株式会社NTTドコモ R&Dイノベーション本部 サービスイノベーション部 クラウドソリューション担当 担当課長 和田 充史 氏
docomo R&D OPEN LAB ODAIBAのエントランス
フロアからはレインボーブリッジ、都心のビル群も望める
BRIDGEエリアの大型LEDディスプレイ。取材時には、リアルタイムにレインボーブリッジ方面の映像を映していた
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/383615/LL_img_383615_1.png
株式会社NTTドコモ R&Dイノベーション本部 サービスイノベーション部 クラウドソリューション担当 担当課長 和田 充史 氏
■使用料完全無料!NTTドコモ運営の開発者向け最先端ラボ
日々目まぐるしくビジネス環境が変わり続ける現代。一企業のみで競争優位性を保つことは難しくなっています。そうした中で、生き残りのための戦略を見出す手段のひとつが「共創」です。2023年6月8日、NTTドコモは開発者を対象に共創を行うコラボレーションスペースとして「docomo R&D OPEN LAB ODAIBA」をオープンしました。多様な開発者たちが集って刺激し合い、DXの成功に必要なアイデア、課題なども共有できる場として順調に利用者数が伸びているとのこと。特徴、強みなどを株式会社NTTドコモ R&Dイノベーション本部 和田 充史 氏に取材しました。
■2路線使える好アクセスの東京臨海副都心に立地
まずはオープンの経緯について伺いました。
「2019年くらいから当社のクラウド関連商材や、5Gのソリューションなどをテーマに、社外に会場を借りて外部有識者と議論を行っていたのですが、2020年春以降のコロナ禍でそれが困難に。人が集まることが極端に制限されてしまった一方で、将来を見据えて都内に自前で社外の方を集めてイベントを開いたり、コワーキングしたりする場所があると良いのではとの話が持ち上がりました。そこで2021年ごろに本ラボ立ち上げプロジェクトが始動しました。ただ、21年当時は世界的な半導体不足の影響から5Gの基地局設置が遅れていたこともあって、オープンは2023年6月になりました。」
ラボが入るビルが立つのは「東京臨海副都心」と呼ばれる東京都港区台場。もともとNTTドコモが青海のテレコムセンタービルで事業を展開していた地縁のある場所です。アクセスは新交通ゆりかもめ・お台場海浜公園駅徒歩1分、りんかい線・東京テレポート駅徒歩3分。都心部からの移動も容易です。
「社外の人はもちろんですが、当社の本社がある溜池山王からのアクセスが良いことも、台場を選んだ大きな要因です。当ラボでは社外の開発者と当社の開発者が出合い、ネットワークを拡大したり、知見を共有したりすることも大きな目的となっているからです。2023年11月半ば時点で、延べ約3,200人ほどが当ラボを訪れており、イベントや勉強会を通じて、少しずつ新たなプロジェクトの芽も出てきています。」
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BRIDGEエリアの大型LEDディスプレイ。取材時には、リアルタイムにレインボーブリッジ方面の映像を映していた
■大型LEDディスプレイなど設備充実。“手ぶら”でイベント開催も
続いて、企業や自治体などによる共創ラボが徐々に増えている中、他とどのように差別化しているかを聞きました。NTTドコモによる運営ならではの長所は、やはり、最先端の設備が導入されていることだと和田氏は話します。
「最新のドコモのネットワーク設備や次世代の光ネットワーク装置、全8つの技術(5G/6G、IOWN、XR、AI、MEC、IoT、Web3、Robotics)をメインの領域として開発者向けに提供しています。」
しかも施設使用料は「無料」とのこと。
「できるだけ多様な考えやアイデア、目標を持つ開発者に来ていただきたいとの思いから、使用料を無料としています。専用のWebサイトから会員登録することでどなたでも入館証が取得できます。また、イベントや勉強会なども無料で開催できます。」
一般開放しているエリアは3ヵ所に分かれています。
「1つ目は、非常に高精細の映像が出力できる横8m×幅2.2mの大型LEDディスプレイがあるBRIDGEエリア。120名ほど入ることができ、大規模なイベント、コワーキングなどに対応します。近々、LEDディスプレイを活用して、バーチャル空間にいる人とリアルの空間にいる人がどのようなコミュニケーションを取れるか実験したり、Vチューバーを等身大のサイズでディスプレイに写してライブをしたり、といったイベントを開けないかを検討しています。2つ目は、BRIDGEの隣のFORESTエリア。普段は7つの会議スペースに分かれており、クローズドに使えるのですが、最大4つの会議スペースをつないで50名ほどのイベントスペースとして利用することも可能です。そして3つ目のPARKエリアは、スクール形式で40名規模のイベント等を開くことができます。
個別に区切られた作業スペースと、靴を脱いでくつろげる小上がりも設置しています。」
イベントは、Web配信やハイブリッド配信、YouTubeライブ配信などもできるため、オンラインでの閲覧も可能だそうです。
「もちろんミキサーやマイクも完備しています。当ラボのオープン以来、ハウリングを起こさないようにマイクやスピーカーの位置を調整するなど、当社社員がトライ&エラーをしながら理想的なイベントの開催環境をつくりあげてきました。ですので、ご自分のPC以外のデバイスは一切持たず、ほぼ手ぶらでイベントを開くことができます。また、どこからでも電源供給できるように2mおきに床下電源を設置し、天井に専用のレールを走らせました。館内のいろいろな場所でカメラの設置や実験ができるとあって好評です。加えて、多くの実験やイベントが同時に開催できるように契約電力を上げて、十分な電源も確保しています。」
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2023年8月26日に行われたイベント「Open Developers Conference2023」の様子。開発者とインフラエンジニアの交流の場として、「DevOps」「開発」「開発者」をキーワードに最新情報の交換が行われた
■まずは一緒に楽しみながら、皆で良い方向を目指したい
最後に、本ラボに興味を持つ方へのメッセージをいただきました。
「当ラボでの活動によって短期間に新規ビジネスを創出するというよりは、まず一緒に楽しみながらつくる、ブラッシュアップしながら技術力を高めるなど、皆で良い方向に向かっていくスペースになればと考えています。いらっしゃった開発者の皆さんには、率直にNTTドコモの課題感を話したり、逆に皆さんが抱える課題感もお話しいただいたりして情報を共有し、新たな技術開発につなげて、日本が世界のデジタル競争力において遅れをとっている現状打破につなげられればと思います。」
なお、当ラボがあるフロアには、先述した3エリアのほかにPROJECTエリアという場所もございます。社外パートナー様を含め長期間の実証実験などに取り組めるスペースとして利用いただければ、との思いもあるそうです。
「docomo R&D OPEN LAB ODAIBAは、イベントはもちろん、勉強会、ミートアップ、ハッカソンなど、社内外の多くの開発者が集い、刺激し合いながら技術開発に取り組めるコラボレーションスペースです。当ラボHPのEventsで興味のある催しがあればご参加いただく、あるいは、ご自身のイベント開催の場として利用いただくなど、ぜひ積極的にご活用ください。」
【施設概要】
施設名 : docomo R&D OPEN LAB ODAIBA
所在地 : 東京都港区台場2-3-2 台場フロンティアビル12階
施設管理・運営: 株式会社NTTドコモ
設立 : 2023年(令和5年)6月
支援内容 : イベント・ワーキングスペースなどの
コラボレーションスペースの無償提供や
5Gなどの最新設備・セキュリティを確保した形での
プロジェクトルームの貸出
ホームページ : https://docomo-openlab.jp/