研究者らは、非侵襲的・連続的なPviが、動脈ラインを必要とする侵襲的方法の1回拍出量変化(SVV)と同等に輸液管理の指針として有効であることを発見
スイス・ヌーシャテル--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- マシモ(NASDAQ:MASI)は本日、British Journal of Neurosurgeryに掲載された前向き研究の結果を発表しました。インドのバティンダとポンディシェリの機関に所属するAnkita Dey医師と同僚らが行った研究では、目標指向型輸液療法(GDFT)の一環として、脳神経外科手術時の術中輸液投与の指針を得るべく、侵襲的に得られるパラメーターである1回拍出量変化(SVV)と比較して、非侵襲的・連続的なMasimo PVi®の使用を評価しました。これはこの手術シナリオでPViを評価した初の研究となります。研究者らは、「テント上脳腫瘍に対する選択的開頭術を予定している成人の脳神経外科患者において、術中の目標指向型輸液療法の指針として、PViとSVVは同等の効果がある。しかし、PViは非侵襲的なパラメーターであるため、より好ましいかもしれない」と結論付けました1。
研究者らは、特に脳神経外科患者におけるGDFTの有用性に着目し、SVVなど従来からGDFTの指針として用いられてきた動的パラメーターのほとんどが、さまざまな合併症を伴う動脈内カテーテル(動脈ライン、Aライン)を使用する必要があり、侵襲的であることを指摘して、光電式容積脈波記録法による波形から得られる非侵襲パラメーターのPViがこうした集団における輸液反応性の信頼できる指標として機能するかどうかを追究しようとしました。Pvi(脈波変動指標)は呼吸周期に伴う灌流指標の変動を測定するもので、機械的換気を受けている成人患者の特定の集団において、非侵襲的で動的な輸液反応性の指標としての使用が適応となっています。
研究者らは、この仮説を検証するため、開頭術を受ける60人の成人患者を2群にランダム割り付けしました。1つはPviを術中輸液投与の指針とする群(n=29)、もう1つはSVVを指針とする群(n=31)です。PVi群では、非侵襲的パルスオキシメトリー指先センサーを備えたMasimo Radical-7® Pulse CO-Oximeters®を用いて患者をモニターしました。SVV群では、橈骨動脈にカニュレーションしたエドワーズライフサイエンス製のビジレオ(Vigileo)/フロートラック(FloTrac)デバイスを用いて、侵襲的にSVVを測定しました。研究者らは、術中に静脈内投与した輸液の総量、事前設定した時点における血清乳酸値と血清クレアチニン値、硬膜開閉時の脳リラクゼーションスコア、PVi値とSVV値の相関関係を比較しました。機械的換気時間や入院期間も比較しました。
下表に示されるように、研究者らは、術中に投与された輸液の量がSVV群で有意に多いことを見いだしました。研究者が測定/評価したその他のパラメーターと成績(血清乳酸値、血清クレアチニン値、脳リラクゼーションスコア、機械的換気時間、入院期間)については、両群間で同程度でした。また、「術中の対応する時点におけるSVVとPViの間には、中程度の相関関係ないし強い相関関係が見られた。このことは、パルスオキシメトリー波形から非侵襲的に導出されるPViが、輸液反応性の信頼できる指標であることを示している」と指摘しました。
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研究者らは、「本研究の結果に基づき、テント上脳腫瘍に対する選択的開頭術を予定している成人の脳神経外科患者において、PViとSVVは術中の目標指向型輸液療法の指針として同程度に有効であると結論付ける。しかし、PViは非侵襲的なパラメーターであるため、より好ましいかもしれない。本研究の2群は、術中および術後の事前設定した時点で測定した血清クレアチニン値および血清乳酸値に関して同等であった。また、硬膜の切開時および閉鎖時における脳リラクゼーションスコアに関しても、両群は同等であった。術中の対応する時点におけるSVVとPViの間には、中程度の相関関係ないし強い相関関係があった。機械的換気時間と入院期間も、両群間で同等であった」と結論付けています。
マシモの創設者で最高経営責任者(CEO)のジョー・キアニは、次のように述べています。「私たちは2007年にPViを発表しました。機械的換気を受けている患者さんの輸液反応性を、侵襲的な方法の数分の一のコストで、患者さんに侵襲的な処置のリスクを与えることなく評価できる最初の非侵襲的方法でしたが、現在でも唯一の非侵襲的方法となっています。それ以来、PViまたはPViと当社の非侵襲的ヘモグロビン技術であるSpHb®との組み合わせが患者ケアに多大な貢献をしていることが、100件以上の研究で示されています2。今回の最新の研究により、侵襲的なカテーテルを使わずに患者さんの輸液量を管理する臨床医を支えるために、PViが使用できるという証拠が増えました。」
米国においてPViは、機械的換気を受けている成人患者の特定の集団における輸液反応性の非侵襲的・動的な指標としてFDA 510(k)の認可を受けています。輸液反応性を予測するPViの精度は変わりやすく、患者・処置・デバイス関連の多くの要因による影響を受けます。PViは、光電式容積脈波記録法の振幅の変動を測定しますが、1回拍出量すなわち心拍出量を測定するものではありません。輸液管理の決定は、患者の状態の完全な評価に基づくべきであり、PViのみに基づくべきではありません。
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マシモについて
