自由落下式光学選別機TOMRA 5C(BSI技術)
Virto社の選別ライン TOMRA BSI技術
チョウセンアサガオ
イヌホオズキ
有毒なチョウセンアサガオやイヌホオズキといった雑草は、インゲンやベビーリーフ、ホウレンソウなどの作物と一緒に収穫されることが多く、最終製品に混入する危険性があります。
加工ラインにおける食品の安全性に対する脅威の中でも、有毒雑草の混入は最も対処が難しいものの一つです。緑黄色野菜の色に似ている有毒のチョウセンアサガオやイヌホオズキが、特にインゲン豆やベビーリーフ、ホウレンソウといった緑黄色野菜に混ざっていると発見が困難で、インゲン豆が冷凍用に湯通しされた後やホウレンソウがカットされた後では、チョウセンアサガオを発見して排除するのはさらに難しくなります。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/368119/LL_img_368119_1.jpg
自由落下式光学選別機TOMRA 5C(BSI技術)
異物混入対策は加工業者にとって常に課題でしたが、現在では農法の変化により、より広範囲に及んでいます。有機栽培作物に対する需要の高まりを受け、2030年にかけてオーガニック食品の世界的な販売額は年平均10-13%増加すると予想され、加えて農薬の使用制限が強化された結果、雑草が蔓延するようになり、生鮮野菜や冷凍野菜に混じって有毒な雑草がさらに増えることが見込まれます。
消費者が食品に有毒な異物が含まれていることに気づけば、大手ブランドは高額な賠償請求や、さらにコストのかかる風評被害に直面する可能性があり、小売業者は、食品加工業者がこうしたリスクを排除するために必要なあらゆる手段を講じることを期待しています。
■有毒な雑草の種類
イヌホオズキの実は小さな緑色の玉のような形をしていますが、時間の経過とともに黒く変色し、最終的にはブルーベリーのようになります。緑色のイヌホオズキと緑色の青果物にはほとんど識別できる色の違いがないため、色彩選別機で検出するのは難しく、イヌホオズキがインゲン豆やベビーリーフのホウレンソウと一緒に加工ラインで裁断される場合、形状で区別することも難しくなります。
チョウセンアサガオも小さくてボール状ですが、時間が経っても緑色のままで小さなトゲがたくさんあります。緑黄色野菜に混じっていると色彩選別機から見えないだけでなく、インゲン豆と一緒に湯通しするとトゲがなくなるため、この雑草を形状で識別するのは非常に難しいのです。
葉物野菜の生産ラインにとってこういった課題が山積しており、色や形によって有毒な雑草を選別するだけでは必ずしも十分ではなく、多くの場合、生物学的特徴に従って生産ラインを通過する対象物を選別する必要性があります。
■選別機が解決すること
トムラ・フードは、画期的な技術を導入し、野菜や果物からの有毒雑草の検出に革命をもたらし、他の食品カテゴリーにも比類のない選別能力をもたらしています。食品業界向け光学選別・等級付けソリューションの業界リーダーとして、トムラは、急速冷凍野菜、フレッシュパック、フレッシュカット、缶詰など、あらゆる種類の野菜製品に非常に効果的な選別ソリューションを提供しています。
光学選別機の主な目的は食品の安全性を守り、安定した製品品質を提供することですが、その他にも多くの利点があります。最高の選別機は、仕様に沿った等級分け、除去効率の向上、不合格品の最少化、手作業の必要性の削減、労働力不足の問題の解決、ラインのダウンタイムの削減、選別された製品に関する貴重なデータの提供などを実現します。その結果、食品廃棄が削減され、歩留まりと利益率が向上します。
ベルト式光学選別機TOMRA 5Bと自由落下式光学選別機TOMRA 5Cの2機種が有毒雑草の検出と排除に最適です。製品がスライスまたはブランチングされる前にまずTOMRA 5Bを使用し、その後、バイオメトリックシグネチャー識別(BSI)技術を搭載したTOMRA 5Cで、急速冷凍トンネルとパッキングステーション間の最終チェックを行います。
■生鮮野菜の選別に長けたTOMRA 5B
TOMRA 5Bは、生鮮野菜に混じっているチョウセンアサガオやイヌホオズキなどの雑草を検出し、排除することができるハイエンドのベルト式光学選別機です。360度サラウンドビューカメラ技術と1台以上のレーザー、高度な形状アルゴリズムを組み合わせ、色選別、カメラで形状選別、レーザーで構造選別を行います。最大99%の異物を検出し、大量生産フローにおける極めて小さな個体不良のターゲット識別に最適です。
重要な選別情報とリアルタイムのプロセスデータを表示するTOMRA 5Bの直感的なタッチスクリーンは、オペレーターが作業しやすいインターフェースとなっています。これは、オペレーターが常にコントロールでき、仕分けを素早く最適化できるように、いつでも迅速な調整ができることを意味します。また、機械の表面にクリーニングが必要なものがあれば、選別前にオペレーターに自動的に知らせるヘルスチェック機能も、ユーザーから高く評価されています。これにより、カメラやレーザーと製品ストリームの間にあるウィンドウに汚れが付着することによるライン中断のリスクを低減することができます。
TOMRA 5Bは、インゲン豆やベビーリーフ、ホウレンソウの選別に最適なだけでなく、エンドウ豆、ニンジン、ホウレンソウ、トウモロコシ、パプリカ、フレッシュ・カット・ベビーリーフ、レタス、ミックス・レタス、ジャガイモ、フライドポテト、ポテトチップス、特殊ポテト製品など、さまざまな製品にも使用できます。
農場で採れた新鮮な野菜や果物の缶詰を提供する米国の大手企業McCall Farms社は、生豆の選別用にTOMRA 5Bを使用している多くの企業の一社です。トムラ以外の低価格帯の選別機を使用していたときは、グレードA製品用の生豆に欠陥が多発し、TOMRA 5Bに切り替えると、すべてが変わりました。
