画像 : https://newscast.jp/attachments/VHRxp1iRNaXmQ4NVK84t.png
(執筆:SOCIO編集部 林幸奈)
子どもが学校や友だちになじめない、なじむのに時間がかかる。音や光、肌触りなど、自分が気づかないほどの刺激にも敏感だ。外出しても、人混みなどで疲れて楽しめないらしい。辛そうな子どもを見て、「ストレスがあるのか」「親の育て方が悪いのかも……」と、考える人もいるかもしれません。こんな心配はありませんか?
・感情反応が激しい(表現や体調に出やすい)
・新しい人や環境に、適応するのに時間がかかる
・洋服のタグなど、小さな刺激にも敏感
・人に気を使う、相手の気持ちを推測する
・こだわりや好き嫌いが多い など
刺激に敏感で、時に感情的。本人しか気づかないことが多く、アイデアが独創的など、少し変わっている印象もある。そんな子どもは、HSC(Highly Sensitive Child)の気質があるのかもしれません。
育った環境に関わらず、5人に1人はHSC(HSP)の気質があるとされています。繊細な子どもは、刺激的な毎日に疲れ、悩んでいるかもしれません。チェックリストで特性を知り、寄り添っていくための心構えを考えていきましょう。
特性を理解する、HSCチェックリスト
HSCとは、生まれもった性格であり、人いちばい敏感なHSP(Highly Sensitive Person)気質のある子どもを指します。HSPを提唱したエレイン・N・アーロン博士の書籍では、チェックリストが提案されています。
HSCチェックリスト
(子どもについて「はい・いいえ」で答え、「はい」がいくつか数えます)
・すぐにびっくりする
・服の布地がチクチクしたり、靴下の縫い目や服のラベルが肌に当たったりするのを嫌がる
・驚かされるのが苦手である
・しつけは、強い罰よりも、優しい注意のほうが効果がある
・親の心を読む
・年齢の割りに難しい言葉を使う
・いつもと違う臭いに気づく
・ユーモアのセンスがある
・直感力に優れている
・興奮したあとはなかなか寝つけない
・大きな変化にうまく適応できない
・たくさんのことを質問する
・服がぬれたり、砂がついたりすると、着替えたがる
・完璧主義である
・誰かがつらい思いをしていることに気づく
・静かに遊ぶのを好む
・考えさせられる深い質問をする
・痛みに敏感である
・うるさい場所を嫌がる
・細かいこと(物の移動、人の外見の変化など)に気づく
・石橋をたたいて渡る
・人前で発表する時には、知っている人だけのほうがうまくいく
・物事を深く考える
引用:ひといちばい敏感な子 子どもたちは、パレットに並んだ絵の具のように、さまざまな個性を持っている
著者:エレイン・N・アーロン
訳者:明橋大二
発行所:株式会社1万年堂出版(2015年)
「はい」が13個以上だった、もしくは強く同意できる項目がある場合、HSCだとされています。内向的なイメージのあるHSPと違って、夜泣きや感情表現が激しいなど、一見内向的でない子どもも、HSCである可能性があります。いくつ当てはまるかより、どんな特性をもっているかを重視してみてください。
画像 : https://newscast.jp/attachments/nsdJeTcaxQ9RSJuFFLTN.png
「気にしなくていい」ではなく、刺激のない環境を
繊細なHSCにとって、さまざまな人がいて、たくさんのことをやらねばならない学校などの集団行動は、刺激的で疲れる環境です。しかし周囲からの理解が得られにくく、「みんなと同じようにできないなんて、努力が足りない」などと言われるケースも見られます。実際に、学校に行きたくない・行けないと感じ、不登校になるHSCもいます。
「小さなことは気にしなくていい」「子どもがなにを言っているんだ」と繊細さを否定してしまうと、子どもは自信を失っていくでしょう。小さな刺激を見逃せないHSCは、「気にしない」ことができないため、苦手な刺激の少ない環境をつくっていく必要があります。
・刺激を避けるための工夫
・どんな刺激が苦手か、疲れに規則性がないかを見る
・ストレスを物理的に取り除く(カーテンで遮光するなど)
・体調や気候の変化に気をつける
・できること・できないことを明確にする
・さまざまなことに時間がかかっても、見守る
・大人が動揺せず、落ち着いた態度を見せる など
またHSCは困難が多いようにも見えますが、高い集中力・豊かな想像力・深い思考など、繊細だからこそもっている強みもあります。得意な分野を認めて、活かせる環境をつくることで、得意なことを伸ばし、自信につながるでしょう。
