10日の米国市場ダイジェスト：ダウは1ドル高、原油相場の上昇を好感も決算控え様子見

■NY株式：ダウは1ドル高、原油相場の上昇を好感も決算控え様子見

NYダウ　　　　　　　ナスダック
終値：20658.02　　　終値：5880.93
前日比：1.92　　　　前日比：3.11
始値：20668.22　　　始値：5883.44
高値：20750.33　　　高値：5907.85
安値：20614.86　　　安値：5865.56




10日の米国株式相場は上昇。ダウ平均は1.92ドル高の20658.02、ナスダックは3.11ポイント高の5880.93で取引を終了した。原油高を好感し買いが先行。その後、北朝鮮を巡る地政学リスクの上昇を背景に上げ幅を縮小し下落に転じたが、原油相場の続伸に伴い再び上昇した。ただし、今週から始まる1-3月期決算発表を見極めたいとの思惑から引けにかけて上値の重い展開となった。セクター別では、小売やエネルギーが上昇する一方で半導体・半導体製造装置や銀行が下落した。

トラック輸送大手のスイフト・トランスポーテーション(SWFT)と、同業のナイト・トランスポーテーション(KNX)が株式交換による合併で合意し、ともに大幅上昇。原油相場の上昇でエネルギー会社のチェサピーク・エナジー(CHK)や深海油田開発のトランスオーシャン(RIG)などエネルギー銘柄が堅調推移。ホテル運営のヒルトン・ワールドワイド・ホールディングス（HLT）は、ゴールドマンサックスによる買い推奨リストに追加され買われた。一方で、米国債利回りが下落し、バンク・オブ・アメリカ(BAC)やJPモルガン(JPM)などの金融各社が売られた。

本日、電気自動車のテスラ・モーターズ(TSLA)は、自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)を抜き、時価総額で全米首位の自動車メーカーとなった。

Horiko Capital Management LLC


■NY為替：地政学的リスク増大を警戒したドル売り

10日のニューヨーク外為市場でドル・円は、111円41銭から110円81銭まで下落し、110円94銭で引けた。この日公表された3月の米労働市場情勢指数は市場予想をやや下回ったことや、対露制裁の拡大報道などで地政学的リスクの増大を意識したドル売りが優勢となった。米長期金利の低下も材料視されたようだ。

ユーロ・ドルは、1.0573ドルから1.0607ドルまで上昇し、1.0595ドルで引けた。欧米金利差の縮小でユーロの買戻しが優勢となった。ユーロ・円は、117円95銭から117円46銭まで下落した。リスク回避の円買いが再燃した。ポンド・ドルは、1.2391ドルから1.2429ドルまで上昇した。原油高や米長期金利の低下が意識されたようだ。ドル・スイスは、1.0104フランから1.0075フランへ下落した。地政学的リスク増大を意識して安全逃避通貨としてのフラン買いが優勢となった。


■NY原油：続伸で53.08ドル、リビア最大の油田の操業停止などが意識される

NY原油先物5月限は続伸(NYMEX原油5月限終値：53.08↑0.84)。リビア最大の油田操業が再び停止したことや、ロシアが石油輸出国機構（OPEC）主導による減産延長を想定しているとの見方が相場を下支えした。市場関係者の間では「リビアの油田が操業停止状態になっているのは技術的な問題も絡んでいる」との声が聞かれている。足元の米国経済が順調であることも原油需要の増大につながっているようだ。

チャートでは、100日移動平均線（51.30ドル水準）を大幅に上回っており、短期的には底堅い動きが続く見込み。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比（騰落率）

バンクオブアメリカ（BAC） 　23.02ドル　-0.14ドル（-0.60％）
モルガン・スタンレー（MS）　41.91ドル　-0.04ドル（-0.10％）
ゴールドマン・サックス（GS）228.89ドル　+1.01ドル（+0.44％）
インテル（INTC）　　　　　　35.80ドル　-0.23ドル（-0.64％）
アップル（AAPL）　　　　　　143.17ドル　-0.17ドル（-0.12％）
アルファベット（GOOG）　　　824.73ドル　+0.06ドル（+0.01％）
フェイスブック（FB）　　　　141.04ドル　+0.26ドル（+0.18％）
キャタピラー（CAT） 　　　　97.14ドル　+1.62ドル（+1.70％）
アルコア（AA）　　　　　　　33.66ドル　-0.07ドル（-0.21％）
ウォルマート（WMT） 　　　　73.06ドル　+0.16ドル（+0.22％）
スプリント（S） 　　　　　　8.36ドル　-0.01（-0.12％）






＜SK＞