多忙な日常の煩わしさから、一時的とはいえ解放されるのが旅。まとまった休みが取れたら、リフレッシュできる旅行に行きたいって人も多いのでは?
目的を決めた観光もいいし、気の向くまま行きたいところへ足を伸ばすのもあり。ボクらが旅に出る理由なんて、なんだっていいはず。
そこで、GO OUT WEBで恒例になりつつある通称『タープ下座談会』の今回のテーマは、すばり“旅”。
旅慣れた外遊び好きに集まってもらい、旅行や出張であったらいいモノや、使えるワザを聞いてみた。
今回、座談会に参加してもらうのは、セレクトショップのバイヤーとして長年活躍してきた廣沢さん、松尾さん、笹野さんの3名。
仕事とはいえ海外出張が多く、2週間を超えるロングトリップも当然のようにこなしてきただけに、旅の経験値はかなりのもの。
まずは目的や動きに合わせたバッグ選びから。
―まずは、それぞれの旅キャリアについて、ざっくり教えてください。
廣沢「旅歴は30年くらいで、場所はアメリカがメインです。しかも、ほとんどが西海岸。個人的にはサウスウエストが好きです」
笹野「ボクは20年くらいで、ヨーロッパを巡ることが多いです。パリやスイス、ドイツとか、あとインドとかも」
松尾「自分は25年くらいになります。行き先はアメリカとヨーロッパが半々くらいかな」
―旅へ出かけるときに、最初に用意するモノって?
松尾「まずはバッグですかね。スーツケースはさておき、メッセンジャーかバックパックを絶対に持っていくので、それを決めます」
笹野「確かにスーツケースとバッグは分けて考えますね。どんなモノを選ぶかは重要かも」
松尾「向こうで動くときにも使うから、機内に持ち込めるサイズでも、ある程度の容量は欲しいんですよ」
廣沢「ボクは現地ではレンタカーでの移動が基本だから、大きなソフトケースひとつにまとめちゃいます」
松尾「ヨーロッパだとスーツケースが、空港でロストすることがあるんですよ。その対策として、機内に持ち込むバッグに、お金と着替えを少し入れておきたいっていう」
笹野「イタリアとか多いですよね! わりと普通に出てこない(笑)」
松尾「それで翌日に、やっと出てくるっていうパターンですよね」
どんなバッグを使っているの? 3人の相棒を拝見。
―では皆さんが旅で使う愛用バッグを教えてください。
廣沢「今はアークテリクスのウィール付きソフトケースがメインです。ハードケースはクルマに積み込みにくいんですよ。現地でクルマ移動をするなら、ソフトケースやダッフルの方が圧倒的に便利だと思います。これも3代目だし」
松尾「このでかいロゴって……」
廣沢「自分でプリントしました(笑)。さっきの空港の話じゃないけど、なにか目印を付けておかないと、ターンテーブルで見失いかねないので。ハードケースみたいに、ステッカーも貼れないですから」
松尾「ボクが最近使っているのは、シールソンっていう台湾のブランドのバックパックです。UL系の機能素材を使っていて、軽くて丈夫なんですよ」。
廣沢「トレッキング系のバッグなんですね」
松尾「そうなんですよ。しかもUL系のバッグとしては珍しく、横からガバって開けられるんです。だから旅でも使いやすくて。あと、外付けポケットも多いから、お金を小分けに収納できる」
笹野「確かに防犯対策でお金を何ヶ所に分散させますもんね。ポケットが多いバッグは重宝すると思います」
笹野「ボクはイタリアのブランド、ジーアールテンケーのバックパックを愛用しています。これはトップ部分が取り外せて、ポーチになるんですよ。それと、荷物が増えたとき用に、コンパクトになるダッフルバッグも持っていきます」
廣沢「コンパクトなるダッフルバッグは、めちゃくちゃ使えますよね。ボクも常備しています。あとアウトドア系のスタッフサックも、着替えを入れるのに最適。何枚あってもかさばらないし」
笹野「あ、着替えの収納にはロイヤルネイビーのレターバッグも結構使えるんですよ。中身が見えるし、色分けもできて便利なんです。しかも安い」
廣沢「それもいいですね! 色違いで揃えたくなります」
機能素材のウエアはマスト! 下着は現地調達も。
―旅に必ず持っていくような、定番ウエアってあるんですか?
