図表A_ランキングベスト20
図表B_ランキングベスト100
図表C_ランキング上位 前回Net Cash比較
図表D_全体 前回Net Cash比較
[調査結果]
(1)依然として製造業はお金持ち!
決算書の記載に基づき算出したNetCash(※)を比較した「金持ち企業ランキング【特別版(中間決算)】」のランキング1位は「任天堂」(NetCash9,926億円)でした。次いで「信越化学工業」が2位(同8,029億円)、「SMC」が3位(同5,761億円)となり、以下「キーエンス」(同4,878億円)、「セコム」(同4,136億円)、「ファナック」(同4,022億円)、「セブン&アイ・ホールディングス」(同3,491億円)と続きました。
上位20社にランクインしている業種としては電子部品・デバイス・電子回路製造業(キーエンス、ローム、東京エレクトロン)が3社ランクインしたほか、はん用機械器具製造業(SMC、ホシザキ)、電気機械器具製造業(小糸製作所、オムロン)において各2社がランクインし、その他に製造業が6社(任天堂、信越化学工業、ファナック、シマノ、大正製薬ホールディングス、リンナイ)がランクインしたことで、上位20社のうち13社が製造業となり、製造業のCash保有度合いの高さが目立つ結果となりました。
前回順位との比較においては、「ニトリホールディングス」(前回25位→11位)と「東京エレクトロン」(前回26位→16位)が大幅にランクアップし、前回上位20社圏外からの上位進出となりました。両社は好調な業績を背景に高水準の営業キャッシュフローを確保することで現預金を蓄積し、NetCashを増加させている様子がうかがえます。その他は上位の顔ぶれに大きな変化は見られません。(図表A)
前回上位20社にランクインしていた企業のうち、今回は昨今の社会情勢下で一時休業した「オリエンタルランド」(前回20位)のほか「大成建設」と「塩野義製薬」、「バンダイナムコホールディングス」が上位20社圏外となりました。
なお、トップ100については図表Bにまとめました。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/245496/LL_img_245496_1.png
図表A_ランキングベスト20
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/245496/LL_img_245496_2.png
図表B_ランキングベスト100
※NetCash=現預金-(短期借入金+長期借入金+社債+一年以内返済の長期借入金+一年以内償還の社債+割引手形)
(2)7割の企業がNetCash減少!
上位20社にランクインしている企業について、前回ランキングとのNetCashを比較したところ、12社(60.0%)が増加し、8社(40.0%)が減少する結果となりました。(図表C)
アンケート集計企業全体に対する前回ランキングとのNetCash比較では685社(30.0%)が増加し、1,597社(70.0%)が減少しました。(図表D)
アンケート集計企業全体ではNetCash増加企業の割合が30%であった一方、上位企業では60%と2倍の水準となっていることから、上位企業ではNetCash蓄積を進めている傾向が表れています。
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/245496/LL_img_245496_3.png
図表C_ランキング上位 前回Net Cash比較
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/245496/LL_img_245496_4.png
図表D_全体 前回Net Cash比較
[総評]
今回の金持ち企業ランキング【特別版(中間決算)】は、第8回に続いて「任天堂」が1位を獲得しました。前回のランキングは2020年3月決算が主体であり、2020年4月以降の経済情勢は加味されていないことから、これらの影響を調査するために2020年4月期以降の最新の中間決算で集計して特別版(中間決算)としてランキングしたものです。
昨今の経済情勢により、日本企業における景況感の悪化は続いており、2020年12月に発表された日銀短観の業況判断DI(全体)は▲15と依然としてマイナス圏で推移しています。
経営の三大資源の一つである「カネ」を保有しておくことは、安定した経営を実現する上で必要です。アンケート集計企業全体では7割以上がNetCashが減少する厳しい経営状態となっており、昨今の経済情勢下で飲食業や小売業など資金繰り破綻する企業が相次いでいる世の中の状況を反映する結果となりました。一方、TOP20企業においてNetCashが増加している企業は12社と半数を超えていることから、今後の経済情勢も考慮して経営の安定性を高めるための戦略としてNetCashの蓄積を進めている可能性が考えられます。
昨今の経済情勢下において、将来の不確実性に備えてCashを蓄積する重要性が高まっています。ランキング上位企業だけでなく、一般企業においても本業における収益力を回復させてCashを蓄積することで経営を安定化し、混沌とした時代を生き抜いていかれることを期待しています。
※ 本編はダイジェスト版です。詳細な内容は、以下掲載サイトよりご覧いただけます。
https://www.riskmonster.co.jp/rm-research/
[実施概要]
・調査名称 :第9回「金持ち企業ランキング」調査【特別版(中間決算)】
・調査方法 :決算書の分析結果に基づく調査
・調査対象決算期:2021年1月12日時点で開示されていた
2020年4月期決算以降の最新中間決算
・調査対象者 :金融機関(銀行、証券会社、保険会社等)、
IFRS適用企業を除く決算短信提出企業
・調査対象企業数:2,471社
■リスモン調べとは
リスモンが独自に調査するレポートのことです。これまでリスモンでは企業活動関連の調査として他にも「100年後も生き残ると思う日本企業調査」「環境への配慮が感じられる企業調査」や「この企業に勤める人と結婚したいアンケート調査」などを発表しております。
今後も「企業活動」に関するさまざまな切り口の調査を実施することで、企業格付の更新に役立てていくとともに、情報発信を行うことで新しい調査ターゲットの創出、新サービスの開発などに取り組んでまいります。
掲載サイトはこちら: https://www.riskmonster.co.jp/rm-research/
■リスモンの概要(東京証券取引所第二部上場 証券コード:3768)
2000年9月設立。同年12月よりインターネットを活用した与信管理業務のアウトソーシングサービス、ASPサービス事業を開始しました。以来、法人会員向けビジネスを要にサービス分野を拡大し、各事業部門・子会社(与信管理サービス、ビジネスポータルサイト(グループウェアサービス等)およびBPOサービス)ごとに取り扱うサービスについて包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
リスモングループ法人会員数は、2020年9月末時点で12,997(内、与信管理サービス等6,587、ビジネスポータルサイト等3,174、その他3,236)となっております。
ホームページ: https://www.riskmonster.co.jp/