還付金詐欺、被害２．７億円か＝容疑で暴力団幹部逮捕―警視庁

　医療費の還付金を受け取れると偽り、現金約１００万円を盗んだとして、警視庁捜査２課は２０日、電子計算機使用詐欺と窃盗の疑いで、暴力団飯島会系組幹部牧野孝広容疑者（５３）＝北海道帯広市西十九条南＝を逮捕した。同課は認否を明らかにしていない。 　同課によると、牧野容疑者らによる還付金詐欺の被害は４～７月に東京や愛知、兵庫など１都２府５県で約１８０件、計約２．７億円に上るという。同課は牧野容疑者が詐取金を引き出す「出し子」を統括していたとみて調べる。 　逮捕容疑は５月下旬ごろ、東京都中央区職員などをかたり、同区内の８０代男性に医療費の還付金が受け取れるとうその電話をかけて現金計約１４５万円を口座に振り込ませ、うち約１００万円を引き出して盗んだ疑い。　 　牧野容疑者のグループをめぐっては、詐取金を不正に引き出したとして、１０～４０代の男女計６人が窃盗容疑などで逮捕、起訴されている。 　同課は２０日、台東区内の飯島会本部などを家宅捜索した。暴力団の資金源になった可能性もあるとみて詳しく調べる。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕暴力団飯島会本部の家宅捜索に入る警視庁の捜査員＝２０日午前、東京都台東区