松尾「やっぱり現地で洗濯することを考えると、乾きやすいメリノウール系や機能素材のウエアになりますよね」
廣沢「アウトドアをする人にとっては定番だけど、確かに旅先でも助かる」
笹野「洗濯、結構大変ですもんね。下着はあえてボロボロのやつばかり持っていって、現地で処分して、買い直したりしますよ」
松尾「それ、ボクもやります。アメリカだとTシャツとかソックスがパック売りしているから、現地調達しやすいですよね。 余っても誰かとシェアしやすいし」
松尾「あとはシワになりにくい、ナイロン素材のパンツもマストですね。リラックスできるけど、仕事でも使えるような、いろんなシーンに対応するパンツが1本あると重宝すると思います」
廣沢「そういうアイテムでいえば、ボクはアークテリクスの薄手の中綿入りアウター。Tシャツの上からさっと羽織れるし、ミッドレイヤーにもなるし、かなり万能!」
松尾「外は寒いけど室内は暑いってパターンも多いから、重ね着で温度調整できるウエアは便利ですよね」
笹野「ボクはウエアじゃないけど、スブのサンダルがめちゃくちゃ調子よくて。特に冬は最高。これは絶対に持っていきます」
廣沢「ホテルや機内で履けるサンダルもマストですよね。ボクはビルケンシュトックを愛用しています」
笹野「しかもこれは収納ケースがショルダーバッグになるから、このセットで近所に買い物にも行けるんですよ」
あったら便利な、まさかのアイテムが続々。
―旅慣れしているからこそ分かる、あったら便利モノとか教えてください。
廣沢「海外限定ですけど、長めの延長コードです。海外のホテルって、変なところにコンセントの差し込み口があったりして、結構使いにくいんですよ。しかも1口だけどか」
松尾「変な場所でバッテリーとか充電するから、そのまま置き忘れちゃったりするんですよね(笑)」
廣沢「でもこれがあればデスク周りでコンセントが使えるっていう」
笹野「おー、それあったら絶対便利ですね。ちなみにボクは青竹踏みをオススメしたいです。海外旅行って現地でクルマを使わない場合、めちゃくちゃ歩くでしょ?」
松尾「確かに1日で2万歩くらい歩くかも……」
笹野「それ、朝晩にこれを踏むだけで、かなり足取りが軽くなるんですよ。ちょっとかさばるけど、これも絶対に持っていくアイテムです(笑)」
松尾「まさかの青竹踏み!(笑)」
オトナは知りたい、海外旅行のお酒事情。
笹野「それと、もうひとつ。必ず持っていくモノが、紙パックの焼酎」
松尾「なるほど。軽いし割れないし!」
廣沢「紙パックのお酒、いいですよね。ボクも焼酎を2升くらい持って行ったことあります(笑)。結構、海外では喜ばれるし」
笹野「余ってもあげたりできますよね。あと、初日に時差ボケを治すために飲んで寝るためってのもあります。夜に到着したりして、時間帯によってはお酒が買えないことがあるじゃないですか」
廣沢「お酒関係なら、栓抜きも重要じゃないですか? 特にコルク用のスクリューもセットになっているやつ」
笹野「めちゃくちゃ重要!(笑)スクリューがないときの悲しさといったら……」
松尾「たまにありますもんね、そのタイプのお酒。でも海外あるあるですよね。クラフトビールを買ったのに、栓抜きがなくて飲めないとか」
廣沢「あ、でも、ドアのメス側っていうのかな。ヘコんでいるところあるじゃないですか(正式名称はストライク)。あそこ使えるんですよ。タオルを巻いてこぼれないようして」
松尾「あ〜、使えますよね! ボクもやったことあります(笑)」
笹野「それは知らなかった! ナイスアイデアですね。なんなら日本でも使えそう」
“なにもしない” 旅が一番の贅沢?
―お酒ネタが一番盛り上がりましたね(笑)。最後に、これから行ってみたい場所や、やってみたい旅を教えてください。
松尾「うーん、やっぱりゆっくりしたいかな。時間がないとできない、余裕がある旅がしたいです」
笹野「インドに行ったときにリゾートホテルの中庭で、ずっと本を読んでいる旅行客がいたんですよ。それを見て、なんでこんなとこまで来てって思いながら、ボクは観光しまくっていたけど、今思えば、それが旅行の一番の贅沢なのかなって」
廣沢「あ〜、なにもしないっていう。それはありますよね!」
松尾「いいですよね。国内でも全然いいですよ。3泊くらいで北海道とか」
廣沢「ボクは九州かな。美味しいモノを食べて、あとはなにもしない(笑)」
笹野「でも海外に行くなら、青竹踏みはぜひ(笑)」
Photo/Taizo Shukuri
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