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堀場雅夫賞応募論文件数
2003年に研究者奨励を目的に創設した本賞は、今年で第19回を迎えます。年度毎に異なる対象分野から、新しい技術分野の開拓に寄与する分析・計測技術を募集しています。国内外から毎年多数の応募をいただく中から、若手研究者・技術者を表彰しています。
本賞は、科学技術を支える分析・計測技術の重要性とともに、世間で脚光を浴びにくい分析・計測技術の研究において、画期的でユニークな研究をされている研究者・技術者の功績を世に知らしめたいとの創業者のおもいを受け継いでいます。当社においても創業の精神に立ち返り、創業者のおもいを広く伝える大切な賞です。本賞の受賞が研究者・技術者の糧となり、将来の科学技術発展を担う研究者・技術者の研究活動を支える一助になればと願っています。当社の社是である「おもしろおかしく」を研究の場で実践されている研究者・技術者の積極的な応募を期待しています。
<今回の募集対象>
次世代半導体デバイスの開発に貢献する分析・計測技術
1. 次世代のパワーデバイスや光エレクトロニクスデバイスの実現に必要となる新規構造・新規材料の開発やデバイスの試作、生産プロセスおよびデバイスの実装工程の確立に寄与する分析・計測技術
2. 光電融合プロセッサや量子コンピューティングの早期実現に寄与する分析・計測技術
*分析・計測の対象は、将来の発展性が期待される化合物半導体を用いたデバイスに加え、革新的なシリコン半導体デバイスも含みます。
<応募要綱>
【応募資格】 国内外の大学または公的試験研究機関に所属する方
【募集分野】 「次世代半導体デバイスの開発に貢献する分析・計測技術」
【応募期間】 2023年3月15日~5月12日
【審査方法】 審査委員会が応募書類に基づき実績と将来性を審議し決定します。
【発表】 7月末予定
【賞の内容】 受賞者には、賞状及び副賞を授与
副賞は1件あたり金200万円(100万円/年×2年)を授与します。
※応募資格の継続が条件となります
【授賞式および受賞記念セミナー】
2023年10月17日(火)に京都大学 吉田キャンパス内にて実施を予定しています。
(受賞者による講演やポスターセッションを通して、研究内容を広く社会にアピール)
※会場や実施方法を変更する場合は、本賞ホームページにてご案内します。
【応募方法】
応募書類など詳細は、本賞ホームページに掲載: https://www.mh-award.org/
【応募・お問い合わせ先】
〒601-8510
京都市南区吉祥院宮の東町2番地 株式会社堀場製作所内 堀場雅夫賞事務局
TEL:075-325-5110/E-mail: info@mh-award.org
【審査委員会】(50音順・敬称略)
審査委員長:染谷 隆夫
東京大学大学院工学系研究科 電気系工学専攻 教授
審査委員:小林 正宏
住友電気工業株式会社 常務執行役員 研究開発本部 副本部長
藤村 紀文
大阪公立大学大学院工学研究科 電子物理系専攻 教授
昌原 明植
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 デバイス技術研究部門 部門長
海外審査委員:陳永富(チェン・ヨン・フー)
国立陽明交通大学(台湾) 電子物理系 教授
社内審査委員:田中 悟
株式会社堀場テクノサービス 分析技術本部
Analytical & Testing Technology Department マネジャー
ADAR Fran(フラン・アダー)
Principal Raman Applications Scientist Semi/
Scientific Applications
HORIBA Instruments Incorporated
(ホリバ・インスツルメンツ社/米国)
アワードディレクター:堀場 厚
株式会社堀場製作所 代表取締役会長兼グループCEO
実行委員長:足立 正之
株式会社堀場製作所 代表取締役社長
【ご参考】
<募集分野「次世代半導体デバイスの開発に貢献する分析・計測技術」について>
昨今のデジタル化の波は、IT企業だけでなく、製造業、モビリティ、サービス業、農業および医療など、全ての産業、社会経済システムに変革をもたらしています。デジタル化の拡大により、データ処理量は右肩上がりで増加を続けており、ICT関連機器に使用されている半導体デバイスの高性能化を進めることが欠かせません。化合物半導体は、シリコンよりも電子の移動速度がはるかに速く、高速信号処理や低電圧での動作が可能であることに加え、光への反応やマイクロ波を発生させるなどの優れた特性を備えていることから、デジタル化を支える半導体デバイスのキーマテリアルとして日常生活に広く使われるまでに成長しています。