McCall Farms社のアマンダ・サリスベリー(Amanda Salisbury)保全部長は、「すべての不良品に対して99%の除去率という、トムラの選別機の優れた性能には驚かされ、期待以上の大幅な品質向上を達成することができました。今では、希望する生産速度を維持しながら、一貫して高品質の製品を生産でき、わずか4年で16倍もの生産量の増加を果たしています。」と述べました。
■冷凍野菜選別用 自由落下式光学選別機TOMRA 5C(BSI技術)
TOMRA 5Cは、冷凍野菜に含まれるチョウセンアサガオやイヌホオズキを、スライスで雑草が細かくなった後や、ブランチングでイヌホオズキのトゲがなくなった後でも検出・除去できる優れた光学選別機であり、最小限の歩留りロス率で選別作業を実施します。業界を牽引するセンサーと高解像度レーザーに、トムラ独自の生体署名識別(BSIおよびBSI+)技術、AI学習機能、ビッグデータ解析を組み合わせることで、比類のない選別精度を実現しています。
BSIでは、処理ラインを通過するすべての物体が、色、形状、生物学的特性について評価されます。次世代分光イメージングで素材を観察し、「見た」ものをデータベースに保存された情報と比較することで、BSIは素材の良し悪しを明確に対比し、従来の分光技術よりも小さな欠陥を検出することが可能です。
AI学習機能により、TOMRA 5Cは欠陥検出の精度を継続的に向上させます。またワンクリック・ボタンを含む欠陥分類ソフトウェアが強化され、以前はサービスエンジニアによってのみ達成可能であった高いレベルで、オペレーターが新しい選別プログラムを設定することができます。
また、TOMRA 5CをカスタマーポータルおよびクラウドベースのデータプラットフォームTOMRA Insightに接続することで、ビッグデータ分析が可能になります。選別機からのライブデータにアクセスすることで、オペレーターはライン効率を簡単に改善でき、また過去にさかのぼってデータにアクセスすることで、サプライヤーからの原材料の規格を定量化し、より良い情報に基づいたビジネス上の意思決定、コンサルティングを行うことができます。
BSI+技術の最大のユーザーのひとつは、冷凍野菜の大手メーカーで、10カ国に15の専門センターを持つVirtoグループです。Virto社は最近スペインの主要工場を更新し、11台のBSI+搭載ソーターを導入し、5つのシングル生産ラインと3つのダブル生産ラインに設置されています。
Virtoグループのテクニカル・マネージャー、ホセ・アントニオ・バルデロ(Jose Antonio Baldero)氏は、「私たちの主な目的は、顧客にさらに優れた製品品質を提供できるよう、異物選別の新技術を飛躍的に進歩させることでした。私たちがトムラのBSI+を選んだのは、競合他社の技術よりも進んでいると判断したからです。これは異物検出だけでなく、トムラの技術によって、他の製品仕様にも導入し拡大することができました。」と述べました。
Virto社で選別を担当するフランシスコ・カサス(Francisco Casas)氏によると、同社はBSI+テクノロジーの高性能、設定しやすいプログラム、低い不良率にすぐに感心し、「当社の新しいトムラ・ユニットによって以前は複雑だったことができるようになりました。」と述べました。
トムラの光学式選別機は、不可能を可能にし、複雑なことを簡単にします。また、緑黄色野菜から有毒な雑草をこれまでにない効果で除去することで、業界最高の選別機は食品の安全性やブランドの評判に関する心配も取り除きます。
■トムラソーティング株式会社について
トムラソーティング株式会社(本社:埼玉県さいたま市、代表取締役:河口 昌伸)は、光学式選別装置で世界シェア75%を誇るトムラシステムズASA(本社:ノルウェー・アスケル)の日本法人です。
限られた資源のなかでの循環経済の実現にむけ、リサイクルおよび食品業界において、光学選別ソリューションを提供しています。
ウェブサイト: https://www.tomra.com/ja-jp
■フード事業部(TOMRA Food)について
フード事業部は、世界の食糧生産に変革をもたらすべく、あらゆる資源を大切にしながら、最高基準の食品の安全性を確保し、食品ロスの最小化を図るため、センサー式選別機と収穫後の統合ソリューションを設計、製造しています。これまで、菓子、果物、ドライフルーツ、穀物・種子、ジャガイモ、プロテイン、ナッツ、野菜などを扱う、世界中の食品生産者、包装業者、加工業者に12,800台以上のユニットを提供しています。我々のソリューションは、農作物の高精度な等級付け、選別、皮むき、分析技術が含まれ、お客様の収益性、生産性向上に寄与し、安全な食品供給に貢献します。フード事業部は、米国、欧州、南米、アジア、アフリカ、オーストラリア、ニュージーランドに地域統括オフィスや製造拠点を有しています。
TOMRA Foodは1972年に使用済み飲料容器を自動回収する飲料容器自動回収機(RVM)の設計、製造、販売から事業を開始したTOMRAグループの一部門です。グループは、Food以外にもTOMRAリサイクリング、TOMRAマイニング(鉱物)、TOMRAコレクションで構成され、地球上の限りある資源の入手、利用、再利用の方法を変革し、廃棄物のない世界を実現する資源革命を牽引しています。
トムラは、世界80以上の市場で約10万台の設置実績を持ち、2021年の総収益は約109億ノルウェークローネにのぼります。グループ全体で約4,600人の従業員を擁し、オスロ証券取引所に上場しています。本社はノルウェーのアスケルにあります。
ウェブサイト: https://www.tomra.com