アパート経営を始めようとしたとき、経費がどれくらいかかるのか、イメージが湧きづらい方がいるかもしれません。
そこでこの記事では、アパートの経営に必要な経費、そして経費に計上できるものや計上できないものの具体例を紹介します。
アパート経営を始めるための経費はどれくらい?
アパート経営をしていくのであれば、黒字経営を目指したいところですが、そのためには単純に家賃収入だけでなく、そこから引かれる経費も把握しておきましょう。
経費は大きく分類すると、初期費用と維持にかかる費用に分けることができます。
必要な経費がどの程度かかるのか理解しておくことで、アパート経営を始める前の事業計画の足がかりにもなります。
初期費用
初期費用を考えるうえで、取得に必要な費用、不動産取得税、その他の必要な費用の3つに分けることで把握しやすくなります。
アパート経営をするうえでは、アパートを取得した際に取得費用が発生し、そこには税金がかかります。
他にも取得時または取得後に支払う必要がある費用があり、それらも合わせて初期費用となります。
では、初期費用が具体的にどれくらいかかるのか、それぞれの費用を見てみましょう。
取得費用
経営するアパートを得るための取得費用は、アパートの規模や建築する場所、工法によって金額が異なります。
そのため、事業計画を立てるためにもおよその金額を出しておく必要があります。
およその取得費用を算出するには、次の計算式を使用します。
坪単価はアパートの工法によって変化し、木造2~3階建ては1坪当たり約40~70万円、鉄骨造2~3階建ては約80~110万円、鉄筋コンクリートは約90~120万円です。
なお、自身でアパートを建築して取得するのであれば、建物だけでなく駐車場の設置や門、タイル敷、フェンスなどさまざまな費用が追加でかかります。
この工事費用は、建物本体の工事費用の15~20%ほどにあたると考えておきましょう。
不動産取得税
不動産取得税は、土地や建物にかかる税金です。税金は取得したときにかかりますが、請求は購入から1年半後に発生するので注意しましょう。
不動産取得税は、各市町村が固定資産課税台帳を用いて管理しており、次の計算式を用いて算出されます。
算出されたときの正確な評価額が必要になりますが、土地の価格は不動産の時価の70%程度、建物は時価の50〜60%程度が目安と覚えておくと良いでしょう。
なお、計算式で用いる税率は、2021年3月31日までは軽減措置によって3%とされていましたが、現在は標準税率の4%に戻されているため注意しましょう。
その他必要費用
その他の必要費用として挙がるのが、印紙税や登記費用、アパートローンの手数料、保険各種の支払いなどです。
まずは印紙税ですが、これはアパートの契約金額によって変わります。例えば、100万以上500万円以下であれば1,000円、1,000万円以上5,000万円以下なら1万円と定められています。
なお、1万円以上の印紙の購入には事前の予約が必要な場合もあります。
登記費用は購入したアパートの金額に応じて変化しますが、例えば5,000万円のアパートを購入したのであれば、40~70万円ほどかかります。
他にも、アパートローンの手数料が借入額の約1~3%、火災保険や地震保険などの保険料が10年契約で約40~60万円かかると見込んでおくと良いでしょう。
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アパート経営には経費として維持費用もかかる
アパートの経営には初期費用だけでなく、維持費用もかかります。
また、維持費用も毎月発生するものと、随時発生するものに分けることができます。
それぞれどのようなものが項目に挙がるのか、そして目安としてどれくらいかかるのか見てみましょう。
毎月かかる費用
まずは、毎月かかる費用です。アパート取得時にローンを組んでいればその返済額が毎月かかります。
そしてアパートを経営していくうえで、共用部分の電気代や水道代などの光熱費も発生します。これは毎月1~2万円程度かかるものとして見ておきましょう。
また、火災保険や地震保険などを契約している場合は保険料が毎月かかります。
契約は短くて1年、長くて10年までできますが、年単位で契約してまとめて保険料を支払うことで節約することもできます。
アパートの経営は、定期清掃やメンテナンス、新規契約や契約更新の手続きなどを行う必要があるため、これらを管理委託会社に委託している方が多いです。
この場合、管理費用が発生しますが、管理費用は一般的に家賃の5%程度となっています。
また、アパートを経営していると修繕が必要になることがあります。状態によっては高額になることもあるので、修繕積立費を積み立てておく場合は、毎月家賃の5%を目安に充てる必要があります。
随時かかる費用
修繕積立費の積み立てをしないのであれば、修繕費は随時発生する費用として扱われます。
小規模な修繕であれば1万円程度で済むこともありますが、建物や設備で大規模な修繕が必要となる場合は、100万円程度と見込んでおく必要があります。
また、退去者がいると、水まわりのメンテナンスやカーペット、壁紙の貼り替えなどにリフォーム費用がかかります。
入居者の募集は不動産会社などを通すことになりますが、入居者を紹介してくれた不動産業者には家賃の半月~1ヶ月分を仲介手数料として支払うので、こちらも随時かかる経費として見ておきましょう。
アパート経営の経費として計上できるものとできないものは?
ここまでアパート経営の初期費用や維持費用を紹介しましたが、これらは経費として計上できるものがほとんどです。
経費の計上は税金対策としても必要であり、どの費用が経費として落とせるのか把握しておく必要があります。
経費として計上できるもの
基本的には、アパート経営に関係ある費用が対象になるととらえておきましょう。
なお、家賃収入が発生すれば所得という扱いになり、所得税を支払うことになるため、確定申告をする必要があります。
確定申告では、経費を計上することで節税効果が期待できますが、その際に経費でいくら使ったのか計算する必要があります。
紹介してきた費用は事業計画を立てるためだけでなく、確定申告でも用いられることを覚えておきましょう。
経費として計上できないもの
一方で、一部は経費として計上できないものあります。
例えばアパートローンは、元本部分の支払いに対しては経費計上できません。つまり、経費として扱えるのは利息部分の支払いのみになるのです。
また固定資産税や不動産取得税、印紙税は経費計上できますが、所得税は不動産に関係ない税金になるため、経費として計上することはできません。
毎月修繕積立費を支払っている場合は、修繕積立費自体は計上できますが、計上するタイミングに注意が必要です。
例えば毎月3万円を修繕積立費として支払っていても、3万円自体を経費計上できるわけではありません。あくまで経費として落とせるのは、修繕が行われ修繕費を支払ったタイミングになります。
もし1年間で修繕がなかった場合は、その年に経費の計上は行えないことを理解しておきましょう。
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アパート経営をするなら経費をしっかり管理しよう
本格的にアパート経営を考えているのであれば、家賃収入のシミュレーションだけでなく、経費がいくらかかるのかもしっかりと考えておく必要があります。
収入から経費などの支出を引いたものが手取りとして得られる所得となるため、こまめに支出の計算や管理が必要となることを覚えておきましょう。
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