ダイハツ、休業従業員に給与補償 国内全工場停止で労組と合意

　ダイハツ工業は26日、車両の認証試験での不正問題を受け、国内の完成車4工場すべてで生産を停止した。生産停止は少なくとも来年1月末まで。これを受け、ダイハツと労働組合は26日までに、生産停止の影響で休業を迫られる従業員に対して一定の給与補償をすることで合意した。

　26日に軽自動車「コペン」を組み立てる本社工場（大阪府池田市）の稼働をやめ、国内全工場が生産停止した。滋賀工場（滋賀県竜王町）▽京都工場（京都府大山崎町）▽生産子会社「ダイハツ九州」の大分工場（大分県中津市）は25日に生産停止済み。

　ダイハツの国内工場では、同社ブランド27車種の生産のほか、親会社のトヨタやSUBARU、マツダ向けにもOEM（相手先ブランドによる受託生産）をしている。1日の生産台数は約4000台で、1カ月で約8万台の生産が止まる計算になる。

　4工場の生産ラインで働く従業員は約7300人。生産停止中は、工場設備の清掃・メンテナンスなど、通常とは異なる業務に従事する。一方、他の業務への転換が難しい夜勤の従業員は休業とし、給与を一定程度補償する。

　ダイハツは新型コロナウイルス禍で生産を停止した際に、従業員に給与の9割を補償しており、今回も「同水準で合意した」としている。

　出荷停止は国土交通省が安全性能の基準に適合していることを確認するまで続く。同省の検証の項目は多岐にわたり、生産再開には数カ月かかる可能性もある。【加藤結花】