「党創立百年」「歴史決議」＝日本の処理水放出も―中国が選ぶ十大ニュース

　【北京時事】中国国営中央テレビは２７日、今年の十大ニュースを発表し、国内部門のトップに７月の中国共産党創立１００年記念式典を選んだ。１１月の党重要会議で採択された「歴史決議」が２位に続いたほか、中国式「民主」の成果や香港立法会（議会）選、孟晩舟・華為技術（ファーウェイ）副会長の帰国もランクインした。国際部門では、米議会襲撃事件やアフガニスタンからの米軍撤退、東京電力福島第１原発の処理水放出方針決定が選ばれた。 　党創立１００年に関しては、習近平総書記（国家主席）が「小康社会（ややゆとりのある社会）」の達成と貧困問題の解決を宣言したことも紹介。「歴史決議」では、習氏の「核心」としての位置付けを強調した。 　中国は今月行われた米主催の「民主主義サミット」に合わせ、「中国の民主」と題した白書や米国の民主主義を批判する文章を相次いで発表。今回も独自の「民主」の利点を列挙した。 　また、大雨の洪水被害にもかかわらず、全体の食糧生産では新記録を打ち出したと主張。「国家の食糧安全確保のため、複雑に変化する国内外の情勢に対応する」と説明しており、米中対立の長期化などへの対応とみられる。 　新たな選挙制度下で初めて行われ、親中派がほぼ全議席を占めた香港立法会選については「選挙の過程は公平・公正であり、香港の民主発展の新たな幕開けとなった」と自賛。孟副会長の帰国をめぐっては「党の指導下にある強大な中国が、永遠に国民の後ろ盾であることを十分に証明した」と説明した。 　国際部門では、アフガンや議会襲撃など米国を批判する出来事が盛り込まれた一方、ロシアとの結束を示す事柄もランクインした。日本の処理水放出に関しては「国際社会が一致して反対している」として、日本の「一方的な決定」を非難した。　【時事通信社】 〔写真説明〕中国の習近平国家主席＝１０月９日、北京（ＡＦＰ時事） 〔写真説明〕立法会選の開票を始める香港の選管職員たち＝１９日、香港（ＡＦＰ時事） 〔写真説明〕中国深※（※＝ツチヘンに川）に到着し、手を振る華為技術（ファーウェイ）の孟晩舟副会長＝９月２５日、国営中央テレビの映像より（ＡＦＰ時事） 〔写真説明〕中国の習近平国家主席とテレビ会議形式で会談するロシアのプーチン大統領（左）＝１２月１５日、モスクワ郊外（ＡＦＰ時事） 〔写真説明〕米軍のアフガニスタン撤退を前に、国外へ脱出しようと空港に押し寄せる人々＝８月２６日、カブール（ＥＰＡ時事） 〔写真説明〕米連邦議会議事堂を占拠するトランプ大統領（当時）の支持者たち＝１月６日、ワシントン（ＥＰＡ時事）