ロンドン--(BUSINESS WIRE)-- アセット・バリュー・インベスターズ・リミテッド(以下「AVI」といいます。本社:ロンドン、CEO兼CIO:ジョー・バウエルンフロイント)は、5月18日付プレスリリースにおいてお知らせしましたとおり、NCホールディングス株式会社(以下「当社」といいます。東証スタンダード:証券コード6236)に対し、株主共同の利益の向上に向けた株主提案を行っております。今般、株主提案に対する当社取締役会の反対意見が公表されましたが、その内容が当社株主の皆様に重大な誤解を与えるものであることから、これに対するAVIの見解を以下のとおりお知らせ致します。
AVIは、反対意見の公表後も、当社と建設的な関係を維持し株主提案の意義についてご理解頂くべく、取締役との面談を依頼しておりました。しかし、当社からは面談を拒否され、現状では対話の途が閉ざされてしまっていることから、遺憾ながら、AVIの見解を公表することと致しました。
なお、AVIの株主提案に関する公開キャンペーンの内容は、以下の特設ウェブサイトをご覧ください。
当社は、反対意見の中で、AVIが「コンベヤ事業の切売りを企図」しているとして、株主提案が「当社の企業価値を毀損する」と主張されていますが、この主張は事実に反するものです。
AVIは、当社のコンベヤ事業を売却すべきなどという意見は有しておらず、当然のことながら、当社との間でそのような議論を行ったこともございません。むしろ、コンベヤ事業については、約1年半前から、土木・バイオマス発電等の案件を獲得し、成長市場にエクスポージャーを持つ、あるいは利益率向上または従業員生産性向上を通じて資本効率向上を目指すなど、同事業の継続を当然の前提とした上で、現状の低い投下資本利益率を改善するために考えられる施策をお伝えし、議論させて頂いてまいりました。
このように、当社は、これまでAVIがコンベア事業の継続を当然の前提として建設的な対話を続けてきた経緯を十分にご認識されながら、上記のような事実に反する主張を意図的にされており、極めて不誠実な対応と考えます。
また、当社の6月1日付プレスリリースによれば、当社は従業員に対しても上記のような事実に反する説明を行い、その不安を煽って反対声明を取り付けられたようです。従業員を自らの保身のために利用されるかのような姿勢は、従業員への誠実さにも悖るものと考えます。
なお、当社は、恒常的に資本コストを大幅に下回る投下資本利益率で投資を行ってきており、その結果、2024年3月期は減収減益予想、予想営業利益も3期前と比べて約3割減少するなど、現在進行形で企業価値が毀損され続けています。こうした状況にもかかわらず、当社は、中長期的な経営戦略・ビジョンや投資計画を資本市場に対して開示するなど、企業価値の回復に向けた説明責任を十分に果たされることもありませんでした。こうした自らの状況には目を瞑り、企業価値の向上に向けて真摯になされた株主提案に対しては、事実を歪めてまで「企業価値を毀損する」などと主張して反対されるということが、資本市場からはどのように映って見えるか、当社取締役会には改めてお考え頂きたいと存じます。
また、当社は、AVIが独立社外取締役の追加選任や戦略検討委員会の設置により、「提案株主の意向に沿うように当社をコントロール」しようとしているとも主張されていますが、これも事実に反する主張です。AVIはそのような意図を一切有していないばかりか、以下で述べるとおり、AVIの株主提案によってそのような事態が生じることはあり得ません。
まず、AVIが提案している独立社外取締役の候補者2名は、AVIとの間に一切の利害関係、契約関係、義務・責任負担のない、完全に独立した方々であるため、会社法上の善管注意義務に従い、純粋に株主共同の利益の観点から、経営の監督を行って頂くことが可能です。そのため、両名が社外取締役に選任されることで、「提案株主の意向に沿うように当社をコントロール」するなどといったことになるはずがありません。むしろ、資本市場に関する豊富な知見と経験を有しておられる両名に取締役会に加わって頂くことで、13名中2名に過ぎないとはいえ、取締役会における経営の監督機能は確実に強化され、全ての株主の皆様の利益に資するものと考えております。
また、戦略検討委員会についても、委員の人選は全社外取締役の互選で行われ、かつ、委員の人数も3~5名と幅を持たせたご提案としているため、委員総数、現任と新任取締役のバランス、具体的な人選などを適切かつ公正に決定頂くことができるよう、かなりの柔軟性が確保されており、しかも、これらを決定するのは全社外取締役です(全10名の内8名は現任社外取締役が占めます)。加えて、委員会の職務は全て「当会社の株主の共同の利益の最大化を図る観点から」行われる旨が定款上明記されるため、特定の株主の利益や意向のために委員会の職務が行われるなどということは、定款違反となり、そもそも不可能です。委員となる社外取締役は、会社法上、定款を遵守する義務を負っておられるため、委員会の職務が「株主共同の利益」以外の観点から行われるという事態は、法律上起こり得ません。以上は動かし難い事実であり、これらを直視することを避けている当社の主張には、明らかに無理があります。
このように、当社は、事実に反し、根拠に欠ける主張によってAVIの株主提案に反対されております。AVIとしては、当社取締役会は、監督と規律の強化を嫌い、株主共同の利益よりも現状維持を優先するあまり、株主提案の成立を妨げたいがためにこのような主張をされているのであり、まさに当社のガバナンスに課題が存在し、経営の規律が適切に機能していないことの証左となっていると考えております。
特設ウェブサイトのプレゼンテーション資料にも記載の通り、当社の企業価値は同業他社を6割も下回る状況が続いております。AVIの株主提案をご覧頂ければ、こうした企業価値の毀損に歯止めをかけ、企業価値ひいては株主共同の利益の向上に向けて、監督機能の強化、戦略的選択肢の検討、経営の規律の確保などを実現するために一連の株主提案を行っていることをご理解頂けるものと存じます。株主の皆様におかれましては、提案内容及びプレゼンテーション資料を是非ご確認頂き、客観的な評価に基づいて賛否をご判断頂きますようお願い申し上げます。
以上
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アセット・バリュー・インベスターズ・リミテッド 坂井 一成
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