図15:健康への配慮別・勤め先への信頼の程度
図17:勤め先でのワークシェアリング是非
図19:信頼度別・勤め先でのワークシェアリングの是非
図35:コロナ禍収束後もテレワークを行いたいか
感染症のリスクを織り込んだ「新しい日常」が動き出し、日々の暮らしや働き方、組織の業務内容や運営形態などが見直され、その影響は社会・経済の仕組みや人々の意識・価値観の変遷にまで及ぼうとしています。このような状況の下、経営者・労働者・学識経験者の三者構成による日本生産性本部は、組織で働く雇用者を対象に、所属組織に対する信頼度や雇用・働き方に対する考え方などについて、継続的にアンケートによる意識調査を実施しています。
今回の調査は、5月22日に公表した第1回(調査期間:5月11~13日)に続く2回目で、緊急事態宣言が解除され、新型コロナウイルス感染防止対策と経済活動の両立を模索する約1か月半を経た7月6日(月)~7日(火)、20歳以上の日本の雇用者(就業者から自営業者、家族従業者等を除く)1,100名を対象にインターネットを通じて行ったものです。今回は、「安全という価値」の対価としてのセイフティ・チャージ(サービスの安全・衛生への消費者の一部負担)やワークシェアリング、兼業・副業に関する設問を新たに追加しました。主な特徴は以下の通りです。
【第2回「働く人の意識調査」主な特徴】
(詳細や図表は別添「調査結果レポート」参照)
1. コロナ対策費用の一部負担(セイフティ・チャージ):6割が消極的だが性・年代で強弱(図7~9)
・サービスの安全・衛生への取り組みの一部を消費者が負担するセイフティ・チャージについて、容認は約4割(「負担してもよい」7.0%、「どちらかと言えば負担してもよい」32.5%)、容認しないは約6割(「どちらかと言えば負担したくない」36.9%、「負担したくない」23.5%)(図7)
・性・年代で見ると、容認意向が比較的多いのは男性の50代・60代・70代。男性・70代以上の68.8%(「負担してもよい」6.3%、「どちらかと言えば負担してもよい」62.5%)が最多(図8)
・容認意向がもっとも少ないのは女性・30代で28.7%(「負担してもよい」7.4%、「どちらかと言えば負担してもよい」21.3%)(図9)
2. 勤め先への信頼感:信頼は低下傾向、健康配慮が大きく影響(図10~16)
・「信頼していない」が5月調査の8.5%から11.7%に増加。「信頼している」(15.8%→13.0%)、「まずまず信頼している」(51.7%→48.4%)の合計は5月調査の67.5%から61.4%に低下(図14)
・勤め先への信頼の程度に最も大きな影響を与えているのは、健康への配慮(図15)
・テレワークをはじめとする柔軟勤務の導入・維持は、従業員への健康配慮のメッセージ(図16)
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/219477/LL_img_219477_1.jpg
図15:健康への配慮別・勤め先への信頼の程度
3. ワークシェアリング:4割が是認、勤め先への信頼度と相関(図17~19)
・ワークシェアリングについて、「給与を減らしてでも、雇用を維持するべきだ」(是認・40.5%)、「給与は減らさず、雇用を削減するべきだ」(否認・19.5%)、「わからない」(39.9%)(図17)
・勤め先への信頼の程度が高いほどワークシェアリングを是認する意見が多く、「信頼している」では是認は51.0%。処遇が低下しても信頼できる勤め先で働きたいとの気持ちの表れ(図19)
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/219477/LL_img_219477_2.jpg
図17:勤め先でのワークシェアリング是非
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/219477/LL_img_219477_3.jpg
図19:信頼度別・勤め先でのワークシェアリングの是非
4. 兼業・副業:5割弱が前向き、性・年代別で差異(図20~22)
・兼業・副業について、前向きな意見が5割弱(「現在、兼業・副業を行っている」8.7%、「現在は行っていないが、将来的には兼業・副業を行ってみたい」40.2%)(図20)
・性・年代で見ると、女性・30代の63.9%(「現在行っている」16.0%、「将来的に行ってみたい」47.9%)がもっとも積極的(図21・22)
5. 自己啓発の取り組み:引き続き低調、勤め先への信頼度が目的に影響(図23~26)
・自己啓発の取り組みを「始めた」は6.1%と低調。「まだ始めていないが、始めたいと思っている」31.3%、「特に取り組む意向は無い」62.6%と、5月調査と同じ傾向が継続(図23)
・勤め先への信頼の程度別に自己啓発の目的を見ると、信頼度が高い者は「現在の仕事に必要な知識・能力を身につけるため」の割合が多く、信頼度が低い者は「転職や独立のため」の割合が多い(図25・26)
6. 働き方の変化:在宅勤務は効率・満足度とも上昇、労務管理上課題も(図27~38)
・柔軟な働き方(時差出勤やテレワーク等)の実施率は、殆どの施策で5月調査より減少(図27)
・テレワークの実施率も5月調査の31.5%から20.2%へと減少、オフィスへの回帰が進行(図28)
・職種別に見ると、「事務的な仕事」「専門的・技術的な仕事」「販売の仕事」で特に大きく低下、「管理的な仕事」でも低下している(図29)
・直近の1週間の出勤日(営業日ベース)は、5月調査では「2日以下」が69.4%を占めていたが、7月調査では「3日以上」が51.4%で逆転(図30)
・在宅勤務の効率について、5月調査の33.8%(「効率が上がった」7.2%、「やや上がった」26.6%)に対し、7月調査では50%(「効率が上がった」9.9%、「やや上がった」40.1%)が上昇(図31)
・在宅勤務への満足度は、70.3%が「満足」(「満足している」22.3%、「どちらかと言えば満足している」48.0%)で5月調査の57.0%(「満足している」18.8%、「どちらかと言えば満足している」38.2%)より向上(図32)
・テレワークを行う上での労務管理上の課題について、「仕事の成果が適切に評価されるか不安」27.9%、「オフィスで勤務する者との評価の公平性」27.9%、「業務報告がわずらわしい」27.5%、「仕事振り(プロセス)が適切に評価されるかどうか不安」19.4%、などが示された(図34)
・コロナ禍収束後もテレワークを行いたいかについて、積極的な意向は75.6%(「そう思う」27.9%、「どちらかと言えばそう思う」47.7%)と5月調査の62.7%(「そう思う」24.3%、「どちらかと言えばそう思う」38.4%)を上回った(図35)
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/219477/LL_img_219477_4.jpg
図35:コロナ禍収束後もテレワークを行いたいか
【別添資料】(資料1)調査結果レポート、(資料2)調査票、(資料3)単純集計表
*調査結果レポート本文は、日本生産性本部の調査研究・提言活動サイト
< https://www.jpc-net.jp/research/detail/004518.html >をご参照ください。