GSMAの新調査によれば、モバイル・ブロードバンドとスマートフォンの普及がアラブ諸国で加速

モバイル通信事業者がアラブ諸国全域でネットワーク、雇用、革新に投資

アラブ首長国連邦ドバイ--(BUSINESS WIRE)--（ビジネスワイヤ） --
GSMAが今週ドバイで開催されているGSMAモバイル360シリーズで公表した新しい調査報告書によると、2020年までに、中東および北アフリカのアラブ諸国で、モバイル・ブロードバンド・ネットワークがモバイル接続の3分の2以上を支える見通しです。新しい調査「モバイル経済ーアラブ諸国2015（The
Mobile Economy - Arab States
2015）」は、2020年までにアラブ諸国の3G/4Gモバイル接続が3億5000万件に達して、この地域の総接続件数の69パーセントを占め、2014年末のわずか34パーセントから急増すると予測しています¹。この高速モバイルネットワークへの急速な移行は、通信事業者による3G/4Gネットワークへの投資とスマートフォンの普及拡大がけん引します。この地域のスマートフォンによる接続数²は、2014～2020年にほぼ3倍増加して、3億2700万件に達する見通しです。

GSMAの事務局長代理で最高技術責任者（CTO）のアレックス・シンクレアは、次のように述べています。「アラブ諸国のモバイル環境は、急成長中の北アフリカ市場から高度に発達した湾岸協力会議（GCC）加盟諸国まで、市場の成熟度という点で大きな差があります。しかし、地域全体がモバイル・ブロードバンド・ネットワークへの移行と、モバイル通信事業者の投資拡大によって普及した機器の恩恵を受けています。私たちは、この地域の政府がモバイル・ブロードバンド導入をさらに加速させる政策を採るように促したいと思います。例えば、より国際的調和が取れたスペクトラムの開放、遠隔地や経済的に厳しい地域でインフラ配備を促進するインセンティブの導入、革新的な新しいモバイルサービスの普及に悪影響を与える課税や規制政策の改正などが考えられます。」

過去4年間に、アラブ諸国のモバイル通信事業者は設備投資として400億米ドル以上、もしくは総売上高の約18パーセントを費やしました。投資は、ネットワーク通信エリアの拡大、ネットワーク容量の増強、3G/4Gモバイル・ブロードバンド・ネットワーク展開のために、重点的に使われました。報告書によれば、1カ国を除くすべての国に3Gライブネットワークが配備されています。また、この地域の10カ国に23の4Gライブネットワークがあるほか、さらに8カ国で4Gネットワークが構築される予定です。

多様なモバイル環境

アラブ諸国には中東と北アフリカの18市場が含まれます³。2014年末に、アラブ諸国全体のユニークモバイル加入者数⁴は、この地域の人口の54パーセントに相当する1億9900万人に達しました。しかし、この地域では経済的発展と同調して、市場の成熟度に大きな開きがあります。アラブ諸国には、普及率が75パーセント以上のバーレーン、クウェート、アラブ首長国連邦（UAE）がある一方、モバイル加入者が人口の半分を下回る4カ国（パレスチナ、スーダン、シリア、イエメン）も含まれています。

アラブ諸国のユニークモバイル加入者数は、2020年までに2億3300万人に達し、その時点における予想人口の57パーセントを占める見通しです。しかし、加入者の増加は同期間の世界平均を下回り、加入者普及率は2020年に予想されている世界の59パーセントには及ばないでしょう。これにはいくつかの要因があり、すでに高い普及率を持つ市場で成長余力が低下していること、発展途上市場における低所得層および農村部層で普及率を拡大することの難しさ、現在いくつかの地域市場で政治的・経済的状況が不安定なことが挙げられます。

モバイル業界が経済的成長、雇用、公的資金に寄与

アラブ諸国のモバイル業界は2014年に、この地域の経済に総額1150億米ドルの付加的な貢献を行いました。これはこの地域のGDP合計⁵の約4パーセントに相当します。2020年までに貢献額は1600億米ドルに増加し、その時点における地域の予想GDPの4.5パーセントを占める見通しです。

モバイル業界は、この地域の雇用と公的資金を生み出す大きな源でもあります。モバイル業界は2014年にアラブ諸国全体で、直接・間接的に130万人の雇用を支え、2020年までにその数は150万人を超えると予測されています。モバイルエコシステムも2014年に、この地域の政府の公的財政に126億米ドルの税収をもたらしました（規制手数料と周波数オークションの料金を除く）。2020年までに、こうした公的財政への貢献は143億米ドルに増加する見通しです。

シンクレアCTOは、次のように語っています。「モバイル業界はアラブ諸国の社会的・開発的な課題に対応する上で、極めて重要な役割を担っています。そうした課題は、高い失業率、若年人口、継続的な社会・政治不安を抱える地域市場で深刻化しています。この地域の多くの新興市場は、ほかに代替手段がないため、モバイルによってネットワークに接続されていない人々にインターネットアクセスという必須サービスを提供し、銀行、ヘルスケア、教育などの重要分野でモバイルを利用したソリューションを実現しています。一方、先進市場では、モバイル通信事業者がデジタル商取引、デジタルアイデンティティー、モノのインターネットなどの分野で、高度なサービスを開始しています。」

報告書全文と情報画像については、http://www.gsmamobileeconomy.com/arabstates/をご覧ください。

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GSMAについて

GSMAは世界中のモバイル通信事業者を代表する団体で、モバイル事業約800社を結集しています。そのうち250社は携帯電話機および端末メーカー、ソフトウエア企業、機器プロバイダー、インターネット企業など、広範囲なモバイル・エコシステムを構成する企業であり、関連業界セクターの組織も参加しています。GSMAはモバイル・ワールド・コングレス、モバイル・ワールド・コングレス上海、モバイル360シリーズといった業界を主導するイベントの開催も行っています。

詳細情報については、GSMAのウェブサイトwww.gsma.comをご覧ください。GSMAをツイッターでフォローしてください：@GSMA

¹
2014年におけるアラブ諸国のモバイル接続の合計（有効なSIMカード、M2Mは除く）は、4億600万件で、2020年までに5億100万件に増加する見通しです。

²
スマートフォンによる接続は1つのスマートフォンに登録・使用される1つのSIMカードで定義されています。販売・出荷されたスマートフォンの数を表すわけではありません。

³本報告書でアラブ諸国と分類されている18市場は、アルジェリア、バーレーン、エジプト、イラク、ヨルダン、クウェート、レバノン、リビア、モロッコ、オマーン、パレスチナ、カタール、サウジアラビア、スーダン、シリア、チュニジア、アラブ首長国連邦、イエメンです。

⁴ 1人のユニークモバイル加入者が複数のモバイル接続（SIMカード）にカウントされる場合があります。

⁵
GDPへの貢献には、モバイル通信事業者の直接・間接的貢献（1.2%）、機器メーカーやインフラベンダーなどの関連企業の貢献（0.4%）、経済への間接的影響（0.3%）、生産性の向上（2.0%）が含まれます。

原文はbusinesswire.comでご覧ください：http://www.businesswire.com/news/home/20151019005535/en/

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