軽んじられた同盟国:台湾が自ら戦略的価値を主張すべき理由(2)【中国問題グローバル研究所】
台湾は、地域のリスクヘッジを強化し、東南アジアやインド、日本、オーストラリアと連携を深める必要があります。国際的な技術支援やガバナンスの連携を通じて、信頼されるプレイヤーとしての地位を確立すべきです。また、米国との関係を見直し、個別の州戦略を構築することで、台湾企業の進出を効果的にサポートすることが求められます。台湾はこれから受動的な立場を脱し、自らの価値を戦略的に明確化し、伝え続けることで、地域及び世界における存在感を高めることができるでしょう。台湾の戦略的努力により、必要不可欠な存在としての地位を確保することが可能です。
VI. リスクヘッジと域内での足場固め
戦略的リスクを軽減するため、台湾は地域的なリスクヘッジを体制化する必要がある。デジタルガバナンス、エネルギー転換、戦略的インフラ分野での東南アジアやインド、日本、オーストラリアとの連携を、象徴的意味合いのものから確固たる協力関係へと進化させなければならない。貿易および気候変動における世界的な連携でASEANの重要性が増しているが、これは台湾が継続的なパートナーシップを構築するチャンスとなる。
グローバルサウスにおいて、台湾は援助国というイメージから、信頼される政策支援国へと転換を図る必要がある。融資では中国に対抗できないが、電子政府や反腐敗システム、災害レジリエンスなどの分野に的を絞った専門知識・技術の提供やガバナンス連携はできる。このような形のソフトパワーが、台湾の組織や制度への信頼を構築し、地政学的競争が続くなかで、台湾が存在意義を持ち続ける一助となる。
VII 恩恵を受ける立場から戦略的ステークホルダーへ
台湾は、単なるステークホルダーから、世界的なイノベーションと安全保障における価値創造者へと自らのイメージを変える必要がある。具体的には、セキュアなテクノロジー回廊やサイバーセキュリティ連合、2国間経済協定への台湾の参加などである。戦略的資産を具体化させることで、台湾はインド太平洋地域の安定化で脇役ではなく主役とみなされるようになる。
台湾の外交組織はそのために、データ、アドボカシー、組織力に投資しなければならない。政策のモデル化、費用対効果のシミュレーション、相手に応じたロビー戦略は、もはやできればすればいい程度のものではなく不可欠なツールである。これからはパーソナリティが演出する政治ショーではなく構造的な同盟関係の時代となる。
台湾は、半導体セキュリティ、クリーンエネルギーの技術交流、軍民両用の研究開発イニシアチブでのセクター固有の基本合意など、準条約的な合意枠組みも推進する必要がある。それにより、台湾は主要な戦略的セクターで信頼できるプレイヤーとしての役割を果たすことができるようになる。
VIII. 米国市場との関係を見直す:50州のリスクに対応する
米国に進出する台湾企業は、50州でそれぞれ異なる実情に直面しなければならない。労働法やインセンティブ、インフラは州により大きく異なる。新南向政策下での東南アジアへの進出で犯した過去の失敗が教えてくれるように、デューデリジェンスが不十分であると、規制による行き詰まりを招きかねない。
政府は法務に関する説明会や、政治リスクの評価、セクター別のガイダンスでアウトバウンド投資を支援しなければならない。画一的な米国進出戦略は時代遅れであり、必要なのは的を絞り、各州に合わせてリスクを調整することだ。具体的には、ハイテク産業地域の特定、労働組合員の割合が高い州の労働コンプライアンス状況の把握、地域のサプライチェーンハブとの調整などが挙げられる。
さらに重要なのは、米国に拠点を置く台湾系企業を戦略的メッセージングに取り込むことである。TSMC ArizonaやAUOのエネルギーベンチャーなどの企業は、2国間の取り組みや信頼構築の実証例の役割を果たしうる。こうした投資対象を共通のセキュリティおよびイノベーション基盤の一部と位置づけて発信していく必要がある。
IX. 次なるステップ:受動的な立ち位置から戦略的設計へ
台湾が受動的な外交を脱却するには、自らの民主的レジリエンスと世界に必要とされる技術力を、明確に戦略的資本へと転換する国家戦略を体制化しなければならない。それには、外務、経済計画、国家安全保障を担当する高官からなる、政府機関同士をつなぐタスクフォースを常設して、外交メッセージと産業支援の整合を図る必要がある。台湾は主要な同盟国から期待できる戦略的見返りを積極的に特定し、相手の気付きを待つのではなく、それを二国間の対話に反映させるべきである。価値観に基づくパートナーシップは、価値を明確に伝えることから始まるのだ。
次に、台湾は自らの戦略的貢献を数値化して、それを伝える能力を強化しなければならない。その1つに、グローバルなサプライチェーンや地域安全保障の枠組みから台湾を疎外することのリスクの費用対効果を、独立機関に評価してもらうことがある。こうした評価の結果を、米国や欧州、日本など主要国政府に対する的を絞ったロビー活動で交渉の根拠にすることができる。台湾は、安全保障と経済関連の言論を得意とする商業外交担当者を育成し、交渉を主導して、道義的理由からだけでなく戦略的必要性の観点から台湾の重要性を主張する必要がある。
