野菜を自分で育て、収穫したても味わえる家庭菜園。しかし、実際栽培をしてみると、農薬の使用頻度や量に驚く場合もあるのでは。
化学製品に頼らない生活が身近にもなっている現代、家庭菜園も無農薬で挑戦したい人もいると思います。
今回は、無農薬の栽培方法と対策を紹介します。
無農薬・オーガニックとは
そもそも無農薬・オーガニックとは何でしょうか。
家庭菜園での無農薬・オーガニックとは、 作物を害虫などから野菜を守るために、農薬や化学薬品を使わずに育てる農業 を言います。
農薬を使わず害虫対策をする場合は防虫ネットを設置したり、害虫に浸食されていないかチェックしたりするなど、 農薬を使わない分手間暇をかける必要があります。
家庭での無農薬は難しい?
無農薬に挑戦した場合、家庭での無農薬はうまくいくのでしょうか。
結論からいうと、手間暇をかけると成功しやすいでしょう。また、 手間暇をかけたからといって、必ず成功する訳ではないので、無農薬で成功したい!という強い意志が必要になります。
農薬を使う理由として害虫対策が大きいので、害虫が苦手な土作りからアプローチする必要があります。 害虫が野菜に発生していないかのチェックなど、常に目を光らせることが大切です。
最大の敵は害虫
無農薬の最大の敵は害虫です。 では、農薬以外にどのような害虫対策があるのでしょうか。
対策方法をそれぞれ解説していきます。
土作りから対策
害虫は地表の葉によくいるイメージがありますが 土の中にも害虫は存在します。 したがって、土からの害虫対策が必要になりますね。
肥料を有機肥料にすると土中の微生物が活性化され、害虫対策にもなります。 有機肥料は暖効性で効果はゆっくり出るため、計画的な土作りが必要になってきます。
防虫ネットで防御
農業用のアイテムを使って、物理的に害虫から野菜を守る方法です。
ホームセンターなどに行くとアーチ型の防虫ネットが売っていますので、背の低い植物には防虫ネットを被せて設置するだけで害虫の侵入を防いでくれます。
背の高い植物には、周囲に支柱を立てて周りを覆う方法もあります。
雑草はそのままにしない
雑草に害虫は潜んでいます。 畑は雑草が生えやすいので、こまめに抜いて綺麗な状態を保つようにしましょう。
また、野菜を育てる畝(うね)にも雑草が生えてきます。手で抜いても良いですが、 マルチで覆っておくと雑草も生えにくくなり、こまめに雑草を抜く手間がなくなりますね。
コンパニオンプランツを活用
コンパニオンプランツをご存じでしょうか。 コンパニオンプランツとは、育てている作物などの側に植えて育てることで良い影響をお互いに与える植物 をいいます。
お互いが成長を助け合ったり、野菜や果実の場合は味が良くなったりとコンパニオンプランツの影響は大きく、 さらに害虫対策としても活躍します。
ハーブなどがよく用いられ、無農薬に大いに役立ってくれます。
バンカープランツもおすすめ
バンカープランツとは、農作物に発生する害虫を食べる虫、つまり害虫の天敵を引き寄せてくれる植物 のことです。
別の虫が来てしまっては意味がないのではないかと思うかもしれませんが、害虫のみを減らしてくれるので、結果害虫対策になり農薬の出番も減るでしょう。
バンカープランツの代表的なものとしては、ヨモギやローズマリー、長ネギなどが上げられます。
食品も試してみる
害虫を寄せ付けないために農薬が使われていますが、 身近な食材を使っても防虫効果が期待できるのです。
食品を利用しているので安全面からも安心できます。効果が期待できる食品と食材を使った防虫スプレーの使い方を紹介します。
効果のある食材
- 酢 :酢を掛けるだけで防虫を寄せ付けない効果があります。防虫だけでなく殺菌効果も期待できます。
- 唐辛子 :唐辛子は米びつに入れたり、衣類の虫食いを防ぐためなど、昔から唐辛子は防虫対策として使われていました。家庭菜園の虫除けとしても活躍し、抗菌効果もあります。
- コーヒー :ドリップ後の残りカスを乾燥させて土に撒くだけで虫を寄せ付けません。カフェインを虫が嫌がるので効果が期待できるのです。
食品でできる虫除けスプレーの作り方
虫除けスプレーはとても簡単に作ることができます。
農薬は使いたくないけど害虫に悩んでいる方はぜひ、天然の虫除けスプレーを使ってみてください。
【用意するもの】
- 酢:500㎖
- 唐辛子:10本
- にんにく:1~3片
- 霧吹き
【作り方】
- 唐辛子はへたと種を取り除きます。にんにくは皮を剥いて押しつぶしておきましょう。
- 材料を全て混ぜ合わせて、1ヶ月ほど寝かせておきます。
- 寝かせたら、水に3~10倍に希釈してから霧吹きに入れて使います。原液のままでは植物にとって刺激が強いので気をつけてください。
「自然農法」もありかも
家庭菜園での無農薬と害虫対策などについて説明しましたが「自然農法」なんて方法もあります。
自然農法は無農薬の農法と似てはいますが、草むしりや間引きなど人の手を全く入れない農法をいいます。 本当に自然に任せ、植物本来の生命力で成長させていきます。
手入れをしないので周りの草木が生えっぱなしで一見荒れているように見えますが、ちゃんと実がなり、収穫までできます。
この自然農法は絶対に実がなるという保証はありませんが、無農薬で育てたいけれども手入れの充分な時間がとれない という人は、試しに挑戦してみる価値はあるかもしれません。
秋は無農薬のチャンス
秋は夏と比べて気温も下がり、人も植物も過ごしやすい時期です。
高い気温や強い直射日光によって作物が弱ることも少ないですし、農作業もしやすい気候なので手入れも行き届きやすくなります。
その分秋は無農薬に挑戦しやすい時期ともいえるので、無農薬での栽培に興味があるという人にとってはチャンスですね。この秋は無農薬栽培に挑戦してみてはいかがでしょうか。
大塚なつこ
余暇プランナー
緑に囲まれた田舎住み。田舎しか勝たん。休日は畑やったり、ゆっくり家族と過ごすのが好き。旅行は好きなので国内・海外いろいろ行っちゃってます。雪国育ちだけど将来の夢は南国でずっと夏を過ごすこと。難しく考えず、ゆったりとリラックスした気分で読める記事を目指しています。知識をたくさん取り込んで、たくさん発信します。