● Ciriumは、今後20年間に世界で約45,000機(2兆9,000億ドル相当)の新規機材が購入されると予測しています
● これらの新規機材は、老朽化したフリートに代わって、年間で3.7%増えると予測される旅客輸送量に対応します
● 2040年までに納入される旅客機の納入数の70%が、シングルアイルジェット機になると見込まれています
● 最も大量の機材が納入される国は中国で、そのシェアは20%になると予測されています。これらの機材は、同国内で6%以上増加すると予測されている旅客輸送量に対応します
● 2021年から2040年までの間に、現行の旅客フリートの約80%が退役すると見込まれています
● 今後20年間に3,500機超の貨物専用機(新造機および旅客機のコンバート機)が市場に供給されると予測されています
英ロンドン--(BUSINESS WIRE)--2021年の最新のCirium Fleet Forecastにおいて、今後20年間に世界で約45,000機(2兆9,000億ドル相当)のより低燃費な新規機材が購入されるという予測が発表されました。
航空業界分析会社Ciriumのコンサルタント部門であるAscend by Ciriumは、最近発行したCirium Fleet Forecastの中で、2040年までの20年間の世界の機材納入数が1年前の前回予測時よりも4%増大すると予測しています。
これは航空業界にとって前向きな見通しであり、新型コロナウイルスによるパンデミックからの回復を示すものです。
新型コロナウイルスは航空業界に多大な影響を及ぼし、機材の納入にも打撃を与えました。2020年の機材納入数は前年比43%(600機)減となりました。その後2021年には、2019年と比べるとなお25%低い水準ではあるにせよ、回復基調となっています。
ボーイング787をめぐる問題は依然として残っているものの、2021年の機材納入数は、ワクチン接種が世界的に進んで飛行機の利用が再開される中、結果的に300機増となっています。
Ascend by Ciriumのコンサルタント統括であるRob Morrisは「2021年のCirium Fleet Forecastでは、航空業界について長期的にはポジティブな見通しを立てています。以前とは構造的な違いがありますが、2024年を過ぎると従来型の成長軌道に戻ると考えています。旅客輸送量が年間で3.7%増えると見込まれているため、世界の旅客フリートもそれに合わせて22,000機増やす必要があります」と述べています。
「この予測が現実となれば、世界の旅客フリートは、2040年末までには約47,200機になります。これらの納入予定機材は、増大する輸送需要に応えるだけでなく、燃費効率の良くない高機齢の機材の後継としての役割を果たすことになります」
中国が最大の納入先に
機材納入数は航空会社の運航地域によってさまざまです。中でもアジア市場が成長のエンジンになると見込まれています。
特に中国の旅客輸送量の増加率は、世界最大の6%と予測されています。同国では機材納入数も最大となり、世界の20%のシェアを占めると見込まれます。
このシェアは、他のアジア太平洋地域諸国の数値を大きく上回っています。この地域の各国を合わせた機材納入数のシェアは22%です。
また、北米の航空会社は20%、欧州の航空会社は17%のシェアを占めると予測されています。
中東のシェアは7%になる見込みですが、ツインアイル機の納入数が多いため、金額ベースでは11%になります。
中南米のシェアは、中東と同じ7%になる見込みです。以下、ロシアおよびCISが4%、アフリカが3%となっています。
納入機の大半はシングルアイルジェット機
今回のCirium Fleet Forecastでは、今後20年間の機材納入の総数に占めるシングルアイルジェット機の割合は数量ベースで70%、金額ベースで55%となっています。
この1兆6,000億ドル市場の中核となるのは、引き続き150席サイズの機材です。その典型的な機種であるエアバスA320neoとボーイング737Max8を合わせた納入シェアは、50%となる見込みです。
需要の高いA321neoやB737Max10といった180席超サイズの機材は年間シェアを伸ばし、今後20年の間に40%の割合を占めるようになると予測されています。
エアバスおよびボーイングによる新規のシングルアイル機は、2030年代の前半から半ばにかけて開発されると見込まれています。
1兆1,000億ドルのツインアイル機市場では、B787とA350が軸となります。250~300席サイズの中型機は、金額ベースで約65%の納入シェアを占める見込みです。最大規模の座席数を誇る大型機市場では、A350-1000とB777-9が競合することになります。
地域市場における機材納入は、1,500億ドル規模になると予測されています。このうちの約3分の1は、70席サイズ機を中心としたターボプロップ機が占めます。2030年代以降は、より大型の90席サイズが主軸となります。将来の機材計画には、中国のMA700、さらには開発が計画されているエンブラエルの新機種シリーズが含まれています。
古いフリートは新世代機と交代へ
現行の旅客フリートの約80%は、2021~40年に旅客輸送サービスから退役すると予測されています。
航空業界が二酸化炭素排出量の削減に取り組み、持続可能性に焦点を絞ろうとする中で、こうした古くて多くの燃料を消費する機材を新機種と交代させることの重要性が増しているのです。
業界全体を見渡すと、2020年末時点の旅客フリートのうち約19,000機が退役予定となっています。さらに、比較的低い機齢のいくつかの機材が早期に現役を退く見込みです。
Ascend by Ciriumの分析では、経済的耐用年数はシングルアイル機で平均22年、ツインアイル機で平均20年と予測されています。
貨物輸送機の新造およびコンバージョンが増加中
貨物は依然として堅調に推移しており、貨物専用機のキャパシティ(有効貨物トンキロベース)は、2019年と比べて3.3%増えると予測されています。今後20年の間に、約3,500機の貨物輸送機が供給されると見込まれます。
この供給数のうち、30%は新造機材になると予測されます。70%は旅客機からコンバージョンされた貨物機です。約1,050機の新造機材の価値は計1,210億ドル相当と見込まれています。
旅客機から貨物機へのコンバージョンは、eコマースの拡大により加速しています。eコマースは、パンデミックに伴うロックダウンに起因するオンラインショッピングの増加に後押しされてきました。
こうしたコンバージョン計画は、A321、B737-800、A330、B777-300ERといったより新しい世代の機種が中心となっています。
Cirium Fleet Forecastでは、航空業界に関する世界最大のデータポートフォリオと長年の専門的知見に基づき、世界の民間旅客・貨物機市場についての独立した見解を提示しています。
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