
『まんがでわかる LIFE SHIFT』
(東洋経済新報社)
1990年生まれ。埼玉県出身。オフィスポケット所属。愛称は「ふみにゃん」。
日本大学芸術学部音楽学科サックス専攻卒業。2009年より雑誌のグラビアを中心にタレント活動を開始。ミスFLASH 2011グランプリ。第3回「AKIBA TOKYO COLLECTION」グランプリ。ミス・ワールド・ジャパン2018ファイナリスト。趣味・特技はサバイバルゲーム、麻雀、読書、サックス、ピアノ、殺陣、ハイキック、ハンドスプリング。
もし、「第二の人生」があるなら何したいですか?
私はですね、やりたいことが本当にいっぱいあります。今はグラビアのお仕事を中心に活動してますが、麻雀のお仕事も楽しいし、大学で学んだ音楽とか芸術の道に進むのもいいし、あと実は、起業とか宇宙にも興味があって。
いっぱいありすぎ!って思うかもしれないけど、実はこれ、全部「今の人生」の延長線上でできちゃうかもしれないんですよ。
その可能性を示してくれたのが今回の本。鈴木ふみ奈の読書コラム『道は開ける』第3回では、大ベストセラー『LIFE SHIFT』のまんが版『まんがでわかる LIFE SHIFT』をお届けします!
◆第1回はこちら→「4倍以上の仕事をこなし、2倍以上の自由時間を確保する方法」
◆第2回はこちら→「スマホの待受を変えるだけで体調がよくなる?」
『LIFE SHIFT』は2016年刊行、現在30万部を突破した近年の大ベストセラーです。
この本が打ち出した「人生100年時代」というキーワードがすごく話題になってて。
どういう意味かというと、今、人の寿命って年々伸びてきているんです。平均寿命世界1位の国をグラフ化すると、10年ごとに平均2〜3年のペースで上昇していて。先進国では、2007年に生まれた子供の半分が100歳以上生きるっていうデータが出てるんです。
これをベースに考えると、1957年に生まれた人だって、89〜94歳くらいまで生きることになるんですよ。まさに「人生100年時代」って感じですよね。
そうなると当然、生活とか仕事とかも変わってきちゃいますよね。今までは65歳で定年だったのが、それから35年も人生が続くから、もっと働きつづけないといけなかったり、金銭面とか健康面、人間関係とか生きがいとか、いろいろ考えていかないといけないという話なんですけど……
私、これを読んだときに、「え、100年も生きれるの? 超ラッキーじゃん!」って思ったんですよ。たしかに未来の不安とかもあるかもしれないですけど、今まで経験できなかったはずの人生、未来の世界を経験できるって、めっちゃ楽しくない?って。
たとえば科学の進歩。今当たり前になってるスマホだって、ポケベルの時代には絶対想像できなかったと思いますし、そういうふうに、今後またなにか、今は想像もできないようなものが現れるのを見れるっていうのがすごいなって。
だから私、バリバリ100年生きたいし、ていうか、もし平均寿命が延びてなかったとしても、たぶんめっちゃ生きるだろうな自分、って思ってるんですよね。笑
この本、オリジナル版は400ページもある翻訳書でちょっと難しいんですが、最近出たまんが版はすごく読みやすいんです! 物語仕立てになってて、まんがの間に簡単な要約ページも入ってるので、スッと頭に入ってきます。ビジネス書を読み慣れてない方にもおすすめです!
