社内外の課題の影響で売上高は減少したものの中核のPC事業は堅調で利益は安定
通期の売上高は前年比3%減の449億米ドル、第4四半期の売上高は前年同期比19%減の91億米ドル
事業再編により下半期に6億9000万米ドルの経費を節減し、利益に貢献
通期の税引き前損失は2億7700万米ドル、第4四半期の税引き前利益は前年同期比86%増の1億9300万米ドル
通期の純損失は1億2800万米ドル、第4四半期の純利益は前年同期比80%増の1億8000万米ドル
通期の基本1株当たり損失は1.16米セント(9.00香港セント)
香港--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- レノボ・グループ(HKSE:0992)(PINK
SHEETS:LNVGY)は本日、2016年3月31日締めの第4四半期および通期の業績を発表しました。社内外の課題の影響で第4四半期の売上高は前年同期比19パーセント減の91億米ドルとなりましたが、中核のPC事業を強化し、コスト構造を改善して利益を確保しました。通期の売上高は、前年比3パーセント減の449億米ドルとなりました。レノボにとって過去最大規模の事業再編計画によりコスト構造が改善し、下半期に6億9000万米ドルのコスト削減を達成した結果、第4四半期の税引き前利益は前年同期比で86パーセント増加して1億9300万米ドルとなりました。通期では2億7700万米ドルの税引き前損失を計上しました。第4四半期の純利益は前年同期比で80パーセント増加して1億8000万米ドルとなり、通期では3億3000万米ドルの非現金性M&A関連会計費用控除後でも純損失を1億2800万米ドルに抑えることができました。
レノボの楊元慶会長兼最高経営責任者(CEO)は、次のように述べています。「第4四半期には厳しい経済および業界動向の影響で売上高が減少しましたが、昨年半ばに導入した大胆な対策が奏功し、収益性を維持することができました。中核のPC事業では強固な基盤を維持し、エンタープライズ事業では収益性の継続的な改善を図りました。また、主要スマートフォン市場の一部では拡大傾向が見られました。各事業部門が運営上の課題に直面していますが、これに対応して当社はモバイル事業の成長回帰を目的とした組織、経営陣、製品、販売チャネルに関する重要な経営判断のほか、各事業の生産性と創造性をいかんなく発揮するための新たなマルチ・ビジネス運営体制の導入など、すでに様々な前向きな対策を講じています。同時に、レノボの伝統的な強みであるエンドユーザー向けデバイスとクラウドやインフラといった新たなサービスを統合することにより、デバイスとクラウドのバランスのとれた事業展開を積極的に進めていく考えです。」
社内外で課題に直面し、大規模な事業再編計画や組織改革を進めながらも、レノボは業務面と財務面で以下の業績を達成しました。
高水準の利益と過去最高の市場シェア(1.3ポイント拡大して21パーセント*)を誇るPCのグローバル・リーダーとしての立場を強化
タブレットでも成長率は市場全体を上回り過去最高のシェアを獲得、通期の出荷台数は1100万台弱で業界第3位
エンタープライズ事業の売上高は前年比で73パーセント増加し、6四半期連続で営業利益を計上、中国と新興国市場で好業績を達成
モバイル事業は通期に新興国市場で2桁の成長率を記録し(アジア太平洋地域は96パーセント、EMEA地域は83パーセント、中南米は46パーセント)、真の意味でのグローバル事業となり、第3四半期には営業損益ベースで損益分岐点に到達してモトローラ買収後4~6四半期で収支を均衡化させるという目標を達成
エコシステム&クラウドサービス・グループは過去最高の業績を達成し、月間平均ユーザー数は3倍増の2億人以上となり、年間売上高は2億ドルを超える
インターブランドがレノボを世界のトップ100ブランドの1つに選出
優れた製品の真のイノベーション – 様々な事業を支えるレノボの製品は、コンシューマー・エレクトロニクス・ショーで66個の賞、モバイル・ワールド・コングレスで23個の賞を獲得
通期の粗利益は前年比で1パーセント減少して66億米ドルとなりました。第4四半期の粗利益は15パーセント減少して15億米ドルとなりました。通期の粗利益率は14.8パーセント、第4四半期は16.6パーセントでした。通期の営業損失は6200万米ドル、第4四半期の営業利益は前年同期比95パーセント増の2億4800万米ドルとなりました。第4四半期の基本1株当たり利益は1.63米セント(12.67香港セント)で、通期の基本1株当たり損失は1.16米セント(9.00香港セント)でした。レノボの取締役会は、2016年3月31日締め通期の1株当たり配当を2.64米セント(20.5香港セント)とすることを発表しました。
事業グループ別概要
