇した。同社オリジナル商品の売上高は1,900百万円(前期比17.6%増)となったが、構成比は2.5%(前期は2.3%)とほぼ横ばいであった。また、その他メーカーの売上高は18,500百万円(前期比28.5%減)となったが、これは2018年4月から(株)BANDAI SPIRITSが始動したことに伴い、一部売上高を「その他」から「バンダイ」へ区分変更した影響もある。

b) 映像音楽事業
売上高は81,762百万円(前期比92.5%増)と大幅増収となったが、主な要因は業界最大手である星光堂の音楽映像パッケージの卸売部門の権利を承継したこと(売上高で2018年3月期は約5,600百万円、2019年3月期は51,100百万円の増収効果)による。さらに、安室奈美恵の「namie amuro Final Tour 2018~Finally~」などのヒット商品に恵まれたことや、子会社において物流面、営業面での業務改善を行ったことにより、在庫処分損1億円増を吸収してセグメント利益は1,096百万円(同24.3%増)となった。

c) ビデオゲーム事業
2017年春に発売された「Nintendo Switch」のハード及び「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」などの関連ソフトや、同社独占流通の「PlayStation4」関連ソフトが好調に推移したが、携帯型ゲーム機(主に任天堂3DS)のハードとソフトの落ち込みをカバーするまでには至らず売上高は61,648百万円(前期比2.3%減)、セグメント利益は1,038百万円(同12.0%減)と減収減益となった。在庫処分損は1億円で、ほぼ前期(0.9億円)並みとなった。

商材別売上高では、任天堂が52,700百万円(前期比2.2%減)、SIEが7,600百万円(同8.6%減)、その他が1,100百万円(同62.9%増)となったことから、任天堂の構成比率は85.7%(前期は85.6%)となった。

d) アミューズメント事業
カプセル玩具は高速道路のサービスエリアや駅構内、大型ショッピングモールなどの優良ロケーションを開拓したことなどから好調に推移したが、カードゲーム商材が低調であったことから売上高は19,983百万円(前期比3.1%減)と減収となった。利益面では、優良ロケーションにおける営業強化など、オペレーションの効率化を図ったことから利益率が改善し、セグメント利益は1,724百万円(同2.7%増)となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)



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