仕事で成功するためにも、「人間関係」は超重要事項!
周りの人との関係が良好なら仕事もうまくいくし、その逆もしかりですよね。
今回の本『日本史に学ぶ一流の気くばり』(著:加来耕三)では、人間関係を円滑にするための”気くばり”について、歴史上の偉人たちから学ぶことができます。
平清盛、徳川家康、竹中半兵衛、勝海舟、大久保利通……有名な偉人たちの、教科書では教わらないエピソードがたくさん載っていて。「トラブルが起きた時、偉人たちはどう解決してきたか」、「人間関係で失敗して出世できなかった人の事例」等々、すごく勉強になりました。
昔は、ちょっと誰かの機嫌を損ねただけで首を切られたり、国一つが滅んだりしちゃうわけで、まさに命がけの”気くばり”が必要だったんですよね。
でも今だって、気くばりできないと出世できなかったり、SNSに悪口書かれたり、それこそ会社からクビを切られたりもしちゃうわけで……いくら時代が変わっても、人の感情や人間関係の問題の重要性は変わらないんだなって思いましたね〜。
さて今回は、私が特に気に入った3人の偉人についてご紹介したいと思います!
1:猿と呼ばれて這い上がった豊臣秀吉は”気くばりの達人”
一人目は、あの有名な戦国武将・豊臣秀吉です!
この本で紹介されているのは、元々家柄がよくなかったり、後ろ盾がなかったりする中から、自分の実力と、なにより”気くばり”の力で這い上がってきた人ばかり。
中でも秀吉は顕著な例ですよね! “気くばりの達人”といえばすぐに思い浮かぶのが秀吉、と紹介されています。
幼い頃に父親を戦で亡くして、新しい義父とは反りが合わず、10代で家出。戦国の乱世を身一つで生き抜いていくしかない以上、誰からも嫌われない道を選ぶしかなかった秀吉。「信長の草履を懐に入れて、温めてから差し出した」っていうエピソードが有名ですけど、「猿」って呼ばれても怒るどころか「ウキーッ」って真似をしてみせたり……もう、プライド捨ててますよね。笑
でも、そのおかげで信長に気に入られて、猛烈に出世していくんです。
私、小学生の頃、名字で「鈴木!」って呼び捨てにされるのがなんか嫌だったんですよ。笑 今思うと本当謎なんですけど、たぶんプライド的な感覚で。でも秀吉って、「豊臣!」って呼び捨てにされたらむしろ喜んだと思うんです。「距離が縮まった〜!」って。
普通、下に見られたり、尊重されなかったりしたら嫌な人が多いと思うけど、そこを自分の考え方次第でプラスに持っていけるのはすごいなぁ〜。
究極の板挟み状態を打破!豊臣秀吉の気くばり力
そんな秀吉の対人能力のすごさがわかるエピソードをご紹介します。
秀吉は、隣国の美濃攻略に躍起になっていた信長のために、美濃の国の武将・大沢次郎左衛門を調略して、寝返らせて連れてきました。
ところが信長から、「そんな裏切り者は信用できないから斬ってしまえ」って命令されちゃうんです! いうなれば、ライバル会社のエースを引き抜いて自社まで連れてきたら、突然社長からNG食らったみたいな。笑 もう、秀吉の立場ないですよね。
そこで秀吉はどうしたかというと……「主君から斬れと言われたけどそんなことはできないから、私を人質にして国境を超えてくれ」って申し出たんです! もう、全部自分のせいにしてくださいと、命がけで誠意を見せたんですね。すると大沢は感激して、人質にもせずに美濃に帰っていって、しかも「秀吉はすごいやつだぞ」って周りの人にも寝返りをうながしてくれたんです。
信長も、結果的に多数の降参者を出してくれたから怒るに怒れない。秀吉は、「主君の命令とはいえ、ここで大沢を裏切ったら、自分の評判も主君・信長の評判もダダ下がりになる」ってわかっていたんでしょうね。大沢と信長、両方の顔を立てるために、“命をかけた気くばり”をしたみたいな感じですよね。
芸能界を生き抜くためには、秀吉が一番参考になる人かなって思いましたね〜。”後ろ盾もないところからの叩き上げだけど、強引に這い上がるんじゃなくて、周りに気に入られて引き上げてもらう”っていう出世の仕方が、すごく勉強になるなって。
2:何を命じられてもとにかく全力・藤堂高虎
つづいては、豊臣家や徳川家に仕えた武将・藤堂高虎!
