証人威迫容疑で検事２人告発＝無罪のプレサンス前社長

　学校法人明浄学院（大阪府熊取町）の土地売却をめぐる横領事件で無罪が確定した不動産会社「プレサンスコーポレーション」（大阪市）の山岸忍前社長（５９）は２９日、違法な取り調べで虚偽の供述を引き出したとして、証人威迫容疑などで大阪地検特捜部に所属していた検事２人の告発状を最高検に提出した。検察当局は受理の可否を検討する。 　山岸氏は、明浄学院元理事長＝実刑確定＝と共謀し、土地売却にかかる手付金２１億円を横領したとして２０１９年に逮捕・起訴された。しかし、昨年１０月に大阪地裁で無罪を言い渡され、その後確定した。 　告発状などによると、検事２人は山岸氏の部下らの取り調べを担当。「１０億、２０億の損害賠償を背負う覚悟でいるのか」「（山岸氏の）関与を供述しなければ重い刑事責任を負う」との趣旨の発言をし、部下らは当初否定した山岸氏の関与を認めるようになったという。 　検察側は、捜査段階での２人の供述内容を山岸氏の共謀を裏付ける柱としたが、地裁判決は「（部下は）故意に虚偽供述している可能性が高い」と認定した。 　山岸氏は告発状提出後に記者会見。「検察組織は（捜査を）途中で踏みとどまって方針を変更できなければ、正されるべきだ。正されなければまたえん罪が生まれる」と話した。　（了）【時事通信社】