衛星画像解析の概要
音聴調査と衛星ガイド方式の比較
■衛星画像の解析により、45ヵ国350件以上の事業に採用のユーティリス社の水道管・漏水検知システム
■従来の人手に頼る広範囲の音聴漏水検査よりも圧倒的に時間とコストを削減
■豊田市では259箇所の漏水を発見、5年ほどかかる現地調査を約7ヶ月に短縮
ジャパン・トゥエンティワン株式会社(本社:愛知県豊橋市/代表取締役社長:岸本賢和、略称J21)が国内代理店として販売しているユーティリス社(本社:イスラエル)の衛星画像データとAIを活用した「漏水検知システム」が愛知県豊田市上下水道局に採用され、水道管の漏水調査による成果が公表されました。
老朽化により増大する水道管維持コスト
近年、過去に整備されたインフラが更新時期を迎え、メンテナンス頻度の増加や維持コストの増大、高齢化による作業員の人手不足、また財源確保の問題などが大きな社会課題となっています。水道事業者においても、敷設された水道インフラの老朽化と水道管の維持管理と更新は、大きな課題となっており、
実際に水道管の耐用年数とされる約40年を、国内の6分の1が超過しているといわれています※1。従来、漏水の発見には、人手に頼った音聴調査を広範囲にわたって行うことが必要であり、効率的に調査を行うことが難しく、大規模に行うには長期間に渡るのが当たり前で、調査員確保の問題とコスト増大が避けられませんでした。
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衛星画像解析の概要
だいち2号の衛星データとAI解析により漏水を検知
ユーティリス社の衛星画像データ(衛星データ)を用いた漏水検知システムでは、天候や昼夜に左右されず、広範囲を検知・調査することができ、一度に水道事業者のインフラ全体をカバーする漏水検知を行うことが可能です。また、独自のアルゴリズムにより、衛星から地上に電磁波を照射して得られた画像データから、水道水に特有の反射特性をAIで補正・解析し、漏水可能性がある区域を半径100mの範囲で特定します※2。これにより、水道事業者は事前に漏水調査範囲の絞り込みができ、現地にて行う音聴調査の効率化が可能となりました。ユーティリス社の漏水検知システムの採用で、漏水箇所の早期発見と修繕による漏水率の改善、漏水による損失と二次災害の予防、調査サイクルの短縮など、時間やコストの削減効果が見込まれています。また実際に、全世界の45ヵ国で350以上のプロジェクトに採用され、成果を挙げています。
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音聴調査と衛星ガイド方式の比較
約5年かかる調査がわずか7か月に短縮・実際に漏水箇所も発見
愛知県豊田市にて行われた漏水調査は、漏水箇所の特定に多大な時間を要する山村地域を中心として行われ、検知システムから漏水の可能性が示された区域を絞り込んだ上で、現地にて漏水音を確認する路面音聴調査が2020年9月から2021年3月まで実施されました。その結果、漏水可能性があるとされた556区域のうち、154区域で259箇所の漏水が発見されました※3。現地調査が行われたのは約7ヶ月という期間ですが、従来の音聴調査方法だとおよそ5年はかかる調査で、作業の大幅な効率化がはかられました。豊田市上下水道局では、漏水箇所の修繕を行うとともに、より効率的な漏水調査手法を検討しています。
J21では、ユーティリス社の漏水検知システムの提供・サポートを通じて、最新のテクノロジーを活用して水道事業者によるインフラ維持・管理の効率化と課題解決に寄与していきたいと考えています。
※1 厚生省の調査によると、日本の水道管普及率は98.1%で、水道管の総距離は約72万キロ(地球約18週分)ありますが、その多くは戦後の高度成長期に敷設されており、老朽化が進んでいます。
水道管普及率:厚生労働省水道の基本統計より
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics/bukyoku/kenkou/suido/database/kihon/index.html
水道管経年化率:厚生労働省 令和2年度全国水道関係担当者会議資料10ページ目
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000197003_00004.html
※2 衛星の画像解析には、「だいち2号(JAXAの衛星)」の画像データを用います。衛星によるLバンドのマイクロ波(1.3GHz前後)が地下2m程度まで浸透し、比誘電率の違いによる反射特徴から水道水と非水道水とを区別できる独自のアルゴリズムを基にAIにて解析し、水道管の漏水を検知します。漏水の可能性がある地域ではレポートが作成され、水道事業者がもっている水道管の敷設データと照らし合わせて、漏水調査が行われます。
※3 実際の調査内容については、豊田市による報道発表をご確認ください。
https://www.city.toyota.aichi.jp/pressrelease/1043553/1044032.html
■ユーティリス(Utilis)社について
2013年に大気物理学と力学を研究していた科学者によって設立され、衛星の画像データを独自のアルゴリズムにより分析する水道管の漏水検知システムは、2016年から提供を開始、すでに世界45カ国・350件以上のプロジェクトが完了し、莫大な量の飲料水の漏水節約に役立てられています。衛星のLバンドマイクロ波データを使用した漏水検知は、導入にあたって設備投資や機器の設置が不要なシステムで、イスラエル、米国(サンディエゴ)、英国の拠点では、各分野の専門家が現行システムを継続的に改善し、革新的な新サービス・製品を市場に投入するために、研究開発に多大な投資を行っています。
https://utiliscorp.com(英語)
https://www.japan21.co.jp/utilis/(日本語:J21サイト)
■ジャパン・トゥエンティワン株式会社について
1992年9月に創業し、“イノベーションを市場化する”を掲げ、イスラエルを中心に世界最先端のハイテク企業の技術や製品のビジネス開発を日本で展開。主な取り扱い製品には、自動車の後付け衝突防止補助システム「モービルアイ」、車両の運行情報を管理・分析するフリートマネジメントシステム「イトラン」、タブレットの盗難防止製品「コンピュロックス」、プログラミング学習サービス「コードモンキー」、聴力アシスト機能付き無線イヤホン「BeHear® NOW」、衛星画像データを活用した「漏水検知システム」などがあります。
URL:https://www.japan21.co.jp/
お問い合わせ先 広報担当
ジャパン・トゥエンティワン株式会社
東京都港区高輪4-18-12 TEL:03-5789-0021
Email:utilis@japan21.co.jp Web:https://wwwjapan21.co.jp/