マシモ(NASDAQ: MASI)は世界的な医療技術企業として、革新的な測定法、センサー、患者モニター、自動化ソリューション、接続ソリューションを含め、業界をリードする多様なモニタリング技術の開発・製造に当たっています。さらに、マシモのコンシューマー・オーディオ事業部門は、Bowers &Wilkins、Denon、Marantz、Polk Audioを含む伝説的な8つのブランドを擁しています。当社の使命は、生活を改善し、患者の転帰を向上させ、ケアのコストを削減することです。1995年投入のMasimo SET® Measure-through Motion and Low Perfusion™(体動時・低灌流時モニタリング可能)パルスオキシメトリーは、他のパルスオキシメトリー技術より性能面で優れていることが100件を超える独立した客観的研究で示されています3。またMasimo SET®は医師が新生児における重度の未熟児網膜症を減らし4、新生児におけるCCHDスクリーニング値を改善し5、術後の病棟におけるマシモ・ペイシェント・セーフティーネット(Masimo Patient SafetyNet™)での連続的モニタリングで使用した場合、救急対応チームの実動、ICUへの移動、コストを削減する6-9ことが示されています。Masimo SET®は世界各国の主要な病院やその他の医療現場で推定2億人以上の患者に使用されており10、USニューズ&ワールド・レポート誌の2022-23年全米優良病院ランキング11において上位10病院中の9病院で最重要のパルスオキシメトリーとなっています。2005年、マシモはrainbow® Pulse CO-Oximetry技術を発表し、それまで侵襲的な手段でのみ可能であった血液成分モニタリングを非侵襲的、連続的なものとすることを可能にしました。測定できるのは、トータルヘモグロビン濃度(SpHb®)、酸素含量(SpOC™)、カルボキシヘモグロビン濃度(SpCO®)、メトヘモグロビン濃度(SpMet®)、脈波変動指標(PVi®)、RPVi™(rainbow® PVi)、予備酸素摂量指数(ORi™)です。2013年、マシモは患者モニタリング&コネクティビティ・プラットフォームRoot®を導入しました。本プラットフォームは可能な限り柔軟で拡張可能なものとなるようゼロから構築し、その他のマシモ製モニタリング技術やサードパーティー製モニタリング技術の追加を容易化しました。マシモの重要な追加技術には、次世代SedLine®脳機能モニタリング、O3®リージョナルオキシメトリー、NomoLine®サンプリングライン付きISA™カプノグラフィーが含まれます。マシモの連続モニタリング/スポットチェック製品ファミリーPulse CO-Oximeters®には、Radius-7®、Radius PPG®、Radius VSM™などのテザーレスなウエアラブル技術、Rad-67™などのポータブルデバイス、MightySat® Rxなどのフィンガーチップパルスオキシメーター、Rad-97®などの病院と自宅の両方で使用できる装置を含め、様々な臨床/非臨床シナリオで使用できるようデザインした装置があります。マシモの病院・自宅用自動化/接続ソリューションはMasimo Hospital Automation™プラットフォームを中心に構成されており、Iris®Gateway、iSirona™、Patient SafetyNet、Replica®、Halo ION®、UniView®、UniView: 60™、Masimo SafetyNet®を含みます。ヘルス・ウェルネスソリューションのポートフォリオは拡大中で、Radius Tº®およびMasimo W1™ウォッチを含みます。マシモと当社製品の追加情報については、www.masimo.comをご覧ください。マシモの製品に関して発表済みの臨床研究の結果はwww.masimo.com/evidence/featured-studies/feature/でご覧いただけます。
ORi、RPVi、Radius VSMはFDA 510(k)承認を取得しておらず、米国では販売されていません。Patient SafetyNetの商標の使用は、ユニバーシティ・ヘルスシステム・コンソーシアムからのライセンスに基づいています。
References
Dey A, Bidkar PU, Swaminathan S, Kumari M, Joy JJ, Balasubramanian M, Bhimsaria S. Comparison of two techniques of goal-directed fluid therapy in elective neurosurgical patients – a randomized controlled study. Br J Neuosurgery. 3 Feb 2023. DOI: 10.1080/02688697.2023.2173722/
PViに関して発表済みの臨床研究は当社ウェブサイト(http://www.masimo.com)で確認可能。
パルスオキシメトリーおよびMasimo SET®の利点に関して発表済みの臨床研究は当社ウェブサイト(http://www.masimo.com)で確認可能。比較研究には、学会で発表されたアブストラクトや査読誌の論文から成る独立した客観的研究が含まれる。
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推定値:マシモの社内資料
http://health.usnews.com/health-care/best-hospitals/articles/best-hospitals-honor-roll-and-overview.
将来見通しに関する記述
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