完全な血行再建による左室駆出率(LVEF)および心不全症状の有意な改善を支持するエビデンスが続けて発表
米マサチューセッツ州ダンバース--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- アビオメッド(Nasdaq: ABMD)は、 Restore EF試験の結果、Impella補助下の高リスクの経皮的冠動脈インターベンション(PCI)において、フォローアップ時に左室駆出率(LVEF)、狭心症、心不全の症状が著しく改善されることを実証したと発表しました。JSCAI誌で8月12日に発表された本試験は、これまで高リスクPCIについて収集された最大の臨床データセットに基づいており、Impellaを用いた治療によるLVEFおよびQOLの改善をさらに検証するものです。
Restore EFは、より完全な血行再建を含む最新のPCI治療のベストプラクティスを評価する多施設前向き共同研究です。患者は、2019年8月から2021年5月の間に、全米22施設のいずれかで、「オンポンプPCI」とも呼ばれるImpella補助下での高リスクPCIを受けました。90日後のフォローアップでは患者に以下のような結果が示されました。
- ベースラインからの相対的なLVEFの改善は29%(n=251、p<0.0001)であり、完全血行再建術(残存SYNTAXスコア0と設定)を受けた患者のLVEFの改善は有意に大きい(図1、2参照)
- New York Heart Association のClass IIIまたはIV患者の心不全症状が全体で76%減少し、心不全症状の大幅な改善がみられた(n=274、p<0.001)(図3参照)
- Canadian Cardiovascular SocietyにおけるClass IIIまたはIVの狭心症の症状が全体で97%減少し、狭心症の症状が有意に改善した(n=260、p<0.0001)(図4参照)。
ベースラインのLVEFが高い(45%以上)患者も、LVEFが低い患者と同様に、症状の著しい改善を示しました。
Providence Heart InstituteのRestore EF試験 主任研究員でインターベンション心臓専門医であるJason Wollmuth医師は次のように述べています。「Restore EFの試験結果は、Impella補助下で行われる高リスクPCIは完全な血行再建と大幅なLVEFの改善につながることを示す、現在続けて発表されているエビデンスの一つとなります。LVEFの値が正常に近い患者の狭心症や心不全症状の改善は、駆出率低下の有無にかかわらずImpellaの適応を高リスクPCI治療を受ける患者に拡大するというFDAの2018年の決定と一致し、この患者グループへの明確な利益をもたらすものです"
JSCAIに掲載されたMassachusetts General HospitalとHarvard Medical Schoolの医師らによるエディトリアルでは、「Wollmuth医師らの心強い報告に基づくと、ICM(虚血性心筋症)の患者にとって、CABG治療が適用とならない患者へのハートチームによるPCI推奨は合理的であると思われる」と結論づけています。
Restore EFとPROTECT III試験の結果は、2022年6月のAmerican Heart Journalに掲載され、低い出血性合併症発生率やMACCE(死亡、脳卒中、心筋梗塞、全ての再血行再建術)の頻度を含むImpella補助下の高リスクPCIの安全性と利点をさらに実証しています。PROTECT IIIのデータでは、高リスクPCI患者に対してImpellaを使用し1回の治療でより完全な血行再建を達成した場合、PROTECT IIと比較してMACCE率が低下しています(15.1% 対 21.9% p=0.037)。これらの臨床試験で最新のベストプラクティスに従った結果、Restore EF試験で2.5%、PROTECT III試験で1.8%と低い出血率を示しました。
本試験の筆頭筆者であり、UC San Diego Healthのインターベンション心臓専門医であるMitul Patel医師は、次のように述べています。「これらの結果は、最新のベストプラクティスを採用したImpella補助下の高リスクPCIが安全かつ有効であり、これまでQOL向上のための選択肢が限られていた患者さんに新たな治療オプションを提供できることをさらに示すものです。」
Restore EFとPROTECT IIIは、Impella補助下の高リスクPCIがLVEFの改善につながることを示す、増えつつある研究の中でも最新のものです。
