「CBCollege」とは
高齢者向けの住まいの整備状況
ランチョンセミナーの様子(右:狭間 研至 氏、左:CBリサーチ 鎮目 努)
2023年7月17日(月・祝)のランチョンセミナーでは、CBコンサルティング代表取締役・藤本 進より「薬局経営におけるリスキリング」、さらにグループ会社で医療・介護・福祉業界の地域包括ケアシステム構築支援を行う株式会社CBリサーチ(本社:東京都港区、以下 CBリサーチ)代表取締役・鎮目 努より「薬局を中心とした地域包括ケアシステムの実現」をテーマとする2つの講演と、一般社団法人日本在宅薬学会理事長・狭間 研至 氏を交えたトークセッションが行われました。
■ランチョンセミナー概要
講演:「薬局経営におけるリスキリング」
座長:狭間 研至 氏(一般社団法人日本在宅薬学会 理事長)
演者:藤本 進 (CBコンサルティング 代表取締役)
薬局経営の難易度は、近年ますます高まっています。本講演では、その背景として挙げられる(1) 薬局が対応すべき内容の広範囲化(2) 課題の複雑化・複合化(3) 不確実性や多義性、の3点について、薬局調剤1件あたりの点数推移や地域支援体制加算※1の経過措置終了後の算定割合減少、業界再編の動向などのデータを例に、藤本 進より解説され、さらに狭間 研至 氏との意見交換がなされました。
狭間 研至 氏は、薬局の従前のビジネスモデルが「指示書(処方箋)を受けて、部品(薬)を取りそろえて、製造(調剤)する」という非常にシンプルなものであったことに触れるとともに、これからの薬局業界で生き残るためには、多岐にわたり、かつ未知なるテーマについて徹底的に「考える」ことが重要とコメントしました。
一方で「考える」ことに慣れている薬局経営者は少なく、また、広域で複雑な課題を単独で解決するのは困難であると指摘しました。
CBコンサルティングでは、このような薬局が抱える課題に対し、マーケティングや経営戦略、DXなどについてインプットとアウトプットで学びを深めるe-leaning「CBCollege※2」を提供しており、本公演で、アンバサダーとしてシステムおよびコンテンツの質の向上に協力する薬局の募集も発表されました。
※1.2018年の調剤報酬改定より新設された、地域医療に貢献する薬局を評価するための加算。
※2.下記図を参照。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/363345/LL_img_363345_1.png
「CBCollege」とは
講演:「薬局を中心とした地域包括ケアシステムの実現」
座長:狭間 研至 氏(一般社団法人日本在宅薬学会 理事長)
演者:鎮目 努 (CBリサーチ 代表取締役)
厚生労働省が推進する地域包括ケアシステム※3の中心は「住まい」です。本公演では、高齢者層が安心して安全に暮らせる住宅環境が不足していること、さらに、薬局が住宅事業に携わることで地域包括ケアシステムの本質的な実現に寄与することが、実在する自治体の人口動向および将来推計や高齢者世帯構成、介護認定者の推移、住まいの整備状況などのデータをもとに、鎮目 努より解説されました。
高齢者の住まいの選択肢は、主に「自宅」「ケアハウス」「サービス付き高齢者向け住宅」「特別養護老人ホーム」「有料老人ホーム」で、自立度や経済状況、家族状況などにより決定されます。鎮目 努は、一見すると網羅的に整備されているが、一方で、要介護1~2までの一般的な年金生活者層が入居できる「住まい」が不足※4しており、かつ当該層は今後も増加する見込みであることについて、問題提起をしました。
薬局が一定の自立度がある年金生活者層向けに住宅を提供することで、家賃収入や在宅患者の獲得につながるだけでなく、訪問介護やデイサービス、介護用品の取り扱い、食に関するサービスなど、事業の多角化と地域との接点拡大と関係深耕につながります。
CBリサーチでは、地域包括ケアシステムの中心となる高齢者向けの住まいと、これからの多角化経営戦略立案・実行を支援しております。
※3.2025年をめどに厚生労働省が構築を目指す、高齢者に対して住まい・医療・介護・予防・生活支援を包括的に提供するための仕組み。
※4.下記図を参照。
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/363345/LL_img_363345_2.png
高齢者向けの住まいの整備状況
■ランチョンセミナー総括
ランチョンセミナーには、薬局経営者・経営層や管理職を務める薬剤師を中心に140名程度が参加しました。
CBコンサルティングとCBリサーチが実施した参加者アンケートによると、セミナーの参加理由として回答が多かったのは「薬局業界で生き残る術を考えたかった」「薬局経営について課題を感じている」というものでした。参加者からはCBCollegeや地域包括ケアシステム構築支援に関する詳細な情報提供を希望する声もあがり、講演内容への関心の高さが窺えました。また、在宅患者獲得や在宅医療の生産性向上、薬局の成長戦略、人事制度の活用などに関する課題も聞かれました。
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/363345/LL_img_363345_3.jpg
ランチョンセミナーの様子(右:狭間 研至 氏、左:CBリサーチ 鎮目 努)
■ランチョンセミナー共催の背景
昨今の薬局業界においては、薬剤師の採用や教育、診療報酬改定や新型コロナウイルス感染症感染拡大による経営悪化などの顕在的な経営課題に加え、後継者不在や業界への将来不安などの潜在的な経営課題があります。
加えて、団塊の世代が 75 歳以上となり医療体制の逼迫が懸念される2025年問題を目前に控え、国が目指す地域包括ケアシステムの実現に向けて、薬局や薬剤師の役割にも変化が生じています。これらを背景に、今後ますます経営および機能の高度化が求められる中、従業員のみならず、経営者自らが成長することも必要不可欠です。
そこで、薬剤師や薬局従事者が情報発信・共有を行う本学会において、医療・介護・福祉業界に特化して、経営支援や地域包括ケアシステム構築支援を行うCBコンサルティング・CBリサーチより、薬局の経営や組織育成に役立つコンテンツや学習コース、さらに多角化経営戦略についてご紹介いたしました。
■講演者紹介
藤本 進(ふじもと・すすむ)
株式会社CBコンサルティング 代表取締役
1979年東京生まれ。中央大学商学部経営学科卒業後、ベンチャー企業(通信・OA機器販売会社)を経て2007年に株式会社キャリアブレイン(現 株式会社CBホールディングス)に入社。東日本統括マネージャー、営業部門教育担当を歴任。2016年には、厚生労働省委託事業「介護分野における人材確保のための雇用管理推進事業(中四国ブロック)」を受託。事務局長として、中四国ブロックの人材定着のための調査を行い、普及活動を行う。2017年に株式会社CBコンサルティング代表取締役就任。現在は、薬局M&A仲介・開業支援、経営支援などのサービスを提供している。
鎮目 努(しずめ・つとむ)
株式会社CBリサーチ 代表取締役
2005年に、歯科医院向けに経営支援事業を行う会社へ新卒で入社。営業部長、取締役を歴任し、事業拡大や新規事業の立ち上げに従事。その後、2013年に株式会社キャリアブレイン(現 株式会社CBホールディングス)に入社。関東・東北と、各地の責任者として病院や薬局を中心に採用・経営支援に従事。2022年4月よりに事業開発支援部次長を務め、2023年に株式会社CBリサーチ代表取締役就任。現在は、これまでの経験を生かし、クライアントの事業開発・企画支援、地域包括ケアシステム構築支援に従事。