シャーウッド『KOKAGE LOUNGE』の大らかな勾配屋根の吹き抜け空間
木材の利用を推奨する意見が多い
リラックス効果をイメージする人も多い
大きな樹のような家をデザインした『KOKAGE LOUNGE』の一番の特長である大屋根
お客様の戸建て住宅への想いや、商品開発への想いを、毎回テーマを設定してご紹介します。第35弾として10月7日に、積水ハウスの木造住宅、『KOKAGE LOUNGE(コカゲ ラウンジ)』の開発ストーリーを公開しました。
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シャーウッド『KOKAGE LOUNGE』の大らかな勾配屋根の吹き抜け空間
■木へのイメージと効果
みなさん、ハイキングや登山、キャンプなど、木々に囲まれていると何故か不思議と落ち着きを感じる経験はありませんか。令和2年から始まった林野庁の調査によりますと、森林での様々なアクティビティを体験することでリラックスした状態になったり、生活習慣が改善されることが分かっています※1。
※1:林野庁「森林サービス産業」創出・推進に向けた活動支援事業の成果等(令和3年度実施分)
https://www.rinya.maff.go.jp/j/sanson/kassei/attach/pdf/sangyou-18.pdf
また、内閣府の調査でも、建物や製品に木材を使った方が良いと考える人は約9割にも上っており、その理由として最も多かったのは「気分が落ち着く」が約6割※2。多くの人が木や木材に心地よいイメージを持っているようです。
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木材の利用を推奨する意見が多い
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リラックス効果をイメージする人も多い
※2:内閣府「森林と生活に関する世論調査(令和元年10月調査)」を基に積水ハウスが作成
https://survey.gov-online.go.jp/r01/r01-sinrin/2-1.html
積水ハウスも、こうした木々に囲まれることの心地良さに着目し、木造住宅「シャーウッド」をさらに改良・進化させた『KOKAGE LOUNGE(コカゲ ラウンジ)』を開発。2021年度にグッドデザイン賞、ウッドデザイン賞、キッズデザイン賞の「デザイン賞3冠」を受賞しました。
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大きな樹のような家をデザインした『KOKAGE LOUNGE』の一番の特長である大屋根
『KOKAGE LOUNGE』の実現には、どのような技術と想いが込められているのか。開発に携わった社員に話を聞きました。
■15年がかりの改良から生まれた新技術で広大な吹き抜け空間を実現
「『KOKAGE LOUNGE』が目指したのは、“大きな樹の下に広がる、心地よい木陰に暮らす家”です。」
そう開発コンセプトについて話すのは、戸建商品開発部 商品企画開発グループ リーダーの廣瀬 輝(ひろせ あきら)。
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廣瀬 輝(戸建商品開発部)
「シャーウッドは、屋根の勾配が生み出す天井高と、広々とした豊かな空間が特長です。『KOKAGE LOUNGE』では、それをさらに進化させ、56m2(約34畳)が限界だった柱の無い勾配屋根の吹き抜け空間を、約1.4倍の80m2(約48畳)に拡大しました。水平方向だけでなく垂直方向への空間の広がりを加えることで、そこに住む方同士の新たなつながりも生まれます。」
確かな強度が計算できる集成材を、独自の構造用金物で緊結するメタルジョイント接合システムを改良。一般的な木造住宅ではほとんど利用されていない強さ・長さの構造材を導入することで、広大な居室が生まれました。
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柱や梁と接合する小屋部材が出ないように工夫された『KOKAGE LOUNGE』の吹き抜け部分
一般的な木造住宅では、屋根の空間を居室や吹き抜けにしようとする場合、吹き抜けの中にある柱や梁を接合する細かな小屋部材は法律で使用するように定められ、家の性能にも関係することから簡単になくすことはできません。そのため、居室や吹き抜けでは柱や梁、そしてそれらを接合する小屋部材が室内に剥き出しになっていました。しかし、お客様からは、耐震や断熱などの性能とすっきりとした大空間を両立させて欲しいという声も多く寄せられていました。
そういった要望に応えるべく、積水ハウスでは、2005年からオリジナルの屋根の構造技術の開発を開始。
少しずつパーツを組み合わせて検証をくり返すという、開発者たちの長い戦いの始まりとなりました。
例えば、接合に使うビス1本にしても、太さ・長さ・材質の異なったものを交換しながら、繰り返し強度実験を実施。なかなかベストなバランスを見つけることができず、何度も形状や材質変更を行うなど、膨大な数のトライ&エラーを続けました。
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オリジナルビスを使った高強度屋根『パイルドルーフ』