PC事業グループ(PCG)にはPCおよびWindowsタブレットが含まれ、第4四半期の売上高は62億米ドル、税引き前利益は前年同期比20パーセント減の3億1200万米ドルとなりました。多様化するPC市場においてゲームPCやデタッチャブルPCといった新しい成長分野に積極的に取り組むとともに、業界再編の動きを引き続き有効に活用して売上高の拡大を図る考えです。第4四半期も5パーセントの税引き前利益率を維持しました。第4四半期のPC出荷台数は1210万台で、第4四半期の市場シェアは20.2パーセント、通期では21パーセントとなりました。第4四半期には、従来型のPCにデタッチャブル、タブレットを加えた広義のPC市場においてレノボはアップルと共に首位となりました。特に北米市場が好調で、19パーセントの成長率を記録し、3位を維持しました。
モバイル事業グループ(MBG)にはモトローラ製品、レノボ・ブランドの携帯電話事業、アンドロイド・タブレットおよびスマートTVが含まれ、第4四半期の売上高は17億米ドルでした。第4四半期のスマートフォン出荷台数は1090万台、通期では6610万台でした。通期では中国以外の市場が63パーセントの大幅な伸びを記録し、スマートフォン出荷台数は5100万台に達しました。タブレットではレノボの成長率は市場全体を上回り、出荷台数は1100万台弱、市場シェアは5.4パーセントとなりました。モトローラのスマートフォンの出荷台数は500万台弱で、レノボのモバイル事業グループの売上高に10億米ドル貢献しました。
この業績は、統合効果が期待に届かなかったことを示しています。特に、中国ではオープン市場と高価格帯を重視する方針にシフトした結果、出荷台数が85%減少し、北米では新製品への移行があまり進みませんでした。レノボはモトローラの買収完了以降、多くの教訓を得ており、それを直ちに生かして組織、経営、事業方針上の対策を講じています。中国と中国以外の地域をそれぞれ担当する2人の共同社長体制を敷いたことにより、的を絞った経営が実現しています。引き続き中国は極めて競争の激しい市場ですが、通信事業者からオープン市場へのシフトを継続的に進めると同時に、ZUKブランドを通じたエンド・ツー・エンド分野での競争力の再構築により、成長路線への回帰を目指します。その他の地域では、新興国市場における高成長を維持するとともに、競争力のある品揃えにより米国事業の本格回復を実現する考えです。
エンタープライズ事業グループ(EBG)には、Lenovo
ThinkServerブランドおよびシステムx事業部門の下で販売されるサーバー、ストレージ、ソフトウエア、サービスが含まれます。通期の売上高は46億米ドルで、中国での巨額の受注が貢献して73パーセント増加しました。一方、市場機会を最大限捉えることのできる販売体制が整っていなかったことを主な原因として、第4四半期の売上高は8パーセント減の10億米ドルにとどまりました。システムx買収から6四半期目となる第4四半期の税引き前営業利益は黒字となり、営業利益率は1.7パーセントでした。しかし、報告税引き前損益(非現金性のM&A関連会計費用を含む)は1600万米ドルの損失となりました。
新年度に向けてエンタープライズ事業グループ(EBG)はデータセンター・グループに改称されました。今後は、最適な販売モデル、エンド・ツー・エンドの事業構造、的を絞った経営を通じて、成熟市場における売上高の拡大を目指します。EBGでは、SAP、ニュータニックス、ジュニパー、レッド・ハットといった次世代技術のトップクラスの企業との提携という新たなアプローチをフルに活かして、870億米ドル規模のデータセンター市場における高成長分野に照準を合わせて行きます。
地域別概要
中国地域の第4四半期の売上高は23億米ドルとなり、世界全体の売上高の26パーセントを占め、営業利益率は前年同期に比べて0.1ポイント改善して4.5パーセントとなりました。第4四半期にはPC市場全体が8.5パーセント縮小しましたが、レノボはPCの利益率を維持し、32パーセントのシェアを確保して首位を維持しました。中国のモバイル市場では熾烈な競争が続いており、携帯電話会社中心から平均販売価格が高いオープン市場重視のビジネスモデルへの移行がなかなか進まなかったことを主因として、モバイル事業は第4四半期に85パーセントの減少を余儀なくされました。エンタープライズ事業は堅調で、第4四半期の売上高は前年同期比で8パーセント増加しました。
アジア太平洋地域の第4四半期の売上高は16億米ドルで、世界全体の売上高の17パーセントを占め、営業利益率は前年同期から3.8ポイント低下して0.8パーセントとなりました。アジア太平洋地域のPC市場ではレノボは首位を維持し、第4四半期のシェアは15.6パーセントでした。また、通期でもアジア太平洋地域のPC市場で17.5パーセントのシェアを獲得し、首位となりました。アジア太平洋地域における第4四半期のスマートフォン出荷台数は好調で、ASEAN諸国がけん引役となって前年同期に比べて44パーセント増加しました。エンタープライズ事業は一段と柔軟な構造へと変化しており、多数の案件を開拓しています。