大人が特性を理解し、味方でいることは、HSCにとっても自信につながります。またHSCであっても、子どもによって苦手なもの・得意なことは異なります。「HSCだからこうだ」とカテゴライズしすぎることなく、個性に寄り添う心をもちましょう。
HSCの相談・交流できる場所があります
HSC(HSP)は病気ではありませんが、生活の中で困難がある場合、カウンセリングなどを通じて、特性とうまくつきあっていくこともできます。セミナーなどの知識が得られる場所や、相談できる場所も心強い存在です。
ペガサスでは、「フリースクール」「学校生活に関する相談・HSC講座」を行なっています。千葉市内の在籍校と連携協議を進めているため、学校に行くのが難しくなったHSCも、在籍校の判断で出席扱いとなります。HSCの学習機会をつくり、周囲の大人も相談ができる場所です。
NPO法人千葉こども家庭支援センター フリースクールペガサス
〒260-0021
千葉県千葉市中央区新宿1-4-10 シーガル新宿ビル4F
070-5361-8889
NPO法人千葉こども家庭支援センター 千葉 フリースクール HSC 不登校 のための教室 千葉県 千葉市 教員採用合格講座 : https://pegasasuwing.com/
NPO法人寺子屋ひゅっげでは、HSC(HSP)本人や家族、周囲の大人を支援するため、「ワークショップ」「講演会」「カウンセリング」などを実施しています。ワークショップは運動からアートまで幅広く、講演会では心理学などの専門的な知識からHSCを見つめられます。お寺の落ち着く雰囲気も、HSCの安らぎになりそうです。
大阪市港区 NPO法人寺子屋ひゅっげ : http://www.terakoya-hygge.jpn.org/index.html
特性を理解してくれる人がいる、学校以外にコミュニティがあることは、自信や安心につながります。「HSCの特性があるかも」と感じたら、相談や交流ができる場を探してみるのもよいですね。
まだなじみの薄いHSC。しかし、多くの子どもが悩んでいます。似た悩みをもつ人が集まる場所も利用しながら「この子はどんなことで、どうして悩んでいるのだろう?」と寄り添い、考える大人が増えることを願います。
この記事のまとめ
■ 5人に1人は、人より繊細なHSC(HSP)の気質をもっている
■ 刺激に敏感で、周囲や学校に馴染めない、理解されないことも多い
■ 苦手な刺激が少ない環境をつくっていく必要がある
■ HSCのための相談やフリースクール、セミナーを行う団体がある
■ 個人の特性に寄り添い、大人も一緒に考えていくことが大切
画像 : https://newscast.jp/attachments/8mFAn5B6Y9GoZtIqIgHR.png
▼ SOCIOについて
SOCIO(ソシオ)|自分が嫌い、悔しいけど恥じることはない。 : https://www.socio22.com/
『SOCIO(ソシオ)』は人間関係、働き方、新しいライフスタイルを軸にしたウェブ記事を提供するメディアです。人の悩みは9割が人間関係。「あの人苦手だな」「あの人がうらやましい」「なんで自分はこうなんだろう」。
社会で多様性(ダイバーシティ)が語られるほど、自己肯定感や個性についての悩みが増えていきます。価値観は人それぞれ。だからこそ、自分も大切にしてほしい。その第一歩が他人の意見に耳を傾けることだと、私たちは考えます。
その先に価値観が変化することもあれば、譲れないモノを見つけることもあるでしょう。様々な悩みを柔軟に解釈し、なりたい自分を目指していこう。
公式HP→ https://www.socio22.com/
Twitter→@SOCIO_sns
▼ 運営会社 22世紀アート
「みんなを幸せにする出版社」を企業理念に掲げ、「出版とは、今、社会が必要とする情報を発信すること」という思いのもと、誰もが「本」に触れ、「本」を生み出し、「本」を愛する人になる。
そんな文化インフラを作るために、22名のスタッフにより運営されている。
代表者 : 向田翔一
所在地 : 〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町3-23-1 ACN日本橋リバーサイドビル5階
設立 : 2014年12月
事業内容 : 書籍・電子書籍制作及び出版
TEL : 03-5941-9774
FAX : 03-5941-9773
MAIL : info@22art.net
公式HP : https://www.22art.net/
Twitter : https://twitter.com/22artnet
Instagram: https://www.instagram.com/johnny_22art/?hl=ja
みんなを幸せにする出版社『22世紀アート』 : https://www.22art.net