2022年3月17日に行われた認証授与式において
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2022年3月17日に行われた認証授与式において
昨今、建設業界におけるデジタル化が急速に進んでいます。プロジェクトの開始から建設物の廃棄までのプロセスを、ビッグデータやIoT、クラウド、AI、BIM(ビルディング情報モデリング)などを駆使して、効率的に管理する手法が取り入れられ始めています。
BIMは、デジタルモデリングを使用して、初期設計から建設、保守、最終的に廃棄に至るまで、建設資産のライフサイクル全体にわたる情報管理の仕組みです。
3次元モデルを含む仮想建設環境(共通データ環境)において、エンジニアや所有者、建築家、請負業者間とのコラボレーションを可能にし、効率的な情報共有ができます。
ISO 19650は、BIMを使用して建設された資産のライフサイクル全体にわたって情報管理を行うための国際規格です。BIMレベル2(※2)と同様の原則と高レベルの要件がすべて含まれ、本ISOの前身となるPAS 1192規格と密接に連携しています。
本要件を満たしていることを証明することは、成熟したBIMの導入を示すことになります。
BSIジャパンでは、BSI Kitemark認証および検証サービスの提供によって、お客様のBIM成熟度を証明するサービスを展開しており、スターツCAMは設計から施工まで一貫して請け負う元請受託組織として、設計と施工の両方を対象とする国内2例目の認証となり、Kitemark認証としては 日本初の事例となりました。
BIM BSI Kitemark認証を取得されましたが、今後ISO 19650を普及・推進するためには、情報マネジメントサイクルの中で、発注組織・元請受託組織・受託組織がそれぞれの役目を理解し、果たすべき役割がますます重要になってきております。
- 注記 -
(※1):ISO 19650は、BIMを含む、建築および土木工事に関する情報の統合およびデジタル化
ISO 19650-1:2018は、BIMを使用した情報マネジメント:概念および原則
ISO 19650-2:2018は、BIMを使用した情報マネジメント:資産のデリバリーフェーズ
ISO 19650-3:2020は、BIMを使用した情報マネジメント:資産の運用フェーズ
ISO 19650-5:2020は、BIMを使用した情報マネジメント:情報マネジメントへのセキュリティを意識したアプローチ
(※2):英国政府は2016年4月以降、建物やインフラストラクチャーを含む中央調達政府プロジェクトに入札する建設サプラヤーに対して、BIMレベル2で作業することを要求しています。英国ではBIMの成熟度によって、レベル0からレベル3まで設定されています。
― 認証ご取得の目的
弊社では数年前からBIMを導入しておりますが、対外的にBIM成熟度を証明できていませんでした。Kitemark認証の取得はそれが証明できるとともに、弊社のBIMプロセスを改善していく良い機会になると思い、本認証の取得を目指しました。
■スターツCAM株式会社のコメント
― 構築による成果、工夫、苦労された点
最初はISO19650の規格内容を理解するところがかなり苦労しました。弊社ではBIMソフトに関する教育は行ってきましたが、BIMの概念やBIMプロセスなどのリテラシーを身に付けるためのシステムは存在していませんでした。BSIジャパンが提供する研修を通して、また本認証に取り組む過程で多くの社員がBIMに対する認識を改めることになったかと思います。これこそが次のステージに進むための重要な成果であり、BIMによるDXに向けた土台になると期待しています。
― 構築・認証されて良かった点
ISO19650に準拠したプロセスでは、BIMプロジェクトにおける責任分担が明瞭になりました。弊社は設計施工一貫方式のプロジェクトが多いため、設計工事の連携がとりやすい反面、BIM生産の責任があいまいになりがちでした。ISO19650では、必要詳細度や生産期間をTIDP、MIDPとして計画し、誰がいつまでに何を作成し、誰と連携するかをプロジェクト初期段階から検討できる仕組みになっていると思います。また、共通データ環境を用いた情報管理において、ステータス、改訂、分類などのメタデータの付与はとても有効です。これによりチェックや承認プロセスの改善を図ることができました。
― 認証機関にBSIを選んでいただいた理由、また審査のご感想
BSIでは認証に先立ってISOの研修を用意するなど認証に向けたサポート体制がある点が選定の大きな理由でした。感想として、ISO19650規格は弊社のような規模感の企業においても十分に適用できるということを強く感じました。規模の大小に関わらず、情報マネジメントとそのプロセスをプロジェクト初期段階から計画することは重要であり、今後このような考え方は日本においても広がっていくのだと思います。
― 今後のご活用について
社内のスキルアップを図ることはもちろんですが、発注組織やサプライチェーンとの情報連携を深めていきたいと考えています。ISO19650規格をベースとして、スターツCAMとしての情報マネジメントとそのプロセスの最適化を目指していきたいと思います。「データは資産になる」をコンセプトとし、様々な業界へとBIM活用の領域を広げるために、研究開発に力を入れ、新たな価値を創出していきます。
■参考情報
― 2022/3/4 スターツCAMにてISO19650に基づくBIM BSI Kitemark認証を取得リリース
https://www.starts-cam.co.jp/information/6279/
■スターツCAM株式会社について
スターツCAMはスターツグループの中でも土地有効活用のご提案、賃貸住宅の設計・施工、資産運用についてのコンサルティング業務を専門としております。社名のアルファベット「CAM(シー・エー・エム)」は、「Construction(建設) and Asset Management(資産運用)」を略したものです。
次の3つの事業を全国に展開しております。
1. 土地有効活用の企画提案、2. 資産運用コンサルティング、3. 賃貸住宅・テナントビル等の各種建築物の設計・施工
URL: https://www.starts-cam.co.jp/
■BSI(英国規格協会)とBSIグループジャパンについて
BSI(British Standards Institution:英国規格協会)は、1901年の設立以来、世界初の国家規格協会として、また、ISOの設立メンバーとして活動する規格策定のプロフェッショナルです。現在、193カ国で84,000組織以上のお客様の活動に貢献しています。BSIグループジャパンは、1999年に設立されたBSIの日本法人です。マネジメントシステム、情報セキュリティサービス、医療機器の認証サービス、製品試験・製品認証サービスおよびトレーニングコースの提供をメインとし、規格開発のサポートを含め規格に関する幅広いサービスを提供しています。
URL: https://www.bsigroup.com/ja-JP/