欧州/中東/アフリカ(EMEA)地域の第4四半期の売上高はPC市場の縮小の影響を受けて25億米ドルとなり、営業利益率は0.2パーセントでした。EMEA地域は世界全体の売上高の27パーセントを占めました。第4四半期にはEMEA地域のPC市場のシェアは20.7%となり、2位を維持しました。EMEA15カ国のPC市場ではレノボは首位となりました。スマートフォンの出荷台数は、東欧、中東、アフリカを中心に29パーセント増加しました。エンタープライズ事業は販売体制にかかわる問題がネックとなって低調にとどまりましたが、この問題は4月1日のデータセンター・グループの発足により解決しています。
南北アメリカ地域の第4四半期の売上高は27億米ドルで、世界全体の売上高の30パーセントを占めました。ブラジルの業績の安定化が全体的に大きく貢献し、利益率が改善しました。第4四半期の南北アメリカのPC市場におけるシェアは北米と中南米への出荷量の増加を背景に過去最高の14.8パーセントに拡大しました。重要性の大きい米国市場では、第4四半期に3位の立場を固めました。南北アメリカ地域におけるモバイル事業は、Moto
Gの投入が2016/17年度第1四半期にずれ込んだことが響いて低調でした。エンタープライズ事業はEMEA地域と同様に販売体制上の問題が足かせとなりましたが、これも4月1日のデータセンター・グループの発足により解決されました。
*市場シェアに関するデータはいずれもIDCの2016年第1四半期時点の統計に基づいています。
レノボについて
レノボ(HKSE:992)(PINK
SHEETS:LNVGY)はフォーチュン・グローバル500社に選ばれている460億ドル規模のリーダー企業として、消費者、商用、エンターテインメント向けの革新的技術を提供しています。当社の高品質でセキュアな製品とサービスのポートフォリオには、PC(名高いThinkブランドやマルチモードのYOGAブランド他)、ワークステーション、サーバー、ストレージ、スマートTV、そしてスマートフォン(Motorolaを含む)、タブレット、アプリを含むモバイル製品ファミリーを網羅しています。リンクトイン、フェイスブック、ツイッター(@Lenovo)で当社をフォローするか、www.lenovo.comをご覧ください。
レノボ・グループ | |||||||||||||||
財務概要 | |||||||||||||||
2016年3月31日締め四半期および通期 | |||||||||||||||
(単位:百万米ドル、1株当たりデータを除く) | |||||||||||||||
第4四半期15/16 | 第4四半期14/15 | 変化率 | 通期15/16 | 変化率 | |||||||||||
売上高 | 9,133 | 11,334 | -19 | % | 44,912 | -3 | % | ||||||||
粗利益 | 1,518 | 1,779 | -15 | % | 6,624 | -1 | % | ||||||||
粗利益率 | 16.6 | % | 15.7 | % | 0.9 | pts | 14.8 | % | 0.4 | pts | |||||
営業費用 | (1,270 | ) | (1,652 | ) | -23 | % | (6,686 | ) | 20 | % | |||||
売上高費用比率 | 13.9 | % | 14.6 | % | -0.7 | pts | 14.9 | % | 2.9 | pts | |||||
営業利益(損失) | 248 | 127 | 95 | % | (62 | ) | N/A | ||||||||
その他の営業外費用 | (55 | ) | (23 | ) | 133 | % | (215 | ) | 56 | % | |||||
税引き前利益(損失) | 193 | 104 | 86 | % | (277 | ) | N/A | ||||||||
税金 | (17 | ) | (7 | ) | 156 | % | 132 | N/A | |||||||
当期利益(損失) | 176 | 97 | 81 | % | (145 | ) | N/A | ||||||||
非支配持分 | 4 | 3 | 40 | % | 17 | N/A | |||||||||
株主帰属利益(損失) | 180 | 100 | 80 | % | (128 | ) | N/A | ||||||||
1株当たり利益(損失)(米セント) | |||||||||||||||
基本 | 1.63 | 0.91 | 0.72 | (1.16 | ) | N/A | |||||||||
希薄化後 | 1.62 | 0.90 | 0.72 | (1.16 | ) | N/A | |||||||||
1株当たり配当(香港セント) | 26.5 | - |
原文はbusinesswire.comでご覧ください:http://www.businesswire.com/news/home/20160526005514/en/
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