- Journal of the American College of Cardiology, 2009 – PROTECT I試験で、Impella補助下でProtected PCIを受けた患者は、30日後のフォローアップでLVEFが31%改善したことが確認された。(26±6%から34±11%、p=0.003)。
- Catheterization and Cardiovascular Interventions, 2011 – Mainiらがリードしたこの研究では、Impella補助下のProtected PCI後、フォローアップでLVEFが17%改善したことが明らかになった(p<0.0001)。
- Circulation, 2012 – PROTECT IIランダム化比較試験では、Impella補助下のProtected PCIにより、90日後のNew York Heart Associationにおける Class III およびIVに分類される心不全の患者が58%減少したことが示された(p<0.001)。また、この試験では、Impella補助下のProtected PCI後のフォローアップにおいて、患者さのLVEFが22%改善したことも示された。(p<0.001)。
- Journal of Interventional Cardiology, 2013 – O'Neillらがリードしたこの研究では、Impella 2.5を用いたPCI前の早期の血行動態のサポート開始は、PCI後のサポートと比較して、より完全な血行再建と退院までの生存率の向上(65.1%対40.7%、P<0.003)と関連していることが示唆された。
- American Journal of Cardiology, 2014 – DangasらによるPROTECT IIランダム化比較試験の解析では、Impellaの使用により、大動脈内バルーンポンプ(IABP)の使用と比較して、90日後の主要な心臓および脳血管の有害事象(MACCE)が29%減少した(p=0.042)ことが示されている。
- Journal of Interventional Cardiology, 2019 – Burzottaらがリードしたこの研究では、Protected PCIを行った6ヵ月後に、LVEFが35%以上の患者の割合が22%から67%へと205%増加した(n=79、p≦0.001)ことを明らかにした。また、より完全な血行再建がLVEFの大幅な改善と生存率に関連していることも明らかになった。
これらの研究は、2021年4月に患者登録を開始したPROTECT IVランダム化比較試験につながりました。PROTECT IVは、Impella補助下のPCI(on pump PCI)と、Impella補助下でないPCI(off pump PCI)を比較し、高リスクPCIにおけるImpella治療のClass I推奨に向けた臨床エビデンスを証明するための最終ステップとなるものです。PROTECT IVは、高リスクPCIに対するImpellaのFDA PMA独占承認につながった過去10年間の臨床研究で医師が学んだベストプラクティスを活用するものです。
ケーススタディや本研究の著者へのインタビューを含むRestore EF試験についての追加の情報は、 HeartRecovery.comにてご覧いただけます。
IMPELLA心臓ポンプについて
Impella 2.5®およびImpella CP® SmartAssistは、閉塞した冠動脈を再開通するためにステント留置術またはバルーン血管形成術などの待機的または緊急の経皮的冠動脈形成術(PCI)を受ける特定の進行性心不全患者の治療を目的として、米国FDAから承認されています。
アビオメッドについて
米マサチューセッツ州ダンバースに拠点を置くアビオメッドは、循環補助デバイスと酸素化デバイスを提供するリーディングカンパニーです。当社製品は血行動態を改善し、呼吸不全の患者さんに十分な酸素を供給することで心筋の負担を軽減し、その回復を目指しています。詳細情報についてはhttps://www.abiomed.com/ をご覧ください。
将来見通しに関する記述
将来見通しに関する記述はいずれも、アビオメッドが米国証券取引委員会に提出した定期報告書で記載されたものなど、リスクと不確実性の影響を受けます。実際の結果は予想された結果とは大きく異なる可能性があります。
本プレスリリースは、米国アビオメッド・インクが現地時間8月16日に発表した英文プレスリリースを日本語訳したものです。正式な言語は英語であり、日本に適応しない内容が含まれます。解釈は英語が優先されます。
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