この人、本当すごい!! みんな尊敬したほうがいいですよ〜!笑
この人も身分が低く、学もなかったんですけど、戦場では必ず一番駆け、負け戦なら殿軍を務めて、全力で戦う。
そうやって槍一筋で活躍してたところに、主君の豊臣秀長から突然「鉄砲隊をやれ」と言われると、猛勉強して活躍し、さらに「算盤をやれ」と言われればそれも勉強して全うし、築城術をも学んで名人と呼ばれ……すごいですよね〜。
全然畑違いの仕事を命じられても、腐ることなく一生懸命やり抜いたんです。
スピード命!信頼を勝ち取った藤堂高虎の気くばり力
さらにこの人は、秀長から兄の秀吉、さらに家康……と、主君を7回も変えてるんですけど、あまり批判されず、人望もあったんです。なぜかというと、”誠”を尽くす人だったからですね。
たとえば家康が死ぬときに、「友になれてよかったけど、仏門の宗派が違うから、あの世では会えないな」みたいなことを言われたら、速攻その場を退いて、家康と同じ宗派に改宗してきたんです!
え〜っ、そんなことできるの!?って思いましたけど、家康も大喜びして、「俺の死後は藤堂に任せる!」みたいなことを言い残したらしくて。今度はもう、”信仰をかけた気くばり”ですよね。笑
これ、きっと”その場でやった”っていうスピードも大事ですよね。
先日聞いた話で、すごく稼いでる弁護士の人が、「打ち合わせしたらその晩のうちに自分の案をメールで送る」っていうことをしていると。それで、「この人、すごくできる人だ!」って一発で印象が決まるんですね。
(※参考:『日本一稼ぐ弁護士の仕事術』)
私も友達が「ラインスタンプ作ったんだ〜!」ってラインくれたときとか、すぐ買ったほうが嬉しいだろうなと思って、その場で買ってそのスタンプで返信する、みたいなことはしてるんですけど、仕事でもどんどんしていこうと思いました。高虎に学んだぞ〜!笑
3:命がけで組織に尽くした”最強の組織人”・本多平八郎忠勝
最後は、高虎と並んで家康に重用された武将・本多平八郎忠勝。
この本の中で一番響いたというか、好きになったのがこの人です。
この人を一言でいうと、「最強の組織人」!
“自分に与えられた業務を上手にこなすために、どう動くか”って考える人は多いと思うけど、この人は、“組織のために、自分はどう動くか”っていうのを瞬時に判断できる人。しかも戦国時代だから、本当に命がけで組織に尽くしたっていうのがかっこいいなって思いましたね。
家康が天下をとるまでのほとんどの戦いに出ていた忠勝は、常に最前線で戦い、絶体絶命の場面でも逃げずに、前へ前へと出ていました。危険も顧みず、迷いなく自分の役割を果たしてたんですね。
典型的な例が、家康と秀吉が正面からぶつかった「小牧・長久手の戦い」。長久手で交戦中の家康軍のもとへ、2万の軍勢を引き連れた秀吉軍が攻撃に向かいます。小牧で交戦中だった忠勝はそれを聞きつけ、たった500名の兵を率いて秀吉軍の前に立ちふさがったんです!
2万 VS 500だから、もうどう考えても死ぬ、全滅するって状況だったんですけど、「家康軍が引き上げるための時間稼ぎができればそれでいい」って即断したんですね。もう、壮絶な覚悟ですよね。
そしてなんと、その行動に感銘を受けた秀吉が男泣きして、「主君のために死を覚悟した勇士を討ってはならぬ」と、忠勝軍に手を出さないように命令したんですよ!
敵の心まで動かす覚悟、すごくないですか?