パワー半導体は、自動車、産業機器、電力、鉄道および家電など、生活に関わるさまざまな電気機器の制御に使用されており、カーボンニュートラルの実現に向けて、省エネに向けた技術革新がますます期待されます。一方、デバイスの高速化、省電力化のためには、革新的な電送技術の確立も重要となり、光と電気を融合して情報通信処理を行う光エレクトロニクス技術の確立が急がれ、さらには、Beyond 5G/6Gのオール光時代を見据えた光エレクトロニクスデバイス、光電融合プロセッサの開発も重要となります。加えて、量子コンピューターの実現のために超電導やイオントラップ、光などの現象へのさらなる理解が必要で、そこでも新たな分析・計測技術が求められています。
半導体デバイスは、原材料から加工プロセス、製造プロセスおよび実装プロセスなど、多種多様な技術のうえに成り立っており、基礎研究のレベルから試作や生産プロセスまで全ての過程において、分析・計測技術は必要不可欠なものとなっています。特にパワーデバイスや光デバイス、量子デバイスなどの革新的なデバイスの実用化においては、未知の現象の理解や試作・製造における制御ポイントを見出すことが重要で、そのためにも分析・計測技術がますます重要となります。
2023堀場雅夫賞では、これらの課題を解決し、次世代デバイスを世の中に提供するために必要な先端分析・計測技術を募集対象とします。このような分析・計測技術開発に取り組み、その成果をシステムの自律化、モビリティの革新および健康医療のためのウェアラブルデバイス実現など、次世代デバイスのユースケースやアプリケーションへつなげていくことを目指す研究者の皆様からの応募をお待ちしています。
<賞の背景>
創業者の堀場雅夫が学生ベンチャーの草分けとして興した当社の歴史は、国産初のガラス電極式pHメーターの開発から始まり、今日までその分析対象を液体・気体・固体分野へと拡大しながら、総合分析機器メーカーとしてグローバルに事業を拡大してきました。その発展を支えてきたものの一つに、創業当初からの大学や研究機関との連携があり、地道に基礎的な研究開発に取り組んできた研究者・技術者の努力が大きな原動力となっています。21世紀を迎え、分析・計測の重要性が社会的にも増してくるなか、分析・計測技術の分野で、新たな起業・事業化の源となりうるアカデミックな研究・開発を支援するため、創業者の名前を冠した「堀場雅夫賞」を2003年に創設しました。
<賞の趣旨>
本賞は、画期的な分析・計測技術の創生が期待される研究開発に従事する国内外の若手研究者・技術者を支援し、科学技術における分析・計測技術の価値をより一層高めることを目的とします。毎年対象分野を定めることで、その成果や今後の発展性を世界的にアピールすべき研究・開発に焦点を当てていきます。基礎から応用まで、対象分野においてユニークな研究開発に「おもしろおかしく」従事され、将来の分析・計測技術発展の担い手となる方々の積極的な応募を期待しています。
<故・堀場 雅夫 (創業者)について>
1945年10月、京都帝国大学(現京都大学)理学部在学中に、当社前身の堀場無線研究所を京都に創業。今でいう学生ベンチャーの草分けとして出発。学生時代の専攻は原子核物理で、大学教授であった父・信吉氏と同じく、卒業後は大学に残って研究者になる道を志していた。しかし、終戦と同時に米軍がサイクロトロン破壊など原子核関係の研究・実験を禁止し、大学での研究を続けられなくなった。自由に実験や研究ができる私設研究所をつくろうと決心したのが創業のきっかけである。
堀場無線研究所で、電解コンデンサーを開発し事業化を試みるが、朝鮮戦争のインフレのため計画は頓挫。代わりに、コンデンサー生産のために産学協同で開発したpHメーターを商品として売り出したところ評判となり事業化を決断した。1953年1月、株式会社に改組し株式会社堀場製作所を設立。会社設立当時から大学との産学協同体制で次々と新しいpHメーターを開発し、その後、液体、気体、固体の分析・計測へと分野を拡大し、現在に至る事業の基盤を確立した。1978年、53歳で会長に就任。この時、人生哲学でもある「おもしろおかしく」を社是に制定。会長に就任後は、日本の中小企業、ベンチャー企業の支援や京都の活性化、また将来の社会を担う人材を育成するため、根本的な教育改革のためにも力を尽くした。
2006年3月には、世界各国の研究や業績を支援する製品をもって地球規模の計測機器ビジネスを創始した活動が評価され、分析化学分野の発展に功績顕著な革新的で情熱的な起業家を顕彰する、米国「Chemical Heritage Award」の受賞と「Pittcon Hall of Fame」(分析化学界の殿堂入り)を、欧米人以外で初めて果たした。2015年7月に永眠(満90歳)。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/348705/LL_img_348705_1.jpg
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