需要増に応える
上海--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ)
--液状ガスケットシール剤は固型ガスケットの代替品として、自動車製作で長年にわたって使用されてきました。例えば、フランジシールに適したガスケット製品は、一般的にエンジンの組み立てや駆動系で使用されます。ヘンケルではフランジ接合部をシールするためのシリコーン系常温硬化タイプのほか、高剛性フランジに適したアクリレート系嫌気性硬化タイプに加え、新開発の柔軟性のあるポリアクリレート系室温硬化型を提供しています。近年、こうした製品は性能と同時に、高まるサステナビリティーでの要求の両方を満たす必要があります。
自動車業界におけるシーリングシステムの目的は、「漏れ」を防ぐことにあります。シーリングプロセスは柔軟性のある個体ガスケットや適切な締め付けシステムを使用して、材料接着または圧縮(非ポジティブ接合)のいずれかで実施されます。エンジン製造においては、一体型ジョイントを生み出す接着接合ができるガスケットシステムを使用する傾向が大きくなっています。。顧客に応じて測定値とアプリケーションシステムを最適に組み合わせ、ヘンケルは量産にも対応し、最高品質を求めるニーズに対応できる自動化プロセスを提供します。
剛性フランジ接合部のシーリング
剛性フランジ接合部のための理想的なソリューションとしてお勧めするのは、嫌気性アクリレートガスケットです。1液型の本シール剤はジメタクリレートエステルをベースとし、特にねじり剛性のある金属フランジ部品に適しています。空気を遮断すると硬化するため、2つのフランジ面を組み付けることで硬化します。本製品は反応メカニズムの特性から金属フランジにのみに適しています。また、これは高強度の接着性から生じる脆弱性があるため、柔軟性の高い構造物での使用は制限されてきました。
現在では革新的な処方による、柔軟性のある嫌気性アクリレート接着剤が開発されています。最新のフランジガスケットシール剤(ロックタイト5189)は特に熱エージング後の弾性特性が著しく向上しており、剛性の低い継手や接合部に適しています。
この革新的ソリューションは既に種々のフォード製エンジンで採用されています。例えば、ロックタイト5189は1.0リッター「エコブースト」エンジンのカムキャップや、1.6リッターの高ストレスジョイントのシーリングに使用されています。フォードの「フォーカス」や「フィエスタ」などに搭載されている125
PS(123 BHP/91 kW)1.0リッターエンジンは、2013年インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーの総合優勝に輝いています。
柔軟性のあるフランジ向けのシリコーン
嫌気性硬化アクリレートガスケットのほかには、室温硬化(RTV)シリコーンのシール剤もエンジン周りで使用されています。シリコーン製品群は優れた耐熱性と耐薬品性が特徴です。シリコーンの高い弾性は、大きなずれが起きやすい柔軟性のあるフランジや、粗度やすき間がある表面のシーリングに適しているからです。また、軽量技術の採用の高まりから金属製品の代わりにプラスチックで対応することが多くなっていますが、シリコーンは異種プラスチック表面への接着性に優れています。
多くの高温耐オイル性RTVシリコーンの硬化プロセスでは、健康影響が疑われる化学物質メチルエチルケトキシム(MEKOとしても知られる)の発生量が高まります。
こうした事情から初の脱オキシムタイプRTVシリコーン(ロックタイト5970)の開発に至りました。この革新的製品はどのリスク分類にも該当せず(化学物質安全性データシートは「空白」)、サステナビリティーを考えた開発と職業安全衛生における意欲的な目標を達成しています。これらの脱オキシムタイプシリコーンが既に広く欧州で使用されている一方、アメリカやアジアでの切り替えはまだ始まったばかりです。しかしこれらの地域でも、メーカーはオキシム含有ソリューションに背を向け始めています。
反応性の高い化学物質に耐性のあるシーリングソリューション
嫌気性ガスケットシーリングとRTVシリコーンに加え、第3の先進技術として液状ポリアクリレートがあります。新たなRTVポリアクリレートのロックタイト5810は対応するシリコーン製品と比べ、外観と塗布特性が非常に似ていますが、反応性の高い合成オイルのトランスミッションオイルや油圧オイルに対して高い耐性を示し、シリコーンやオキシムを含まない点でRTVシリコーンガスケットに比べ優れています。
従ってRTVポリアクリレートはシリコーンと比べた化学的優位性により、エンジン部品向けに新たな可能性を切り開くと言えます。時間の経過とともにエンジンオイル中の消泡剤を分解してしまうシリコーンベースのガスケットシール剤とは異なり、ポリアクリレートベースのシール剤は反応せず、消泡剤の特性を損ないません。傑出した耐オイル性に加え、ポリアクリレートは炭化水素類に対して非常に低い透過性を示します。
これはガスをエンジン吸気口でよりしっかりとシールできることを意味しており、メーカー側のサステナビリティー目標の達成を支えます。
液体状態で塗布するポリアクリレートガスケットシール剤の登場は、トランスミッションユニットの製造でも新たな応用分野を切り開くことになります。液状シリコーンでは最新の合成トランスミッションオイルに十分な耐性を示さないためこれまでは高価な固体ガスケットを使用しなければなりませんでした。
未来に目を向ける
自動車製造において全体的な排出目標を達成しなければならないという圧力は、エンジン製造でも非常に明らかです。以前にも増して、金属製の駆動系部品がプラスチックを含む軽量ソリューションに取って代わられています。これに伴う影響の1つが、関連するガスケットシーリングシステムに対する需要の増大です。こうした傾向を支えて促進するためには、サステナビリティーのさらなる努力を貫徹できるよう、新たな液状ガスケット材料を一貫して開発していくことが必要です。
著者:ゲオルク・シューベルト、ヘンケル アドヒーシブ テクノロジーズ、運輸・金属事業部門、自動車用接着剤担当ビジネスディレクター
Loctiteはヘンケルの登録商標としてドイツ内外で登録されています。
ヘンケルはブランドとテクノロジーのグローバルリーダーとして、ランドリー&ホームケア、ビューティーケア、接着技術の3分野で事業を展開しています。1876年創立のヘンケルは、パーシル(Persil)、シュワルツコフ(Schwarzkopf)、ロックタイト(Loctite)などの有名ブランドにより、コンシューマー分野および産業分野の両市場における世界的リーダー企業としての地位を維持しています。ヘンケルは約4万7000人の従業員を抱え、2013会計年度に売上高164億ユーロと、調整後の営業利益25億ユーロを計上しました。ヘンケルの優先株はドイツ株式指数DAXの構成銘柄になっています。
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