細々している物を整理する際、自分好みの小物入れがあれば気分があがりますね。カルトナージュというのは、好きな生地を使って小物入れを作る工芸のことを言います。普通の小物入れと違って温かみがあり、生地のデザインによって雰囲気も変わりますよ。
本記事では、最近手放せなくなったマスクを入れる簡単なケースの作り方を紹介します。蓋がつくので、蓋なしより多少作業時間がかかりますが、レースやリボンを使って装飾もできオリジナルの小物入れを作ることができるでしょう。ぜひ、挑戦してみてください!
カルトナージュとは?
カルトナージュとは、厚紙(カルトンCarton)からきています。フランス伝統の厚紙工芸で、18世紀に
蚕(かいこ)を入れる紙箱に装飾したのが発祥
と言われています。カルトナージュのイメージは布を貼った小物入れですが、フォトフレームやファイルケースもカルトナージュ技法が使われることもあります。
また、厚紙に布を貼るだけではなく、レースやリボン、タッセルなどを使って装飾が施されるカルトナージュも多くあります。デコパージュのようにニスを塗って仕上げるのではなく、
布の風合いをそのまま生かした作品
になるので、柔らかい仕上がりになるでしょう。
簡単!カルトナージュのマスクケースを作ろう
材料
厚紙
生地
レースやリボン(装飾用)
Photo by sorayou
基本の材料はこれだけです。100円ショップには様々なデザインの布地があるので、自分好みの布地を見つけてみてくださいね。写真のように
2種類の布地を使って外側と内側を違うデザインにするのもおすすめ
です。あとは、レースやリボンがあれば仕上がりが可愛らしくなります。
使用する道具
ケント紙(なければ接着芯など)
ボンド
水貼りテープ(なければ白いマスキングテープなど)
裁ちばさみ、はさみ
定規
チャコペンやへら
平筆
洗濯ばさみ
Photo by sorayou
ケント紙とは、
画用紙の中で一番薄くて硬い紙
のことをいいます。なければ普通紙や接着芯でもいいですが、ケント紙に比べて薄くて柔らかいので強度はそれほどありません。水貼りテープは、紙製のテープで水を含ませることによって粘着力が出ます。
100円ショップでは水貼りテープは売っていないので、手芸店で購入するか代替品としてマスキングテープがあります。
セロハンテープだと、ボンドが接着しない
のでおすすめしません。できるだけ、白色で薄い紙製のテープを使いましょう。
作り方
Photo by sorayou
① 厚紙とケント紙を切る
19cmx11cm (厚紙x2、ケント紙x3)←底面、蓋
19cmx10cm (厚紙x2、ケント紙x2)←側面
10cmx10cm (厚紙x2、ケント紙x2)←側面
19cmx4cm (ケント紙x1)←補強
上記の分だけ切ります。底面、蓋部分のケント紙が3枚必要なのは、
底面の外側と内側に布地を貼るため
です。また、17cmx4cmのケント紙は、蓋と本体をつなげる際の補強用として使います。その部分は少し厚くなりますが、補強によってはずれる心配はありません。
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② 厚紙同士をボンドで貼り、テープで固定する。
厚紙で箱の部分を作ります。
厚紙パーツの厚みの部分にボンドをつけて箱型
にします。それだけでは強度が足りないので、マスキングテープを貼って補強します。今回水貼りテープを使わず紙製のテープを使いました。
水貼りテープを使う場合は、内側に張るとよいでしょう。平筆に水をふくみ、テープの上からなぞると粘着します。あまり
水をふくみすぎると、厚紙が濡れてしまう
ので気を付けてください。
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③ 布地を切って箱の側面に貼る
縦 14cmx横 64cm(のりしろ含)
布地を切ります。側面に平筆でボンドを全体的にに塗ります。できるだけ均等に塗るのを心がけましょう。のりしろ2cmを残して一番面積が小さい側面に貼った後、のりしろを折って大きい面積の側面に貼ります。貼る時は、
布地がたるまないように少し引っ張る
ように貼ってください。
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一周貼り終わったらのりしろ部分を内側に折り、貼り始めの部分と重ね合わせます。布地を伸ばしながら貼り付けるので、最後はのりしろ部分がかなりの長さが余るでしょう。その際は、適宜切り取って厚みが出ないように調整してください。
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最後にのりしろ部分を底面に貼り付けます。布地が重なるとデコボコするので、ハサミをななめに入れて余分な布地を切り落とします。のりしろ部分もしわにならないように少し引っ張って貼るときれいにつきます。
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箱の上部も内側に織り込むように貼ります。ポイントは、
蓋と接着する部分ののりしろは貼らない
ことです。3か所だけ内側に貼り、面積が大きく蓋とくっつく部分ののりしろだけそのままにしましょう。あと、どうしてもきちんと接着しているか気になる時は、洗濯ばさみで固定しておくとしっかり貼りつきますよ。
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④ 蓋部分の厚紙、底面のケント紙にも布地を貼る
蓋部分や底面も2cmののりしろをとって布地を切り、それぞれ厚紙とケント紙に貼りつけます。これらも布地が重なる部分があるので、角を切りおとして貼った方がきれいに仕上がります。そして、底面には布地を貼ったケント紙をボンドで貼り付けてください。
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⑤ 蓋と本体を貼りつけ、つなぎ部分を補強する
本体で貼りつけなかったのりしろを蓋の裏部分に貼りつけます(写真①、②参照)。次に布地を貼ったケント紙を本体と蓋のつなぎ目部分を覆うように貼りつけます。布地1枚でつながっていたのを補強することによって、はずれにくくなりました。
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⑥ 内側と蓋の裏部分に布地を貼り、装飾して完成
最後に内側と蓋の裏部分に布地を貼ったケント紙を貼ります。蓋部分は、本体の底面を貼ったように貼りつけるだけです。内側は少しポイントをおさえて貼るようにします。まず面積が大きい側面は、上部ののりしろだけ織り込んで貼りつけ、それ以外は織りこまず①のように谷折りにしておきます。
面積の小さい側面は、②のように底面ののりしろ以外は織り込んで接着します。最後にすべてののりしろを織り込んだ底面を④のように接着すれば完成です。このように順番通りに作業すれば、つぎめが目立たずきれいに見えます。あとは、自分の好きなレースやリボンを飾れば完成です。
カルトナージュでお部屋の雰囲気を華やかにしよう!
Photo by sorayou
早速マスクをいれてみたところ、ぴったりおさまりましたよ。いつもは買ったままの箱をテーブルに置いていて味気なかったケースが、見違えるように華やかになりました。蓋を閉じると少し浮いてしまいましたが、きちんと閉じた方がいいという人は、
バンドや紐で固定する方法
もあります。
カルトナージュは大きさや形を変えれば、たくさんの箱や小物が作れます。最初のうちは、工程が多くて少し戸惑うかもしれません。しかし、
一度覚えてしまえば簡単
に作れてしまうのです。自分でアレンジもできるので、インテリアを華やかなにしたいと思ったら、ぜひカルトナージュに挑戦してほしいです。
sorayou
余暇プランナー
フリーランスWebライターのsorayouです。カフェや雑貨店を渡り歩き、気になったハンドメイド作品があれば自分流で日々挑戦しています。最近は、プチプラだけど高見えするハンドメイドを模索中。休みの日には、子供たちと家にある素材をひっくり返して工作しています。色々な作品に触れていく中、新しい発見があれば、ぜひみなさんと共有していきたいです!