相手を思うからこそ意見する、本多平八郎忠勝の気くばり力
そんな忠勝ですが、なんでもかんでも命令に従っていたわけではないんです。
「本能寺の変」で信長が明智光秀に討たれたとき、「今すぐ光秀に一太刀浴びせて自分も死ぬ!」と取り乱す家康を必死に止めたのも忠勝。筋の通らない命令には「ならば、殿と一線つかまつる」と叫んでまで反対したり、意見も言える人でした。
本当に主君のためを思うからこその、思いやり、気くばりですよね。
私、こういう関係ってとても大切だと思っていて。「この人は自分のことを思ってくれている」っていう信頼がお互いにあるからこそ、意見も言えるし、受け入れられるんですよね。
「こうすべきだ」って意見をもってるとき、そのまま一人で思い続けてるだけだったら、視点も思考も広がらないし、本当にそれが自分のためにならなかったとしても、気づけない。そこで信頼してる人から反対意見を言われることで、一回その立場に立って考えてみることができるっていうのは、すごく幸せなことだなと思います。
昔も今も変わらない、本当の”気くばり”とは
この3人以外にも、尊敬できる偉人たちの逸話がたくさん載っていて、本当の気くばりとはなにか、改めて考えることができたし、日本史にも詳しくなれて一石二鳥でした!笑
私が目指すべき人物としては……秀吉のようなコミュニケーション能力を持ち、高虎のようにチャンスを逃さず何でも挑戦して、忠勝のように自分の役割を悩まず実行する。ハイブリッドですね。笑
この3人ともに共通するのが、その場の状況状況に応じて、「自分のために」じゃなくて「相手のために」行動できたこと。それって昔も今も変わらない大切なことだし、戦場においても笑、仕事においても役立つ“気くばり”ってことなのかな〜と思いました。
鳴かぬなら”◯◯◯◯◯◯◯”ホトトギス!
さて今回の“締めの名言”は……武将の名言になぞらえようかな?ということで、あの有名な「ホトトギスシリーズ」でいきましょう!
織田信長は「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」、豊臣秀吉は「鳴かぬなら鳴かせてみようホトトギス」、徳川家康は「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」……確かにこうして見ると、特徴がよく表されてますよね。信長は過激で大胆、秀吉はコミュニケーション能力で渡り歩いてきたし、家康は寛容で忍耐力があるし。
この中だったら、秀吉の「鳴かせてみよう」がいいけど……私流に言うなら……何だろな〜?笑
鳴かないわけですよね、ホトトギス。でも、鳴いてほしいんですよね、みんな。じゃあどうするかっていうと。
こういうのどうですか?
「鳴かぬなら鳴くやつ探そうホトトギス」!
何も、その一匹を無理に鳴かせることないじゃないですか? 他にすごい鳴くやついるかもしれないじゃないですか、ホトトギス。ってことです!笑
なんかこう、勝手にルールを決めちゃってないか、一度考えてみる。発想の枠を飛び出すってことが大事なんじゃないかなと。「ホトトギスを鳴かせること」が目的なら、他に鳴くやつを探してきてもいいはずじゃないですか?
それなら鳴かないホトトギスにも無理させないし、鳴いて欲しかった人も満足だし、鳴きたかったホトトギスも鳴けるし、みんな幸せ。笑
これからも発想の枠もどんどん飛び越えながら、みんなが幸せになれるような“気くばり”を心がけていきたいなって思います!
〈今回の格言〉「鳴かぬなら鳴くやつ探そうホトトギス」
▼今回の書籍
『日本史に学ぶ一流の気くばり』
日本の歴史は、「人間関係」で9割決まった!勝者に共通するのは、周りへの気くばりや気づかいが徹底していること。一方、失脚していった人の多くに共通するのは、周りへの配慮が足りなかったこと。日本史の偉人たちが行っていた気くばりを通して、仕事も人生もうまくいくヒントをまとめました。
▼このテーマに興味がある方へ
『誰からも「気がきく」と言われる45の習慣』
20万部突破の気配り本の決定版。好かれる人、一流の人はみんなやっている気配りの技術とは?「気のきく」人は、余計なお世話をせず、感謝と信頼を集めるポイントをおさえているのです。相手の考えを理解し、先読みする技術と習慣を学びましょう。
『ディズニーと三越で学んできた日本人にしかできない「気づかい」の習慣』
ディズニーにも超えられなかったものが日本にはあります。日本人にしかできない「気づかい」とは?老舗料亭で「心」を習い、三越で「スキル」を極め、ディズニーで「仕組み」を知った著者が教える、人との付き合い方、育て方、感性の磨き方、全33項目。
鈴木ふみ奈 Suzuki Fumina
1990年生まれ。埼玉県出身。オフィスポケット所属。愛称は「ふみにゃん」。
日本大学芸術学部音楽学科サックス専攻卒業。2009年より雑誌グラビアを中心にデビューし、現在はタレント活動10年目に突入。ミス・ワールド・ジャパン2018審査員特別賞受賞。趣味・特技は麻雀、サックス、ピアノ、殺陣、ハイキック。最新DVD&Blu-ray「Golden Smile」好評発売中。オムニバス写真集「世界一えっちなハローワーク」(一迅社)が7月17日に発売。