物語の主人公は、就活中の大学生の美咲ちゃん。「将来どうしたらいいんだろう」って悩んでるとき、留学生のエルザに出会って、“人生100年時代の新しい生き方”というのを教わるんです。でもやっぱり、従来どおりの価値観に沿って大手企業にいくべきかな、とも迷ったりして。
美咲ちゃんのお兄ちゃんもいい会社入ってたのが急に左遷されちゃったり、お父さんも大企業でバリバリやってたけど、役職定年で閑職になりそうだったり……すごくありえそうな状況じゃないですか? ほとんどの人が、登場人物の誰かに何かしらあてはまるんじゃないかな。
私も今28歳なんですけど、大学生の弟がいて、「大手に行くかベンチャーに行くか」って悩んでたし、ちょうど父親も役職定年とかの話が出てる時期で、すごくタイムリーな話で。とくに団塊世代の方とか、「ずっと同じ会社に務めていてそろそろ定年」っていう方が多いと思うので、きっとすごく共感すると思うんですね。
→NEXT:3つのステージ変化と3つの選択肢の登場
この本は、そういう“100年時代の生き方・働き方”についての話が描かれてます。
たとえば、寿命が伸びるとなると、今までは「教育→仕事→引退」っていう3ステージだったのが、「仕事」の期間が長くなって、働き方の選択肢が多様化していくと。
その選択肢っていうのが、「エクスプローラー」「インディペンデント・プロデューサー」「ポートフォリオ・ワーカー」の3つ。
「エクスプローラー」は“探求者”って意味で、世界を回ってみたり、自分探しをして、これからなにをやっていくか探索するんです。今までは10代20代とか若いうちにやることだったと思うんですけど、今後は40代とか、なんなら仕事を引退して70ぐらいになってまた探索するっていうのもありえるんです。すっごいワクワクしません? 自分探しって青春って感じがするし、「青春が何回もある」みたいな。笑
「インディペンデント・プロデューサー」は、組織に雇われずに自分で事業を生み出す人のこと。つまり独立・起業ですよね。特に今はアプリとかウェブサービスとかがあって、自宅で1人で起業して、次々に事業をつくるような人が結構いますよね。
最後の「ポートフォリオ・ワーカー」は、異なる種類の活動を同時に行う人のこと。1つの組織だけじゃなくて、こっちで働きつつこっちでも働く……みたいな。これは、2つ以上の専門領域をもってると強いんですよね。“胸とお尻の二刀流”……じゃないですけど。笑
私の場合、この3つの中で言うと今はエクスプローラーか、ポートフォリオ・ワーカーに近いかもしれない。たぶん、私みたいな芸能の仕事って、割ともともとこういう選択肢をもってるんですよね。というのも、「掛け算すると独自性が出てキャラが立つ」っていうのがあるから、常にいろいろチャレンジすることが必要なんですよ。
たとえばグラドルなんだけど麻雀勉強して強くなったら、「グラビア×雀士」って一気にキャラが立って、活動の幅も広がるんです。まあ麻雀は好きだからやってるところが大きいんですけど。笑
でも、そういう基盤ができてない状態でいきなり「100年生きろ」「働き方を変えろ」ってなっちゃうと大変かもしれないですよね。
ただ、本来はこっちの選択肢のある働き方のほうが、楽しい人生なんじゃないかと思います。今までは「教育→仕事→引退」の3ステップがあって、みんながそれを歩まなきゃいけないみたいな風潮になってて、そういう親たちの姿を見て当たり前になってるからシフトしにくいだけであって。だから、これから生まれてくる世代はもっとすんなり移行できて、より楽しい人生を送れる世界になってるんじゃないかって思いました。
あともう一つ大事なポイントが、「無形資産」。100年時代を生き抜くにはもちろんお金とかの「有形資産」が必要ですけど、それとは別に、人とのつながりとか、目に見えない資産をもつことがすごく重要になってくるんですね。
無形資産も3つあって、1つは「生産性資産」。65歳以降も働くのが当たり前っていう社会において、自分にどれだけ需要があるかってことですね。スキルとか知識とか評判とか。
これ、意外にも「仲間」、人とのつながりがすごい大切になってくるらしいんですけど、本当に納得ですね。第2回でも書きましたけど、私、親友20〜30人を目指してるぐらいなので。笑
友だち多いとしあわせだよ〜みんな〜。笑
あと2つめが、「活力資産」。これは心と体の活力、つまり健康です。
これを読んで思いだしたことがあって。以前お笑いコンビの「たんぽぽ」の川村さん、めちゃくちゃ売れてて忙しいと思うんですけど、お会いする機会があって、「川村さんって何が一番大切だと思いますか?」って聞いたら、「体力!」って答えたんですよ。体力なかったら動くのもめんどくさいし、モチベーションもわかない、だから体力は本当に何をするのにも一番大切なんだよって。これが改めてすごく身に染みましたね。
最後は「変身資産」っていうのがありまして。人生の途中で新しい働き方とか生き方に移行するのに、抵抗感とか障害とかもあると思うんですけど、それを乗り越える意思と能力のことですね。
これはさっき出てきた「エクスプローラー」もそうだと思うんですが、しっかり自分探しをして、自分自身を理解することが大事らしいです。やりたいことって状況によって変わったりするし、世間の声や社会的評価に惑わされることもあると思いますけど、ちゃんと自分を理解して軸を持っていれば、向いてることや本当にやりたいことに向かっていけますよね。
思うんですけど、無形資産って、「100年時代」って言われる前から重要なことですよね。それがこうして言葉になって、これからもっと時代に応じて必要になってくるって話だと思うんですけど。それに、仲間とか活力とかの重要性も、仕事に限った話じゃないですし。
無形資産は、”幸せな人生”を送るための必要条件なんだと思います!!