X. まとめ:便利な存在から必要とされる存在へ
台湾は便利な存在に甘んじていてはならず、必要とされる存在になることにこだわらなければならない。戦略的有用性が重視される世界では、存在意義は誰かに与えられるものではなく自らが主張するものである。台湾の存続は、正しくあるかどうかだけでなく、必要不可欠な存在になれるかどうかにもかかっている。
台湾が存続し続けるためには、公の場で明確かつ自信を持って、自らの価値を主張することを学ばなければならない。戦略的プレゼンスとは、認められるかどうかではなく、自らの位置付けによって決まるのだ。台湾は席が用意されるのを待つのを止め、率先して話し合いの場を設け、主導していかなければならない。
「軽んじられた同盟国:台湾が自ら戦略的価値を主張すべき理由(2)【中国問題グローバル研究所】」に続く。
写真: トランプ米政権の関税政策 世界経済に打撃の懸念(写真:AP/アフロ)
(※1)https://grici.or.jp/
<CS>
フジ「オールスター合唱バトル」ミリオン再生合唱団ら同点優勝「ステージ上が変な意味で一丸と」
MVP2度&363発のハーパーがWBC米国代表入り 一塁埋まり最強チーム結成/メンバー一覧
Root mimi現体制最終公演 プロデューサー兼任黒嵜菜々子「責任を持って選んだ区切り」
「マー&ミー ラッテ」が3年連続受賞!マザーズセレクション大賞2025
矢田亜希子、47歳の誕生日報告にネット騒然!「信じられない透明感」「永遠の憧れ」と絶賛の嵐
ハーマン、ZFのADAS事業を買収
【高校野球】大阪桐蔭・中野大虎は社会人野球へ 前主将兼エースが関東強豪チームで指名目指す
「とにかくファイトし続けるしかない」7連敗と絶体絶命サンロッカーズ渋谷 ベイリーHC「勝ちに全力で向き合っている状況」
リサマリ春夏コレクションカタログ配布開始!新作ランジェリーが登場
NMB48川上千尋が卒コンで完全燃焼「私にとってNMB48は人生です」多くのOGが祝福
篠田麻里子の不倫騒動で指原莉乃の女性用風俗通いが判明!LINEスクショも流出
たけし「うるさいだけで面白くない」コンビが7年ぶり「M―1」決勝ならず、敗者復活戦最終敗退
「ハイキュー!!×しまむら」12月20日よりコラボグッズ発売!腕時計&ショルダーバッグで推し校をアピール
「ボリュームすごっ」豊島心桜の大胆桃色ビキニショットに驚きの反響「もはや人類の宝」
西川のりお、高市首相の“ひと言”に「大失言。失礼ですよ、あなた」と痛烈指摘
25歳Hカップグラドル 下着姿で四つん這いで上目遣い…「大きなふくらみありがとうございます」
高須克弥院長、aespa紅白出場に「不愉快」「今年を嫌な一年と記憶したくありません」
杉村太蔵氏、日本のパンダゼロの見通しに珍アイデア披露「習近平さんのところに…」
ピアニスト文音 音楽は父野口五郎、美貌は母三井ゆりから 森田健作「こんな美し娘さんが……」
楽しんご激怒「誰も知らねーよてめえの事なんて!」ブレダウ“不意打ちビンタ男”の引退表明に
篠田麻里子の不倫騒動で指原莉乃の女性用風俗通いが判明!LINEスクショも流出
中国の治安機関、外国メディアを呼び出し「警告」 香港火災など巡り
道頓堀クリスタルホテルⅢ、「ミライ人間洗濯機」体験プランを販売中 18,000円から
小澤征悦と再婚した桑子真帆アナ(34)黒い過去が流出、衝撃の過去にネット騒然
22歳Iカップグラドル「なんて破廉恥な」街中でめくれた上着からビキニで胸元大胆露出
たけし「うるさいだけで面白くない」コンビが7年ぶり「M―1」決勝ならず、敗者復活戦最終敗退
「ハイキュー!!×しまむら」12月20日よりコラボグッズ発売!腕時計&ショルダーバッグで推し校をアピール
22歳元NMB グラマラスな下着オフショット連発にファン「えっぐ…」「でっけぇなぁ…」
30歳タレント 下着姿でちゃぶ台の上に…「幸せビュー」「どうにもこうにも無敵」
中国籍2人死亡の踏切事故 遺族が山陽電鉄提訴 1.4億円賠償請求

トランプ氏の第2期政権:米国の価値観の再確認と台湾の戦略的位置づけ(2)【中国問題グローバル研究所】
台湾・経済部産業発展署、日台クロスドメイン協力プラットフォームを始動 AI×IoTで日台地域産業をつなぐ
中国の反外国制裁法:台湾と国際貿易環境への影響【中国問題グローバル研究所】
「台湾の紛争抑止」を優先事項に トランプ政権の国家安全保障政策
遠藤教授の記事を受けて【中国問題グローバル研究所】
AI半導体が押し上げる日台協力 台湾・産業発展署が日本企業との商談15件を超え、MOU締結も進む
米国防総省、日豪に台湾有事での役割明確化を要求 英紙報道
中国の第15次5カ年計画の建議に見る政治経済の転換(2)【中国問題グローバル研究所】
トランプ氏、米台関係強化の法案に署名 中国「越えてはならぬ一線」
トランプ氏の第2期政権:米国の価値観の再確認と台湾の戦略的位置づけ(1)【中国問題グローバル研究所】