個人投資家株師孔明：デフレ脱却へ注目を集める値上げ関連銘柄とは？【FISCOソーシャルレポーター】

以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家「株師孔明」氏（ブログ「株師孔明の株＆仮想通貨ブログ」）が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2018年7月18日12時に執筆

【株師孔明の株＆仮想通貨ブログ】にて、株や仮想通貨のブログを執筆している「株師孔明」と申します。どうぞ、お見知りおきを。

企業の中には値上げを進めるところも目立ってきている。そこで今回は、値上げをしても客離れを起こさない、顧客満足度の高い値上げ関連銘柄に目を向けたい。

■値上げにより人件費高騰に対処する企業も

企業が値上げを進める背景の1つに、人件費の高騰がある。

有効求人倍率が高水準で推移していることや、最低賃金の引き上げが進められていることから企業の人件費負担は重い。働き方改革で労働環境の改善が進んでいることもあり、人件費の高騰を値上げで吸収せざるを得ない企業は少なくないと言える。

物流企業の中には値上げで利益を確保したうえで人材採用を進める企業もあり、好循環が生まれれば業績成長につながる。

また、人件費の他にも、2020年東京五輪に向けて建築資材が高騰している。人件費上昇に伴う物流費増で打撃をこうむる銘柄もあり、着実に値上げを進める企業は今後も続くと考えられる。

■値上げ後も顧客に評価される銘柄に要注目

値上げを実施すれば利益率を高めやすくなるメリットがある。

しかし、値上げで顧客が大きく離れればかえって利益が損なわれることもあり得る。

実際、値上げを実施した銘柄の中には、消費者の節約志向などの影響で客数が伸び悩み、業績が苦戦している銘柄も見られる。

将来への不安などから伸び悩む個人消費を取り込みたい外食企業などが苦戦しがちだ。とはいえ、人気の高いレジャー施設など、値上げを実施しても個人客を多数取り込み続けている企業は一定数存在する。

値上げ後も顧客に評価されることで利益率を高めつつ、より良い製品・サービスの提供につなげられる企業に注目したい。


■値上げ関連銘柄

<9064>ヤマトホールディングス
陸運ビジネスに取り組んでいる。宅配便の値上げを実施するとともに、夜間配達専門ドライバーの採用を進めるなど人材確保を進めている。競合する佐川急便や日本郵便も値上げしたこともあり、顧客数を確保しつつ採算改善を進められる状況にあるとみている。

<2269>明治ホールディングス
食品ビジネスに取り組んでいる。今年度からチーズやヨーグルトなど一部の製品の値上げを実施した。今期の業績は増収増益を見込み大規模な客離れは起きないとの姿勢を示している。値上げ後の販売が堅調に推移すれば値上げ成功銘柄としてさらなる関心に期待できる。

<2212>山崎製パン
パンを製造する大手メーカーだ。値上げに伴う採算改善への期待が高まり、株価が急騰する場面も見られた。パンは主食として食べられる場面もあり、値上げを実施しても需要急減を避けやすいと考えられる。

<9039>サカイ引越センター
引っ越し大手として知名度が高い。働き方改革などを背景に転職市場が活性化していることもあり、引っ越し需要は旺盛だ。人材確保が課題ではあるものの、引っ越しは値上がりをしたからといって急には取りやめづらく、売上高を確保しつつ値上げで利益を改善しやすい。

<4661>オリエンタルランド
東京ディズニーリゾートを運営している。大阪のユニバーサルスタジオジャパン同様に着実に値上げを進めてきているが、大規模な客離れは起こっていない。パーク面積拡充で混雑緩和を進められれば、顧客満足度が上がりさらなる値上げ実施も支持されやすくなる。


■まとめ

デフレ脱却に向けて注目を集めると個人的に考えている値上げ関連銘柄。

個人消費が伸び悩む中で値下げを実施して顧客を確保する小売企業などにも一理あるものの、人件費や物流費といった多くの企業において重要なコストが上昇している。利益を安定的に確保するためには今後、さらに多くの企業が値上げを余儀なくされる可能性があるだろう。

先行して値上げに成功した企業は、値上げに伴う顧客層の変化などのデータを収集することで、他企業が後に値上げした際にも優位を保ちやすいと考えられる。

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その他の細かな情報・展望は、ブログの方でも詳しく綴っているので、「株師孔明の株＆仮想通貨ブログ」と検索し、目を通して頂ければ幸いである。

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執筆者名：株師孔明
ブログ名：株師孔明の株＆仮想通貨ブログ
ツイッター：@kabusikoumei



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