→NEXT:起業家、おばあちゃんグラビア、宇宙飛行士…無限の可能性!
私、3つの無形資産の中では、変身資産を一番強化しないとかなって思います。
基本的に何でも「やりたい!」と思ったらすぐやるスタンスではあるんですけど……自分自身への理解って、ふとしたときに、「あ、自分のことわかってたようでわかってなかったな」って思うことがありませんか。
「自分はこういう人間だと思ってたけど、意外とこういう面も持ってたんだ」って。だからこれは一生の課題な気がします。自分と向き合うってことを頻繁にしていかないと、知らない間にぶれちゃってたりとか、知らない自分がいたりとか、結構あるのかなって。
「絶対自分は将来これしかやらないんだ!」って思ってても、途中で方向転換が必要になったり、気づいたら違う方向に行ってたりとか、全然あると思う。
むしろ100年も人生があったらそれが自然ですよね。そして、「本当はこれをやりたいと思ってるんだけど、仕方なくずっとこの会社にいる」みたいな生き方が、これからの時代は淘汰されるかもしれない。「自分の方向が変わってきた」って思ったら、敏感に察知してそっちの道に行けるように準備するとか、そういうことが必要になりそうですよね。
そうやってスムーズに方向転換するには……「意識すること」が大切なのかなと思ってます。
私もやっぱり、新しいものに対する抵抗が全くないかって言われたらそんなことないんです。ちょっと苦手だな、怖いな、不安だな、とか思うことは普通にあります。
だから、それをひっくるめて、第3者視点で意識する。「自分はこういうのが苦手なんだな-、でもこっちのほうがプラスだからやろう」って強く意識して動くことで、新しいことに対する抵抗をなくしていけるかなと。
要は、変わることの重要性をどれくらい強く意識できるかってことだと思うんです。
私もこれから、もしかしたら起業とかするかもしれないです。10年後とか20年後に。笑
別に具体的にどうというわけじゃないですが、いろんな人と出会ったり、こういう本を読んだりする中で、割と想像の中に浮かんでくることがあるので。人ってまったくありえない、脳内をかすめもしないことを想像したりはできないじゃないですか。だから可能性としてはゼロじゃないかなって。
100年時代では「年齢とライフステージが一致しなくなる」っていう話もあるんですけど、本当にこれから年齢とか最初の職業とか関係なくて、何にでもなる可能性があるんですよね。技術とか医療とかだって進歩するし。たとえばグラドルも引退とかなくなって、「おばあちゃんのグラビア」とかもあるかもしれないし。笑
あとグラビア以外でなんでもあり得るとしたら……私、宇宙飛行士になってみたかったんですよ。大人になって『宇宙兄弟』を読んでから、「あー、別の人生だったら宇宙飛行士になりたかったな」って思ったんですけど。笑
今から目指すのは無理だろうけど……この本の言うことにはわからないですよね、もっと簡単に宇宙飛行士になれる時代が来るかもしれないし。あと、ZOZO TOWNの前澤社長じゃないですけど、ものすごいお金持ちになったら宇宙旅行には行けるかもしれないし。
前澤社長は同行者にアーティストを誘ってるから、現代美術家になって行くのもありかな。せっかく芸術学部出てるので。笑
私が大学で専攻してたのは音楽なんですけど、美術とか映像とか放送とか、他の学科の人たちとも交流があったので、そういう人たちとコラボして。
それこそ彫刻とグラビアとかってコラボしやすそうですよね。私、大学の同級生に“彫りたい体型”って言われたことあるんですよ。笑 実際にグラドルの等身大のフィギュアみたいなのもありますよね。
あと今パッと思い浮かんだのが、白塗りの石膏像あるじゃないですか、あれのグラビアバージョン。笑 裸の彫刻に水着を着せて飾る。「触らないでください」って描いとく。笑
グラドル×現代美術家で、作品と一緒に表紙とか飾りたい。笑
なんかすっごい夢が膨らんできましたけど……全部夢物語で終わるかというとそうでもないのが今の時代。なんたって100年もありますからね! 私、鈴木ふみ奈はまだまだいろんな夢を追い続けますよ!!
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