ピンクで可愛らしい花が特徴のニオイザクラは、冬の花の一つです。あまり大きくならないので、鉢植えでコンパクトに育てることができるのが魅力ですね。ニオイザクラを上手に育てるコツは、季節によって管理する場所を変えることです。
ガーデニング初心者でも育てやすい、ニオイザクラの育て方や花言葉など詳しくご紹介します。
甘く優しい香りが特徴のニオイザクラ
桜に似ている花と素朴で甘い香りが特徴のニオイザクラ は、 ヒマラヤやネパールなどの南アジアが原産のアカネ科ルクリア属の常緑低木です。 アッサムニオイザクラやルクリア・ピンセアナなどの名前で流通しています。日本では昭和50年頃から栽培が始まり、山梨県はニオイザクラの生産量日本一です。
開花時期は11月〜2月頃と、冬のあいだ長く可愛らしい花を咲かせてくれますよ。樹高は50cm〜1mほどなのでお手入れしやすいのも魅力です。
ニオイザクラの花言葉
ニオイザクラの花言葉は 優美な人、しとやか、清純な心、匂い立つ魅力 です。
どれも可愛らしい見た目と甘くてよい匂い、女性らしい印象から花言葉の由来になったようです。
ニオイザクラの英名「ルクリア」の由来は、学名をそのまま読んだことが始まりのそうです。原産国のインドやネパールでは、ルクリスワと呼ばれていました。日本では、5枚の花弁が桜のように見えることやよい匂いがすることからニオイザクラと呼ばれるようになりました。
どの呼び方も特徴があって面白いですね。
ニオイザクラの育て方
ニオイザクラは花の姿や香りを楽しむ花木ですが、 ドライフラワーやプリザーブドフラワーなどの加工にも向いています。
花が長く楽しめて、生花と違ってお手入れがいらない人気のギフトです。ドライフラワーや押し花は自宅でも簡単に作ることができますよ。花の色が濃い色をしたニオイザクラを使うと乾燥しても発色が綺麗なままです。
自作したドライフラワーはハーバリウムやレジンの材料に使うことができるので、オリジナルアイテムを作って飾ることもできますね。
置き場所
ニオイザクラは高温多湿と寒さに少し弱いので、季節によって置く場所を変えると上手に育てられますよ。
春と秋は日当たりと風通しのよい場所で、しっかりと日光に当てましょう。 日陰に置くと日照不足になり、花付きが悪くなるだけでなく病害虫の被害にあいやすくなってしまいます。
夏の日差しはニオイザクラには強すぎて葉焼けや変色の原因 になってしまうので、直射日光が当たらない涼しい場所で管理します。
冬は日当たりのよい室内で管理しましょう。 寒さに弱いので室温は5℃以下にならないよう管理します。暖房の風が直接あたる場所に置くと、花が咲かない原因になってしまうので気を付けましょう。夜になったら窓辺から離すと、外からの冷気の影響を受けないので安心です。
水やり
ニオイザクラは 鉢の土が乾いたら、鉢底穴から水が出るぐらいたっぷりと 水やりしましょう。
過湿に弱いので、常に鉢の土が濡れている状態を嫌います。水やりの回数が多いと根腐れの原因になり株を枯らす原因になってしまいます。乾かし気味に水やりするのを心がけるとよいですね。
用土と肥料
過湿に弱いニオイザクラは、 水はけがよい土を使う とトラブルを減らせます。市販の花と草の培養土でも問題なく育ちますが、自分で土を作りたい場合は 赤玉土小粒6:腐葉土3:川砂1の割合で混ぜ合わせます。
植え替えや植え付けのときに マグアンプなどの緩効性化成肥料 を土に混ぜておきます。成長期の春と秋に追肥をすると、花付きがよくなりますよ。
窒素分が多いと葉だけが茂って花が咲かなくなってしまいます。リンとカリウムのバランスがよい肥料を与えるようにしましょう。また、 夏は休眠期になるので肥料は与えなくて大丈夫です。
花がら摘み
ニオイザクラは、花が咲き始めると次から次へと新しい花が咲きます。花が咲き終わったら花がら摘みをしましょう。こまめに花がら摘みをすることで、病害虫がつきにくくなり種を作る養分と体力を開花に回すことができ、花付きがよくなります。
剪定の時期は6月頃で、混みあっている枝や伸びすぎている枝などを切り戻して風通しをよくしましょう。通気性をよくしておくことで夏越ししやすくなります。
ニオイザクラにつきやすい病害虫
春から秋にかけて、アブラムシやハダニの被害にあいやすいです。 アブラムシは植物の柔らかい部分に寄生して植物の汁を吸って株を弱らせる原因になります。繫殖力旺盛で放置してしまうとアブラムシだらけなんてことも。アブラムシが厄介な理由は、排泄物を菌が媒介して病気を発症してしまうことです。うどんこ病やモザイク病などにかかりやすくなってしまいます。病気にかかってしまうと回復まで時間がかかります。
ハダニは高温で乾燥していると、発生しやすくなります。葉の裏に寄生して株を弱らせるので、水やりするときは葉の裏側に水をかけておくとよいでしょう。
植え付けのときに、 オルトランを土に混ぜておく ことでアブラムシやハダニの発生を防ぐことができます。スプレータイプの殺虫剤もあるので用途によって使い分けましょう。
香りがよいニオイザクラを育ててみよう
花色が可愛らしく甘く優しい匂いがするニオイザクラは、寒い時期になると開花して見ていると心が安らぎますね。
繊細で気難しい印象を受けるかもしれませんが、寒さに強く丈夫な品種も開発されているのでガーデニング初心者でも育てやすいです。
咲いた花は押し花やドライフラワーに使えるので、おしゃれで繊細な作品を作ることができます。好きな花を長く花を楽しみたい方にはおすすめです。つまみ細工のような可愛らしい花をぜひ育ててみてください。
椎名淳美
余暇プランナー
園芸店で1つのサボテンに出会ってから、多肉植物の魅力にどっぷりハマってしまった茨城在住の主婦です。多肉植物を育て始めて4年目を迎え、気が付いたら150種類以上の多肉植物と猫2匹と暮らしています。 季節の花と多肉植物を育てながら 今までの経験を生かし、ガーデニングの伝えるため植物系ライターを始めました。植物の育て方や寄せ植えの仕方、トラブルの対処方法について執筆していきたいと思います。 最近、VTuberにハマっていて、昔から得意だったハンドメイドで自分なりの推し活を楽しんでいます。簡単に作れる推しグッズをご紹介します。