公益財団法人公益推進協会 アディーレ未来創造基金が、奨学金返済に苦しむ若者の負担軽減を目的とした「#奨学金返済 支援プロジェクト」を発足。それを記念して10月10日に東京都内で記者発表会が開催されました。会場には当プロジェクトの発起人に加え、田村淳さん、貴島明日香さん、白本彩奈さんがゲストとして登場。奨学金に関するアンケート結果などをもとにしたトークセッションを行いました。
夢を持つ若者に対し、奨学金の返済残高を全額支援
多くの若手社会人にとって、決して小さくない“お金の悩み”となっている「奨学金返済」の負担。コロナ禍の余波による収入の不安定化や刻々と進む物価上昇などにより、その状況は年々深刻化しつつあります。そうした社会情勢を受けて、公益財団法人公益推進協会 アディーレ未来創造基金(以下、アディーレ未来創造基金)では「#奨学金返済 支援プロジェクト」を発足。夢を持ちながら奨学金返済が負担となっている若者に対し、返済残高を全額支援する取り組みをスタートしました。
この日の記者発表会では、主催者を代表して公益財団法人公益推進協会の福島達也代表理事が初めに挨拶。九州北部豪雨の被災地支援と東京五輪に向けたスポーツ団体支援という、これまでのアディーレ未来創造基金の活動を紹介した上で、「当協会でもいろんな奨学金を支援していますが、奨学金返済のための支援というのは初めてです。非常に楽しみですし、ワクワクしています」と今回のプロジェクトへの期待を述べました。
続いて、本プロジェクトの発起人であるアディーレ法律事務所代表弁護士の鈴木淳巳氏が登壇。多くの人々の“お金の悩み”を解決してきた同事務所の歩みや、数年前まで奨学金を返済してきた自身の経験などを述べた同氏は、「本プロジェクトの基盤にあるのは、お金のことで未来を諦めて欲しくないという思いです」と熱い思いを披露。その上で「未来ある若者の金銭面の心配を払拭して、夢の実現の手助けをしたいと考えております」と今回の取り組みへの意気込みを語りました。
田村淳、貴島明日香、白本彩奈が“奨学金返済のリアル”を学ぶ
その後のトークセッションには、お笑いタレントの田村淳さん、モデル・俳優の貴島明日香さん、俳優・タレントで本プロジェクトのイメージキャラクターを務める白本彩奈さんが登場。
まず初めに、奨学金制度の印象を尋ねられた3人は、
「奨学金には給付型と貸与型があって、給付型がもっと広まればいいなと思うんですが、その予算が国からも出せていないのが現状ですよね。また、大学などで学んだ人が社会に出る前から“借金”を抱え、それが影響して夢や希望を持てないというのは問題だと感じています」(田村さん)
「我が家は兄と妹が奨学金を使って進学しました。2人とも奨学金制度があったおかげで夢を諦めずに済んだので、必要で重要な制度という印象を持っています」(貴島さん)
「私は今、大学1年で学費がかかる立場なのですが、もっと安心できる支援みたいなものがあれば、きっと奨学金を利用していたと思います」(白本さん)
と、それぞれの印象を語りました。
次に、アディーレ未来創造基金が全国の20代・30代の男女1000人を対象に行った「2023年度 奨学金に関する実態調査」の結果をもとに、若手社会人が抱える“奨学金返済のリアル”を確認。
初めに「3人に1人が奨学金によって何らかの夢を諦めており、奨学金を返済中の8割の人が返済を重荷に感じている」という調査結果が紹介されると、田村さんが「本来は大学を卒業して未来が開けていくはずなのに、8割の人が奨学金の返済に苦しんでいる。そういう現状は改善の余地がかなりあると思いますね」とコメント。続けて「これでは卒業するのが怖くないですか?」と本音を述べると、他の2人も共感の表情を浮かべていました。
一方で「調査対象者のうち、おおよそ3人に1人が奨学金を利用。そのうち86.0 %が貸与型奨学金で、奨学金利用者の約半数にあたる51.5%が現在も返済中」という調査結果については、貴島さんが「20代・30代の3人に1人が奨学金を利用しているというのが、私の想像よりも多くて驚きました。半数以上の方が返済中という結果を見ると、先ほどの“重荷に感じる”という言葉がより重く伝わってきますね」と関心の表情。白本さんも「返済が残っているというのは、若い人からしたらプレッシャーと責任を感じるでしょうし、返済義務がある中で、その先の夢を見るというのはかなり難しいと思います」と感想を述べました。
さらに「貸与型奨学金の借り入れ総額は、100万円から200万円未満が19.2%。200万円から300万円未満が28.6%。300万円から400万円未満が17.8%。400万円から500万円未満が11.6%、500万円以上は13.2%」という調査結果に対して、田村さんから「社会に出てから返済の現実を知って絶望する人もいるでしょうし、実際に返済に苦しむ人の話を教育機関などでもっと伝えていくことも必要かも」という意見が出るなど、それぞれ奨学金返済の現状に理解が深まった様子でした。
最後に本プロジェクトへの感想を尋ねられ、「夢を語ることで奨学金返済を支援してくれる、すごくいいプロジェクト。企業が若者を支援する新しい形として応援したいです」(田村さん)、「私自身も奨学金について改めて考えるきっかけになりました」(貴島さん)、「奨学金の返済を支援するという新鮮なプロジェクトでイメージキャラクターを務めることができて光栄です」(白本さん)と述べた3人。奨学金の返済が足かせになって夢に向かって踏み出せないという方は、ぜひ応募を検討してみては。
■『#奨学金返済 支援プロジェクト』概要
・助成対象:2024年3月31日時点で満19歳~満34歳の方で貸与型奨学金の受給者 現在返済残額があり、2024年3月末時点で返済義務を有する方
・金額:2024年3月31日時点の残額を全額支援
・応募期間:2023年10月10日14時~2023年12月10日23時59分
・発表時期:2023年12月末を予定
・助成時期:2024年3月の予定
・応募方法:プロジェクト公式WEBサイト内の「エントリーフォーム」より応募。動画もしくはPDFにて、夢をテーマにしたレポートを提出
・審査方法:外部の審査員協力のもと、アディーレ未来創造基金にて助成対象者を決定
※注意事項:助成決定者は、奨学金残高証明書等による借り入れ証明が必要となります。