そして、約15年という長い年月をかけた実験の集大成として、今回の『KOKAGE LOUNGE』が誕生したのです。
■木造ならではの柔軟性と、鉄筋コンクリート(RC)並みの強度を両立
東京南支店 駒沢シャーウッド展示場 マネージャーの大塚 篤志(おおつか あつし)も、営業の立場から『KOKAGE LOUNGE』の開発にかかわった一人です。
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大塚 篤志(東京南支店)
「商品開発部から『木造で鉄筋コンクリート(RC)や鉄骨造に匹敵する“柱なしの大空間”を実現する』と聞いたときには感動しました。それこそ多くのお客様が待ち望んでいたものでしたから。」
『KOKAGE LOUNGE』は、木造住宅の最大のメリットである柔軟性に加えて強度も持ち合わせていることが、最大の強みだと話す大塚。
「一般的に強度を上げるためには柱や梁を多くする必要があるのですが、『KOKAGE LOUNGE』は柱も壁も梁も少ない大空間を実現しながら、鉄筋コンクリート(RC)住宅に迫る強度と木造独自の木質感を両立。自信を持ってお客様にお薦めできると確信しました。」
また、特に都市部では、『KOKAGE LOUNGE』で実現できる勾配屋根のメリットも大きいと言います。
「近隣住宅の日照等を確保するため、建築基準法上の斜線制限により、敷地内での建物の各部の高さなどが規制されています。これをクリアして、なおかつ屋内の空間を最大化するには、平らな屋根より勾配屋根が有利です。」
■住んでわかる心地良さを、お客様がSNSで発信
実際にそういったところが評価され、『KOKAGE LOUNGE』を選ぶお客様が徐々に増加。住み始めた後も、木に包まれるような暮らしへの評判は上々です。
「広々とした空間で大開口、なのに気密性と断熱性は高い。しかも木のぬくもりがある。窓を閉めて快適なだけでなく、外の自然環境や季節の変化も味わえるというお客様が想像以上に多いです。」(東京南支店・大塚 篤志)
「『クリアビューデザイン』というデザイン技術を使い、床から天井まで一面を窓にして屋外まで視線が抜け解放感が得られるようにしました。さらに、室内の勾配天井の木質感を外部の軒先まで連続させることで、部屋の内外の空間の一体感も演出しました。視覚的な解放感と、大樹にすっぽりと守られて暮らすような安心感、居心地の良さを両立できたと思います。お客様に共感していただけることは開発者として本当に嬉しいです。」(戸建商品開発部・廣瀬 輝)
『KOKAGE LOUNGE』では、構造強度を高めデザインを工夫することでサッシ自体を目立たないようにしながら、これまでの木の家『シャーウッド』の売りであった大きな窓をさらに拡大することが可能に。まさに外の自然との一体感を味わえる住み心地となったのです。
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室外への視線が透き通るようにつながり解放感を生み出す『クリアビューデザイン』
「ダイナミックな屋根の下、室内から外部軒先まで視覚的に連続した住空間が内と外の生活空間を緩やかにつなぎ、日常の中で自然を身近に感じる暮らしを実現します。平屋の場合にはさらに庭や植栽とのつながりも楽しめるので、平屋の『KOKAGE LOUNGE』の人気も高まっています。」(東京南支店・大塚 篤志)
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深い軒の出は夏は日陰を作り、冬は部屋に陽ざしを入れる効果も
実際に『KOKAGE LOUNGE』を選ばれたお客様の反応に、営業上も画期的な変化も…。
「『KOKAGE LOUNGE』の住み心地に感動した多くのお客様が、写真や動画付きでSNSに投稿。それを見たお客様から多くの問い合わせをいただきました。コロナ禍でご案内が十分にできない中、非常に心強い追い風となりました」(東京南支店・大塚 篤志)
■さらに改良を続け、家は未来へと向かって進む
現状に満足することなく、開発者たちによる改良は今も続いています。
「『KOKAGE LOUNGE』は2020年の発売ですが、翌年の2021年には屋根の吹き抜け空間の中央に通る大きな梁を天井内に隠せるようになったり、面積も、80m2(約48畳)から100m2(約60畳)まで拡大できる仕様となりました。一方で製造・流通工程を見直しコストダウンに取り組むなど、バージョンアップは連綿と行っています。」(戸建商品開発部・廣瀬 輝)
また、営業部門も、さらなる向上を目指して、現場の声を基に開発部門に意見を出すこともあると、大塚は楽しそうに話します。
「圧倒的な木質感が売りでもありますので、サッシも木製にできないかとか、開発部門にはいつもムチャ振りをしています。」
積水ハウスでは、このように開発と営業の現場が一体となって、四季が身近に感じられ、快適な空間を実現する家づくりを目指し続けています。
※記事内の商品情報や所属部門等は、すべて取材時(2022年7月)のものです。
積水ハウス シャーウッド『KOKAGE LOUNGE』
https://www.sekisuihouse.co.jp/kodate/kokagelounge/