ビジュアルコンセプト:ゼロエミッション船『Sea Zero』(C)VARD Design
ビジュアルコンセプト:帆を伸ばした状態のゼロエミッション船『Sea Zero』(C)VARD Design
ビジュアルコンセプト:ノルウェーのヨールンフィヨルドを航行するゼロエミッション船『Sea Zero』(C)VARD Design
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/359431/LL_img_359431_1.jpg
ビジュアルコンセプト:ゼロエミッション船『Sea Zero』(C)VARD Design
フッティルーテン・ノルウェーは、12社の海事パートナーからなるコンソーシアムおよび研究機関SINTEFと共に、排出ガスのない海上旅行の実現を目指しその成果を発表しています。エネルギー効率に優れ、カーボンニュートラルな技術ソリューションの開発を使命とするコンソーシアムは、1年目の研究成果として、主要な研究結果を共有しました。
「1年以上前に『Sea Zero』プロジェクトを発表した際、私たちは2030年にどのような技術が利用できるようになるか分からないという問題に直面しました。私たちの課題はサステナビリティを目標に掲げ、新しいイノベーションを開拓し、既存のイノベーションを強化することです。それらの技術の中には、比較的高いレベルに達したものもありますが、海運の変化する流れの中で実装するためには、まだ専門的な研究開発が必要です。その一方、依然として開発の初期段階にある技術もあり、基礎的な研究と徹底的なテストを繰り返しています。私たちは厳密なフィジビリティスタディを行い、画期的な未来のクルーズ船のために最も有望な技術を特定しました。
数年以内にエネルギー効率と持続可能性の面で他の船を凌駕する船を誕生させることをお約束します」と、フッティルーテン・ノルウェーのCEOであるヘッダ・フェリンは述べています。
ノルウェー沿岸に特化した持続可能な運航に焦点を当て、フッティルーテン・ノルウェーは海と陸の両方でゼロエミッションというポジティブな軌跡を残すため、小型のカスタムメイドの船の建造を計画しています。2030年には最初の船を完成させ、その後全船舶をゼロエミッション船とする計画です。現在、ゼロエミッション技術を採用している船は世界の0.1%に過ぎません。フッティルーテン・ノルウェーのこのプロジェクトは、クルーズ業界の持続可能性の実現と旅の未来を劇的に改善することを目標としています。
フッティルーテン・ノルウェーの未来の船は、港で充電可能なバッテリーを搭載した電気船となる予定です。60メガワット時のバッテリーソリューションと風力発電技術を組み合わせ、ソーラーパネル付き開閉式帆、人工知能操縦、逆回転プロペラ、複数の開閉式スラスターなど、現在のクルーズ船には存在しない数々の初めての改良型ソリューションを搭載する予定です。さらに空気潤滑、高機能な船体塗装、自発的な船体洗浄などの技術も搭載しています。
また、バッテリー残量は船外に表示され、船長や乗組員が操船するブリッジは飛行機のコックピットのようにAIの強化により大幅に小型化される見込みです。フッティルーテン・ノルウェーは、130年にわたりノルウェー沿岸を航行し、毎日寄港する34の港を知り尽くしています。そのため、AIを駆使してデータを収集し、各港の最も効率的な入出港方法を学習することで、悪天候や困難な状況下での港内オペレーションを改善するでしょう。
3つの格納式自立翼は1,500m2のソーラーパネルと総面積750m2の風面を有し、最大に伸ばすと50mの高さに達する予定です。
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ビジュアルコンセプト:帆を伸ばした状態のゼロエミッション船『Sea Zero』(C)VARD Design
フッティルーテン・ノルウェーは、同社初のゼロエミッション船で、お客様の快適さと壮大な眺望を追求しています。流線型のスタイルは、空気抵抗を減らしエネルギー消費を抑え乗客の快適性を向上させます。また、広々とした屋外スペースに加え、専用窓のある広い船内からは、「世界で最も美しい海岸線」と称される、比類ない景色を眺めることができます。
「非常に革新的なクルーズデザインのコンセプトを開発し、ゼロエミッション船にふさわしい最高の設計手法を研究しています。革新的な船体と推進ソリューションを備えた流線型のスタイルは、エネルギー需要を削減するだけでなく乗客の快適性も向上させます。その過程で私たちは新しい設計ツールを開発し、エネルギー効率を向上させるための新しい技術を探求しています」と、コンセプトビジュアルを手がけた設計・造船会社 VARD社のリサーチ&イノベーションマネージャー、ヘンリック・バーヴァング氏は語ります。
乗客はインタラクティブなモバイルアプリを通じて超近代的な船室の換気を操作し、自身の水やエネルギーの消費量を測定可能で、これはエネルギー消費を最小限に抑える上で重要な役割を果たすことに一役買います。
『Sea Zero』は現在2年目の次段階に入り、提案された新技術の試験を重ね、ゼロエミッション船の完成を目指してさらに開発を進めています。現在の研究開発段階では、バッテリー製造、推進技術、船体設計、エネルギー消費を極限まで抑える持続可能な実践に焦点を当てています。船の総エネルギー使用量の50%を占めるといわれる船内ホテル業務の新技術を開発することは、プロジェクトの成功に欠かせません。目標は、フッティルーテン・ノルウェーの現行船と比較して50%のエネルギー削減です。
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ビジュアルコンセプト:ノルウェーのヨールンフィヨルドを航行するゼロエミッション船『Sea Zero』(C)VARD Design
フッティルーテン・ノルウェーは、初のゼロエミッション船を目指す一方で、現在、既存の船隊において欧州海運史上最も大規模な環境改善を行っています。7隻のうち2隻はすでにバッテリーハイブリッド船にアップグレードされ、3隻目は今秋にアップグレードされる予定です。他の5隻は、CO2排出量を25%、NOx(窒素酸化物)を80%削減する様々な技術を搭載しています。2019年には姉妹会社のフッティルーテン・エクスペディションズが世界初のバッテリーハイブリッド船「MSロアール・アムンセン」を就航、エクスペディションズ部門は現在7隻の船隊のうち3隻がバッテリーハイブリッド船です。
新しいゼロエミッション船は、全長135メートル、270の客室を有し、500名の乗客と99名の乗組員を収容するモデルとなっています。フッティルーテン・ノルウェーが130年にわたりノルウェー沿岸で貨物輸送を行ってきたように、新船も相当の貨物空間を備え自動車輸送が可能となる予定です。
Sea Zeroについての詳細は、 http://Hurtigruten.com/Sea-Zero をご覧ください。
フッティルーテン・グループの詳細については、 http://Hurtigruten.com をご覧ください。
※本リリースは、ノルウェーで2023年6月7日に発表されたリリースを和訳したものです
https://press.hurtigruten.com/pressreleases/hurtigruten-norway-unveils-its-first-zero-emission-cruise-ship-worlds-most-energy-efficient-cruise-vessel-3257567